プレスリリース 発行No.1134 令和3年5月27日
絶滅が危惧される琉球列島固有の美麗カタツムリ
2種から寄生ダニを確認
2種から寄生ダニを確認
東邦大学の脇 司講師と国立科学博物館の亀田 勇一特定研究員、東北大学の平野 尚浩助教、法政大学の島野 智之教授の研究グループが、琉球列島固有の絶滅危惧カタツムリ2種に寄生ダニの一種(ダイダイカタツムリダニ)がいることを明らかにしました。論文は、「沖縄生物学会誌」にて3月に発表されました。
発表者名
脇 司(東邦大学理学部生命圏環境科学科 講師)
発表概要
琉球列島固有の美しい樹上性のカタツムリであるオキナワヤマタカマイマイの仲間は、環境の変化に弱く、開発などによる生息域の縮小もあって、現在はすべての種が絶滅危惧II類(VU)以上として環境省レッドリストに掲載されています。
今回の研究は、脇講師らがオキナワヤマタカマイマイの仲間の寄生虫を調べたもので、「トクノシマヤマタカマイマイ」「オキナワヤマタカマイマイ」の2種にダイダイカタツムリダニ(注1)というダニが寄生していることが明らかになりました。
脇講師は「どんな生物も、周りの生物と関わりあって生きている。特に絶滅危惧種のような希少な種の場合、どのような生物と共存しているか理解しておくことが、その保全を考えるうえで重要になってくるのでは」とコメントしています。なお、このダニはカタツムリへの害は少ないと考えられており、人にも寄生しないと考えられています。
今回の研究は、脇講師らがオキナワヤマタカマイマイの仲間の寄生虫を調べたもので、「トクノシマヤマタカマイマイ」「オキナワヤマタカマイマイ」の2種にダイダイカタツムリダニ(注1)というダニが寄生していることが明らかになりました。
脇講師は「どんな生物も、周りの生物と関わりあって生きている。特に絶滅危惧種のような希少な種の場合、どのような生物と共存しているか理解しておくことが、その保全を考えるうえで重要になってくるのでは」とコメントしています。なお、このダニはカタツムリへの害は少ないと考えられており、人にも寄生しないと考えられています。
発表雑誌
-
雑誌名
「沖縄生物学会誌」(ISSN 04740394)
論文タイトル
琉球列島における樹上性陸産貝類オキナワヤマタカマイマイ類(ニッポンマイマイ属)へのカタツムリダニ属Riccardoella(胸板ダニ上目: 汎ケダニ目: ヤワスジダニ科)の寄生状況
著者
脇 司・亀田 勇一・平野 尚浩・島野 智之
用語解説
(注1)ダイダイカタツムリダニ
カタツムリダニは、カタツムリやナメクジに寄生するダニの仲間です。
脇講師は、かつて沖縄のシュリマイマイなどの地上性カタツムリからこのダニを見出し、和名ダイダイカタツムリダニと命名、発表しています(脇ら, 2018)。その後の調査で、このダニは北海道まで全国的に分布することが判りました。
このダニは、地上性のカタツムリや、冬眠時に地中に潜るカタツムリから発見されてきました。このため、カタツムリは土壌で感染すると脇講師らは考えていました。しかし、生涯を通じて樹上で生活する樹上性カタツムリからも今回確認されたことから、このダニは乾燥した樹上でも感染する可能性が高いことが判ってきました。
カタツムリダニは、カタツムリやナメクジに寄生するダニの仲間です。
脇講師は、かつて沖縄のシュリマイマイなどの地上性カタツムリからこのダニを見出し、和名ダイダイカタツムリダニと命名、発表しています(脇ら, 2018)。その後の調査で、このダニは北海道まで全国的に分布することが判りました。
このダニは、地上性のカタツムリや、冬眠時に地中に潜るカタツムリから発見されてきました。このため、カタツムリは土壌で感染すると脇講師らは考えていました。しかし、生涯を通じて樹上で生活する樹上性カタツムリからも今回確認されたことから、このダニは乾燥した樹上でも感染する可能性が高いことが判ってきました。
添付資料
以上
お問い合わせ先
【本発表資料のお問い合わせ先】
東邦大学理学部生命圏環境科学科
講師 脇 司
〒274-8510 船橋市三山2-2-1
TEL: 047-472-1653
E-mail: tsukasa.waki[@]sci.toho-u.ac.jp
URL: https://www.lab.toho-u.ac.jp/sci/env/synecology/index.html
【本ニュースリリースの発信元】
学校法人東邦大学 法人本部経営企画部
〒143-8540 大田区大森西5-21-16
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