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プレスリリース 発行No.1381 令和6年6月28日

S-DSC®を用いた毛髪再生医療の提供を開始
~ 薄毛に悩む患者さんの QOL 向上に貢献へ ~

 東邦大学医療センター大橋病院(以下、大橋病院)皮膚科 新山史朗准教授は、培養自家毛球部毛根鞘細胞加工物(S-DSC®)を用いた毛髪再生医療による薄毛治療(以下、本治療)(注1・2)の提供を、来る7月1日より開始します。本治療では、脱毛していない後頭部の頭皮から毛球部毛根鞘(DSC)細胞を採取し、体外で細胞を増やしてから脱毛部に投与します。従来の薄毛治療は薬剤によるものが一般的でしたが、継続的な服用が必要であることや、女性の場合は薬剤の選択肢に制限があるなどの課題がありました。この新たな治療は、自由診療として行われ、薄毛治療の選択肢を広げ、患者さんのQOL向上に繋げていきます。

 また、本治療は、東京医科大学病院、杏林大学医学部付属病院および株式会社資生堂(以下、資生堂)との共同開発による技術が活用されています。
 S-DSC®を用いた壮年性脱毛症治療の流れ

図1. S-DSC®を用いた壮年性脱毛症治療の流れ

対象となる疾患

男性型および女性型脱毛症

受診について

2024年7月1日より、医療機関からの紹介による外来予約の受付を開始します。
※受診には、紹介状(情報提供書)が必要となります。
※大橋病院 病診連携部門へ電話の上、ご予約ください。
【予約専用ダイヤル】03-3481-7385(受付時間:月~金曜 9:00~16:30)

治療法開発の経緯

 2016年より大橋病院皮膚科の新山史朗准教授、東京医科大学皮膚科学分野の坪井良治名誉教授および原田和俊主任教授を中心とする研究チーム、杏林大学医学部皮膚科学教室の大山学教授の研究チームおよび資生堂再生医療開発室(細胞培養加工等担当)が、共同で薄毛に悩む方々のQOL向上を目指し、医師主導の臨床研究を行ってきました(注3)。

 その結果、S-DSC®の頭皮薄毛部への注入施術の安全性と有効性を確認しました。これを受けてS-DSC®を用いた細胞治療法を世界で初めて実用化しました。そして、このたび再生医療等の安全性の確保に関する法律のもと治療の提供を開始します。臨床研究の結果の詳細は、参考資料をご参照ください。

治療の概要

 大橋病院において患者さんの脱毛していない後頭部の頭皮から採取したDSC細胞を、資生堂による管理・監督下で適切に輸送・培養・凍結保管した後、投与日に大橋病院で解凍し、専用の注入器を用いて脱毛部に投与します。DSC細胞を移植することで、毛髪の成長に重要な役割を果たす毛乳頭(DP)細胞の活動を活発化させることにより、髪が太く長く成長し、ヘアサイクルや頭皮環境が整うことが期待できます(注4)。本治療は、自分の細胞を用いることで拒絶反応などのリスクが極めて低く、また、性別に関わらず受けていただくことができ(注5)、加えて、服薬が不要なため治療の負担も大幅に軽減されます。なお、本治療は自由診療のため、治療にかかる費用全額が患者さん負担となります。

論文情報

  • Tsuboi R, et al., J Am Acad Dermatol 83(1): 109-116, 2020
  • Harada K, et al., J Dermatol 50(12): 1539-1549, 2023

用語解説

(注1)
再生医療等の安全性の確保等に関する法律(平成25年法律第85号)」(以下、安確法)のもと、大橋病院が再生医療等提供計画を作成し、厚生労働省が認可した特定認定再生医療等委員会によって審査を受け、厚生労働省へ届け出を行い、実施するものです。本治療は、第二種再生医療等に該当します。

(注2)
本治療の詳細は以下のWebサイトをご確認ください。
よくわかるS-DSC毛髪再生医療:https://www.s-dsc.com/

(注3)
2023年3月に開催された再生医療学会および2023年5月に開催された国際研究皮膚科学会(ISID2023)において発表済み。

(注4)
医師の診察・診断のもと、症状に応じた治療が実施されますが、全ての患者さんに良好な結果や期待される程度の結果が出るとは限りません。

(注5)
適応に関する詳細な条件については、医師の説明を受けてください。

参考資料

東邦大学医療センター大橋病院、東京医科大学病院、杏林大学医学部付属病院および資生堂との共同臨床研究の結果
外観写真判定
  • 20才~59才の男女35名の被験者による試験結果
  • 注入12か月後の外観写真による評価では、改善と評価された被験者の割合は、女性かつ40代以上かつ薄毛の進行度が比較的初期段階の方ほど高い傾向があります。
被験者による自己評価
  • 被験者による自己評価では、外観写真評価を上回る比率で効果を実感したと回答し、さらに女性では効果実感がより高いことが報告されています。
以上

お問い合わせ先

東邦大学医療センター大橋病院
事務部総務課

〒153-8515 目黒区大橋2-22-36
TEL: 03-3468-1251(代表)