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プレスリリース 発行No.1243 令和4年10月20日

JST CREST「基礎理論とシステム基盤技術の融合による
Society 5.0のための基盤ソフトウェアの創出」に採択

 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学は、東邦大学、カディンチェ株式会社らと共に、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)が実施する戦略的創造研究推進事業(CREST)「基礎理論とシステム基盤技術の融合によるSociety 5.0のための基盤ソフトウェアの創出」に、研究課題名「多様な形態の現実を安心・安全に創り・繋ぐTrusted Inter-Reality基盤」として採択されました。
 本プロジェクトは、多様な形態の現実(物理現実空間、メタバース現実空間等)の安全性・信頼性をby-Designの観点で保証した上で、それらを相互接続し、様々なサービスの構築を可能とする「Trusted Inter-Reality基盤」技術の創出を目的とするものです。異なる空間同士の密接な相互作用や新たな脅威を想定し、各Realityを構成する空間の階層的なアクセス管理・セキュリティ保護が可能な実質空間の構築・接続技術の研究を通じ、次の社会の基盤となり得る新たなトラスト原則注1)の確立を目指しています。
 名古屋大学からは研究代表として大学院工学研究科情報・通信工学専攻の米澤 拓郎 准教授らが参画し、東邦大学、カディンチェ株式会社、東京大学、静岡大学、東海大学らの研究者と連携して研究開発を推進します。

プロジェクト研究概要

プロジェクト名
JST CREST「基礎理論とシステム基盤技術の融合によるSociety 5.0のための基盤ソフトウェアの創出」
研究課題名「多様な形態の現実を安心・安全に創り・繋ぐTrusted Inter-Reality基盤」

研究体制
東海国立大学機構名古屋大学(研究代表)
東邦大学、カディンチェ株式会社(主たる共同研究者)

研究期間
2022~2028年度の5.5年間

JST掲載URL
https://www.jst.go.jp/kisoken/crest/application/2022/220920/220920.html

本プロジェクトの開発目標と目指す全体像

 情報技術は、我々の現実(Reality=人生の価値観を置く場所)を物質空間からサイバーな仮想空間へと拡張してきました。近年では、人間の五感とより直結する高度なVirtual Reality(VR)技術が次々と登場し、新たな産業の創造も期待されています。一方、その高い没入体験と引き換えに、常時装着するVR機器を通じた生体・環境情報に関するセキュリティ・プライバシーリスクや、肉体・精神への侵襲的な攻撃手法の登場も懸念されています。
 本研究では、様々な物質・仮想空間及びそこに存在する主体からなる多様な形態のRealityを構築し、その安心・安全な統合を実現する情報基盤技術の確立を目的としています。
 本研究ではまず、拡張されたRealityにおける空間の性質、利用主体の属性等を考慮した、新たなトラスト基盤に対する要件を、多様なモダリティのReality構築・接続技術の研究開発を通じ明らかにします。その際、空間及び利用主体の同一性保証、認証、動的かつ対象粒度を適用的に変化させる暗号手法など、情報セキュリティの視点の拡張のみならず、ウェアラブルデバイス注2)等を通じた肉体・精神の侵襲性による影響と脅威を医学的に検証し、実際の利用・運用形態を想定した人間中心のユーザブルセキュリティ技術注3)を備える情報基盤を設計します。各研究項目を統合した基盤を「Trusted Inter-Reality基盤」と名付け、国内外の実証実験を通じ、その利便性、安全性と可用性の評価を目指しています。
図:研究概要

用語説明

注1)トラスト原則
従来の3つのセキュリティ要素CIA(Confidentiality、Integrity、Availability)を拡張したCCA(Confidentiality、Consistency、Availability)をInter-Realityにおけるトラストの原則と置いたもの。

注2)ウェアラブルデバイス
人間の体に装着し、5感に刺激を与えるデバイス。視聴覚の没入性を高めるVRゴーグルや、皮膚感覚フィードバックを与えるハプティクスデバイス等が含まれる。

注3)ユーザブルセキュリティ技術
ユーザの負担が軽いなどユーザにとって身近で使いやすいといった高いユーザビリティを持っているセキュリティ技術。

お問い合わせ先

【研究に関するお問い合わせ】
東海国立大学機構 名古屋大学大学院工学研究科
准教授 米澤 拓郎(よねざわ たくろう)

TEL:052-789-4388 FAX:052-789-4696
E-mail:takuro[@]nagoya-u.jp
教員Webページ:https://www.takuroyonezawa.info
研究室Webページ:https://www.ucl.nuee.nagoya-u.ac.jp

東邦大学理学部情報科学科
准教授 金岡 晃(かなおか あきら)

TEL:047-472-8676
E-mail:akira.kanaoka[@]is.sci.toho-u.ac.jp
研究室Webページ:https://www.klab.is.sci.toho-u.ac.jp

カディンチェ株式会社
代表取締役 青木 崇行(あおき そうこう)

TEL:03-6451-3560
E-mail:contact[@]kadinche.com
Webページ:https://www.kadinche.com

※E-mailはアドレスの[@]を@に替えてお送り下さい。

【報道に関するお問い合わせ】
東海国立大学機構 名古屋大学広報室

TEL:052-789-3058 FAX:052-789-2019
E-mail:nu_research[@]adm.nagoya-u.ac.jp

学校法人東邦大学 法人本部経営企画部
TEL: 03-5763-6583 FAX: 03-3768-0660
E-mail:press[@]toho-u.ac.jp

カディンチェ株式会社
TEL:03-6451-3560
E-mail:contact[@]kadinche.com

※E-mailはアドレスの[@]を@に替えてお送り下さい。