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プレスリリース 発行No.749 平成28年12月22日

年末年始の海外旅行での健康管理のポイントについて ~楽しい旅行にするための健康管理とは~

 東邦大学羽田空港国際線クリニック(所長:原 規子)では、国際線旅行者の病気・けがの治療や、必要に応じた専門施設への搬送等、旅行者の安心・安全と健康の管理にあたる中で、海外旅行の前後における健康管理についての知見蓄積に努めています。
長い休暇となる年末年始を前に、特に海外旅行に際しての健康管理のポイントをまとめてお知らせします。


●海外旅行出発のおよそ1週間前からの健康管理のポイント

①栄養、睡眠を十分にとる。
出発の数日前からは健康状態を良好に保っておくことが大切です。
食事と睡眠を十分にとって環境変化に負けない体力を蓄えましょう。

②持病等がある人はかかりつけ医に行く。常備薬を携行する。
旅行の期間や訪問先のことなども医師に相談し、健康状態をチェックしてもらいましょう。常用薬の携行は必須です。機内持ち込み荷物の中に、できるだけ全旅程をカバーできる分の常備薬を入れておくと安心です。沢山の薬を機内持ち込み荷物に入れるのに抵抗がある方は、医師の処方箋(控え)を携行することをお勧めします。
また、心疾患など状態が変わる可能性がある重篤な病気がありながら渡航する場合は、薬と処方箋の他に、担当医に書いてもらった診断書を持っていきましょう。

③インフルエンザに感染しないように気をつける。
今年は既に多くの地域でインフルエンザが流行期に入っています。
うがいや手洗いをこまめに行うとともに、予防接種を済ませていない人はなるべく早めに接種することをお勧めします。
航空会社によっては高熱を伴う病気の人の搭乗を見合わせる場合もあります。
体調がおかしいと感じた時は、我慢・放置をせずに医療機関を受診しましょう。

④ノロウィルスに感染しないように気をつける。
ノロウィルスは冬場に感染しやすく、注意が必要です。
今年は既に例年を上回る感染が報告されています。
最も重要な予防方法は手洗いです。インフルエンザウイルスと同様、帰宅時や調理の前後、食事前、配膳時、トイレ後に手洗いを励行してください。

●旅行当日の健康管理のポイント

①空港施設内での過ごし方。
東邦大学羽田空港クリニックが行った調査によると、羽田空港におけるインフルエンザ流行のピークは、東京でのピ-クと必ずしも同一ではなく、全国におけるピークと同じ時期になることが分かっています。
これは、流行期を迎えた地域との航空機による人の行き来によってインフルエンザウイルスが持ち込まれることによると考えられます。
空港施設には様々な地域の人の出入りがあり、感染症のリスクがありますので、搭乗手続きや出国前の待合場所などでも薄着をしたりせずに、体を温かく保って無理をせずに過ごすようにしましょう。

②機内の温度・湿度変化に気をつける。
航空機内は、気圧がおよそ0.8気圧で富士山5合目に相当し、酸素量が地上の80%程度です。また湿度も5~15%で、サハラ砂漠よりも乾燥した状態です。
また、外界に対して気密性が保たれた特殊な空間であり、かつ多数の乗客・乗員が同じ空間を共有していることから、インフルエンザをはじめとした飛沫感染の感染症にかかるリスクがあります。機内では、健康状態が良くても重ね着できる衣類やマスクなどを用意して適宜着用するなど、体調を崩さないように気をつけましょう。

③時差ボケをつくらない機内での過ごし方。
時差ボケは、出発地と到着地の時差に体内時計が適合できないことで起こります。
到着地の時刻に体を慣らすためには、早めに時計を現地時間に変え、機内での食事をきちんと摂って、リラックスして睡眠をよくとるように心がけることが大切です。

④ロングフライト血栓症の発症を予防する。
ロングフライト血栓症は、下肢の筋肉内の静脈である深部静脈に血栓(血の塊り)ができるもので、この血栓がはがれて静脈内を流れ、心臓を経て肺に詰まると死に至ることもあります。6時間以上のフライトの場合、発症の危険性があります。
  予防には、次のような工夫をすることも大切です。
  ・2~3時間毎に席を立って軽く機内を歩く。
  ・こまめに水分をとる。
  ・ゆったりとした服装で搭乗する。
  ・血行を悪くするので、なるべく足を組まない。

●帰国時の健康管理のポイント

①帰国前日は休養と睡眠を十分にとる。
旅行中は気づかぬうちにかなり体力を使っています。帰国翌日から仕事という人も多く、疲れを残したまま新年の仕事を始めた結果、体調を崩すといったケースも少なくありません。旅行先での最後の晩を大切にしながらも、帰国前夜は十分な睡眠をとり、旅行中の疲労回復に努めましょう。

②帰国時に体調が悪い時は迷わず相談。
帰国当日に高熱や下痢症状がひどいままの状態で出発空港に着いた場合は、まず空港の検疫所に相談しましょう。

<東邦大学羽田国際空港クリニックについて>

2010年10月、東京国際空港国際線旅客タ-ミナルビル1階に開設されました。
東邦大学医療センターより派遣される医師・看護師が、内外の旅客の皆さまの急性疾患、外傷への対応、必要に応じた専門施設への搬送、および空港で働く皆さまの急性および慢性疾患の治療、健康診断、健康管理、(インフルエンザの)予防接種などを行っています。
診療受付時間:午前9時~11時半、午後13時~22時半
休診日:なし

以上

お問い合わせ先

東邦大学 法人本部 経営企画部
〒143-8540 大田区大森西5-21-16
TEL:03-5763-6583
FAX:03-3768-0660
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