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プレスリリース 発行No.1558 令和7年11月17日

瀬戸内海を泳ぐイノシシによる島への侵入過程の解明

 福山大学生物科学科の石塚真太郎講師、佐藤淳教授、東邦大学生物学科の井上英治教授、兵庫県立大学自然・環境科学研究所の栗山武夫准教授の研究グループは、香川県小豆島のイノシシの侵入・定着プロセスについて調べたところ、遺伝的に異なる2系統が四国本島から北上して侵入・定着したことを突き止めました。

 本成果は、2025年11月12日に国際学術誌「European Journal of Wildlife Research」にオンライン公開されました。

発表内容

 外来生物による島嶼への侵入は、世界各地で大きな問題になっています。島嶼に侵入した生物は、農林水産業への被害、伝染病の媒介、在来生態系の破壊など、さまざまな悪影響をもたらします。これらの問題を解決する上で、外来生物がどのように島に侵入・定着するかについて理解することは重要です。近年の日本では、個体数が急増したイノシシが海を泳いで島に侵入・定着する事例が増えているものの、その実態についての情報は不足していました。

 本研究の調査地である小豆島では、2010年頃からイノシシの目撃例や農作物被害が増加し、周辺の大陸から泳いで侵入していることがわかっていました。そこで研究グループは小豆島に加え、その南北に位置する四国本島と本州のイノシシのDNA分析を行い、小豆島のイノシシがどこからどのように瀬戸内海を渡って侵入・定着したかを調べました。分析の結果、小豆島のイノシシの遺伝組成は四国本島のイノシシのものと共有される反面、本州のイノシシのものとは大きく異なっており、四国本島から侵入したことがわかりました。また、小豆島に侵入したイノシシは遺伝的に異なる2系統であることもわかりました。この結果には、香川県の内陸部を主とする四国本島の個体数密度の高さが関係していると考えられます。本研究は、島嶼域における大型哺乳類の獣害対策の上で有用です。
小豆島のイノシシ

小豆島のイノシシ

発表雑誌

雑誌名
「European Journal of Wildlife Research」(2025年11月12日)

論文タイトル
Genetic evidence reveals that two wild boar (Sus scrofa) lineages invaded an island in Japan by swimming

著者
Ishizuka S, Inoue E, Kuriyama T, Sato JJ

DOI番号
10.1007/s10344-025-02024-0

アブストラクトURL
https://doi.org/10.1007/s10344-025-02024-0
以上

お問い合わせ先

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福山大学生命工学部生物科学科
講師 石塚 真太郎

TEL: 084-936-2111(代表) FAX: 084-936-2023
E-mail: ishizuka.shintaro[@]fukuyama-u.ac.jp

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【報道に関するお問い合わせ】
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