野外生態学実習Iを実施しました
人間が維持管理する半自然草原の種多様性を評価する
長野県上田市菅平において、半自然草原の植生調査を行いました。半自然草原とは人間が適度に手を加え維持している生態系で、明るい環境を好む植物が生育します。人間の利用の仕方によって種多様性は変わるのか検討しました。
5日間の実習のうち1日は根子岳に登山し、標高にともなう植生変化を観察するとともに、隣接する菅平牧場で草食動物による植生影響を観察しました。
霊長類の形態観察と鳥類・哺乳類の行動観察
千葉市動物公園を調査地として、霊長類の形態観察からヒトの特徴について考察を行った後、参加学生各自で対象種や研究テーマを設定し、研究計画を立て、データ収集およびデータ解析を行いました。今年度は、ハシビロコウの利用場所、テナガザルの発声のタイミング、レッサーパンダの活動様式、ライオンの行動への観客の影響などのテーマで観察が行われました。
亜熱帯地域における動植物の多様性を学ぶ
亜熱帯に属する沖縄島におもむき、亜熱帯性の動植物種を多数観察することを通じて、その多様性の豊かさを体感しました。実習参加者が普段暮らしている温帯とは異なる気候区分の動植物を知ることによって、生物多様性についてより広い視座から考察する力を養いました。
動物の行動・形態実習
千葉市動物公園と鴨川シーワールドで動物の行動と形態に関する実習を行いました。行動に関する実習では、動物の磁場感受性に関する行動測定と統計解析を行いました。形態に関する実習では、ネコ目の頭蓋骨形態の進化に関する実習を行いました。
流域生態系と島嶼生態系
三浦半島小網代の谷と伊豆諸島三宅島をフィールドに野外実習を行いました。流域生態系の実習では、流域の構造を源流から河口干潟まで観察し、光と水と生物間相互作用の観点から自然再生のための管理作業を実習しました。一方三宅島では、火山島における植生遷移に対応した鳥類相の特徴と、海洋の一次生産に依存する大型海洋爬虫類(アオウミガメ)の採餌行動を観察・記録しました。