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プレスリリース 発行No.531 平成26年8月11日

東邦大学習志野キャンパス構内に日本最古の騎兵兵舎が現存
東邦高校考古学研究会が周辺確認調査
~8/16 (土)「全国高等学校考古学フォーラム」で発表~

東邦大学付属東邦高校(千葉県習志野市泉超2-1-37、校長:小高 昌次)の考古学研究会は、東邦大学習志野キャンパス(千葉県船橋市三山2-2-1)構内に武道場として現存する建
物について周辺確認調査を行い、現存する最古の日本陸軍騎兵兵舎であることを確認しました。
 この調査研究の内容は、来る8 月16 日(土)に、全国初の高等学校生を対象とする考古学イベント「全国高等学校考古学フォーラム in 九州国立博物館」で発表します。
 周辺確認調査の概要は以下の通りです。

建物の概要

  1. 築年月/1900 年12 月
  2. 構 造/木造、切妻造平入、波板鉄板葺、小屋組は木造トラス
  3. 大きさ/梁間5 間×桁行10 間
  4. 建物用途/騎兵第十三連隊、十四連隊共用の用材庫

調査の流れ

  1. 2009 年から内部調査を開始し、東邦大学に保管している昭和35 年起案の本建築物の営繕に関する稟議書の中に「明治33 年(1900 年)12 月築」との記述を発見。
  2. 建築専門家による目視により、建物内部のトラス構造が同時代の英米の建築技法であることを確認。
  3. 2013 年2 月、3 月に計5 日間発掘作業を実施。建物基礎部分から、陸軍を示す五芒星の文様と、1892 年頃から製造された桜印の煉瓦刻印を発掘。
  4. 2013 年4 月、5 月に発掘作業で発見した遺物の整理(水洗い作業・実測作業)を実施。

調査員

東邦大学付属東邦中・高等学校の考古学研究会を中心とした述べ30 人の部員・生徒。

背景

 東邦大学付属東邦中・高等学校及び東邦大学習志野(薬学部・理学部)キャンパスがある千葉県習志野市は、1900 年(明治33 年)に日本で初めて陸軍騎兵旅団が設立されて以来陸軍用地として発展してきました。
東邦大学習志野キャンパスは、騎兵第十三聯隊の跡地であり、東邦大学付属中・高等学校は、騎兵第十五聯隊の跡地ですが、当時の建築物はその後多くが取り壊され、現在のキャンパスへと姿を変えてきました。
そのような中、2009 年に地域の街おこしの一環として、周辺に残る陸軍由来の歴史的事物の調査を開始したところ、上記の経緯をもとに本建築物が本格的な調査の対象として浮かび上がりました。
そこで、東邦大学付属東邦高校の考古学研究会が中心となり、建物周辺の発掘調査を主とする周辺確認調査を行い、今回の事実を確認しました。

「全国高等学校考古学名品展」及び「「全国高等学校考古学フォーラム in 九州国立博物 館」について

全国各地の高等学校には、多くの考古資料が収蔵されており、今回そのうちの13校から53件の考古資料を7月15日~9 月23日まで九州国立博物館(福岡県太宰府市石坂4ー7ー2)にて展示します。
東邦大学付属東邦高校は、期間中の8月16日に開催される「全国高等学校考古学フォーラム」に参加し、考古学研究会部長・伊東雄也君(高等部3 年生)が本調査について発表します。
騎兵連隊の建物
東邦大学習志野キャンパスに現存する騎兵連隊の建物。1900 年建築。
屋根構造
建物内部の屋根構造。当時としては珍しい洋風のキングポストトラスの小屋組。
換気口グリル
建物基礎部分の発掘により、発見した鋳鉄製換気口グリル。陸軍を示す五芒星の文様。
桜印の刻印
建物基礎部分に使われていた煉瓦から発見された桜印の刻印。
この桜印は1892 年頃から小菅で製造された煉瓦ということを証明している。

【お問い合わせ先】
東邦大学 法人本部 経営企画部
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