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プレスリリース 発行No.1423 令和6年11月14日

東邦大学薬学部薬理学教室の総説がFeatured Articleに選出
~ 血小板活性化因子(PAF)が膀胱平滑筋を収縮させることを
世界で初めて発見した研究グループの最新の知見を紹介 ~

 東邦大学薬学部薬理学教室の小原圭将准教授、吉岡健人講師、田中芳夫教授の研究グループが執筆した総説「Effects of platelet-activating factor(PAF)on the mechanical activities of lower urinary tract and genital smooth muscles」が、雑誌「Biological and Pharmaceutical Bulletin(47巻9号)」で公表され、同誌のホームページで公開されるFeatured Articleに選出されました。
 本総説は、研究グループが世界で初めて発見した「血小板活性化因子(PAF)が膀胱平滑筋を収縮させる」という新たな知見(図1)を紹介するとともに、膀胱を含む下部尿路組織や生殖器組織におけるPAFの病態生理的意義について考察したものです。これらの知見は、PAFの収縮作用を抑制できる薬物が、下部尿路・生殖器組織に関連する疾患を予防・改善するための新たな治療戦略として用いられる可能性を提示します。

発表雑誌

    雑誌名
    「Biological and Pharmaceutical Bulletin」(2024年9月1日)
    47巻、9号、1467–1476

    論文タイトル
    Effects of platelet-activating factor (PAF) on the mechanical activities of lower urinary tract and genital smooth muscles

    著者
    Keisuke Obara, Kento Yoshioka, Yoshio Tanaka

    DOI番号
    10.1248/bpb.b24-00440

    論文URL
    https://doi.org/10.1248/bpb.b24-00440

添付資料

本総説まとめ
図1.本総説のまとめ
血小板活性化因子(PAF)は、血小板を凝集させる物質として発見された生理活性リン脂質です。その後の研究から、PAFは白血球の活性化作用や血管透過性亢進作用を有し、炎症やアレルギー反応に関与することが明らかとなりました。さらに、PAFには、呼吸器、消化器に存在する平滑筋を収縮させる効果や、血管を内皮依存性に弛緩させる効果があることも報告されました。特に生殖器においては、PAFは妊娠時の子宮平滑筋を強力に収縮することがこれまで明らかとなっていました。ただし、子宮以外の生殖器や生殖器と密接に関連する泌尿器に存在する平滑筋に対するPAFの収縮効果はこれまで検討されていませんでした。本総説では、我々が検討した子宮以外の生殖器(精管、前立腺)や泌尿器(膀胱、尿道)に対するPAFの効果を紹介しています。特筆すべきは、PAFが膀胱平滑筋を強力に収縮させることを新たに発見したことです。我々が新たに発見したPAFが膀胱を収縮させるという性質は、PAFが下部尿路障害に関与する可能性を示すとともに、PAFの収縮作用を抑制できる薬物が下部尿路障害に対する新たな治療戦略として用いられる可能性を提示します。
以上

お問い合わせ先

【本発表資料のお問い合わせ先】
東邦大学薬学部薬理学教室
准教授 小原 圭将

〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1
TEL: 047-472-1331 FAX: 047-472-1435
E-mail: keisuke.obara[@]phar.toho-u.ac.jp

【本ニュースリリースの発信元】
学校法人東邦大学 法人本部経営企画部

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