理学部生物学科

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「生物「生物科学入門」(基礎毒物学)

生物学科の目玉講義を紹介します。

 生物学科の目玉講義の一つである「生物科学入門」(基礎毒物学)は今年もメルボルン工科大学から、toxicologyの世界的な権威であるアホカス教授を迎えて、6月29日~7月3日に集中講義を行いました。今年で11年目を迎えるこの講義は、毒物の基礎から生物との関わり、さらに環境汚染の問題を扱う広い分野を包含します。

 欧米の大学ではよく見られる科目ですが、日本はまだ生物系のカリキュラムとして整備されていません。生物学科はtoxicology(訳語もさまざまで、毒物学、毒性学、中毒学、トキシコロジーなどと訳されます)の重要性にいち早く注目して、3年次の選択科目に加えています。英語で行われる講義はついていくのは大変ですが、事前の予備講義や講義スライド、さらに日本語の解説もあるので、8割以上の学生が履修する人気の高い科目です。
「生物科学入門」(基礎毒物学)_01

ウサギの耳、足尾銅山、水俣病

 毒物学の基礎的な知識に加えて、これまであまり知られていなかった話などもありました。

 ウサギの耳にコールタールを塗って、ガンが出来ることを初めて明らかにした山極勝三郎博士の先駆的な研究は、世界的に有名ですが日本ではあまり知られていないこと、また彼の銅像を探し歩いた話など、先駆者に敬意をはらい代々伝える西欧の科学者の伝統精神は、多くの学生に新鮮な驚きと感銘を与えました。

 アホカス教授は今日では風化しつつある足尾銅山にも自ら赴き、日本の公害の歴史や現状を世界各国の事故や公害の問題と絡めて具体的に話されました。さらに、水俣病などの悲惨な歴史を繰り返さないように、日本はこの経験を生かしてアジア各国で起きているさまざまな公害の解決に積極的に取り組むべきであることを強調して、講義を終えました。午前9時から12時まで4日間にわたってエネルギッシュな講義を行った後は、帰国前に広島を訪れる予定だそうです。
「生物科学入門」(基礎毒物学)_02

アホカス教授のメッセージ

  'It is increasingly important to realise that our health and well-being is integrally related to the well-being of our environment. To maintain a balance between prosperity and environmental quality we need more graduates with good understanding of toxicology. Toxicology is the key for improved environment and the safe use of many highly useful modern products of chemical and pharmaceutical industry.'
J. Ahokas Ph.D.
Professor, Medical Science
Royal Melbourne Institute of Technology
「生物科学入門」(基礎毒物学)_03

アホカス教授との対話

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