出生地と異なる環境には移動しにくい?
~ DNA解析が解き明かしたニホンカモシカの分散様式 ~
東邦大学理学部生物学科の井上英治准教授、東京農工大学農学部附属野生動物管理教育研究センターの髙田隼人特任准教授らの研究グループは、特別天然記念物であるニホンカモシカの糞や組織から抽出したDNAを用いて、浅間山における分散様式を調査しました。
解析の結果、中標高の森林地域と高山草原地域とでは遺伝的交流が制限されていることを明らかにし、両地域の環境の違いが個体の移動を制限している可能性を示しました。また、一夫多妻の配偶システムとオスがメスより分散する傾向(オス分散)との関連が示唆されていましたが、高山草原地域では一夫多妻であるにも関わらず、一夫一妻の森林地域と同様に、オス分散ではないことを発見しました。動物の分散様式は保全や獣害を考える上でも重要であり、本成果は動物の生態だけでなく、保護管理にも重要な知見となります。
この研究成果は、2024年2月14日に雑誌「Zoological Science」にて発表されました。
解析の結果、中標高の森林地域と高山草原地域とでは遺伝的交流が制限されていることを明らかにし、両地域の環境の違いが個体の移動を制限している可能性を示しました。また、一夫多妻の配偶システムとオスがメスより分散する傾向(オス分散)との関連が示唆されていましたが、高山草原地域では一夫多妻であるにも関わらず、一夫一妻の森林地域と同様に、オス分散ではないことを発見しました。動物の分散様式は保全や獣害を考える上でも重要であり、本成果は動物の生態だけでなく、保護管理にも重要な知見となります。
この研究成果は、2024年2月14日に雑誌「Zoological Science」にて発表されました。