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プレスリリース 発行No.561 平成26年12月8日

インフルエンザをはじめとした冬場の感染症予防について

 冬の訪れとともに気温・湿度ともに低くなり、風邪をひく人が増えています。
毎年のことですが、これからの時期に気をつけなければいけないのはインフルエンザをはじめとした感染症です。
人やモノの動きがグローバルになるのに従い、感染症のリスクも国や地域を超えて広がってきました。また、気候の変動や生活環境の変化に加え、感染症をもたらす菌の変性もあり、季節を問わず様々な感染症が流行するリスクが高まってきています。
 そのような中、冬場に気をつけたい感染症の予防についてまとめてお知らせします。

●冬場の感染症
 風邪は冬場に罹りやすい代表的な感染症です。
 昔から「風邪は万病の元」と言われてきましたが、 風邪にもさまざまなウイルスがあり、
 症状も軽いものから重いものまであり、その種類によっては重症化する危険性がありますので、
 まずは冬場に風邪をひかないようにすることが重要です。
 風邪の他にはノロウイルスへの注意が必要です。
 ノロウイルスは食中毒や感染性胃腸炎を引き起こします。
 症状は下痢や嘔吐、吐き気や腹痛で、子供や高齢者では重症化しやすいため危険です。
 
●インフルエンザの怖さと感染リスク
 ・乳児のインフルエンザ
  RSウイルスによって起こる呼吸器感染症です。
  特に乳児の発症が多く、気管支炎や肺炎を引き起こします。
  特に11月から1月にかけての時期に発症が多くみられます。
 
 ・小児のインフルエンザ
  15歳未満の小児の場合は、幼稚園や学校でいわば共同生活を送っていることで
  伝染のスピードも速く、罹患すると体力や抵抗力もないため、
  発熱に加え呼吸器障害を起こす恐れが高く危険です。
  特に喘息を含むアレルギー体質の小児は、重症肺炎を起こしやすいことが報告されています。
 
 ・成人のインフルエンザ
  65歳以上の高齢者がインフルエンザに感染すると肺炎を発症するリスクが高まります。
  妊婦の場合も肺炎のリスクが高まります。
  また、慢性の呼吸器疾患や心血管疾患、糖尿病などの成人病を患っている人も同様に
  肺炎のリスクが高いことが報告されています。
  成人においては、この他にもさまざまな病気や、
  薬の服用により免疫を抑制している状態の人がおり、
  そのそれぞれにおいて、インフルエンザへの感染から肺炎を起こすリスクが高まります。
 
 肺炎を発症すると、発熱や咳に加えて、呼吸困難を起こすことがあり、重篤な場合は
 死に至ることがあるため、その原因となるインフルエンザに感染しないようにすることが重要です。
 
●インフルエンザの予防について
 ①手洗い
   ドアノブや電車のつり革等様々なものに触れることで、手にウイルスが付着する可能性があります。
   外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前には必ず手を洗いましょう。
   基本は石鹸を使用し流水で15秒以上洗い、
   洗った後は清潔な布又はペーパータオルなどで乾燥させます。
 
 ②マスクの着用
   くしゃみや咳が出ている間はマスクを着用し、使用後のマスクは放置せずごみ箱に捨てましょう。
   マスクは、鼻と口の両方を隙間がないよう確実に覆うように着用します。
 
 ③ワクチンの予防接種
   インフルエンザのシーズン前に予防接種を受けることが最も重要な予防方法です。
   インフルエンザが流行し始めるのは例年12月中旬以降でした。
   しかし、今年は12月の初旬からの増加が報告されており注意する必要があります。
   ワクチンの効果発現は接種約2週間後ですので、できるだけ早い接種が必要です。
 
●ノロウイルスの予防について
 ①手洗い
   最も重要な予防方法は手洗いです。インフルエンザウイルスと同様に
   外出先からの帰宅時や調理の前後、食事前、配膳時、トイレ後には必ず手を洗いましょう。
 
 ②食品の加熱
   ノロウイルスは牡蠣などの2枚貝の生食によるものが多いと言われています。
   冬場にこのような貝類を食べる際は、十分に加熱してから食べるようにしましょう。
   また、貝類を調理したまな板や包丁は、ウイルスが付着している可能性がありますので、
   その後十分に洗った上で使うようにします。
 
 ③おう吐物・下痢便の処理
   マスク・手袋を着用し、雑巾・タオル等でおう吐物・下痢便をふき取ってください。
   ふき取った雑巾・タオルはビニール袋に入れて密封し捨ててください。
 
 ④消毒
   衣服や物品、おう吐物を洗い流した場所の消毒は
   次亜塩素酸系消毒剤(濃度:200ppm以上)を必ず使用してください。
 
 ノロウイルスに有効なワクチンはありませんので、
 とにかくウイルスを体に取り込まないようにすることが重要です。
 
●インフルエンザやノロウイルスなどへの感染が疑わしい場合
 発熱や咳、あるいは下痢・腹痛などの症状があり感染が疑わしい時は、
 躊躇せずに学校や会社を休み、医療機関で診断を受けることが重要です。
 早期の診断と治療により、重篤な症状に至らせずに済ませることにもつながります。
 特に、肺炎のリスクが高い成人のインフルエンザに関しては、本年3月に厚生労働省が
 「成人の新型インフルエンザの治療ガイドライン」を策定しており、
 本学医学部舘田一博教授がその作成メンバーとして参画しています。
 

以上

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