プレスリリース

メニュー

プレスリリース 発行No.305 平成24年1月27日

IEEE ICICS 2011
理学部情報科学科 伊藤 登 教授 最優秀論文賞 受賞
~ 高精度のディジタルフィルタの設計 ~

2011年12月13日(火)~16日(金) シンガポールで開催されたIEEE(米国電気・電子学会)が主催する国際大会IEEE ICICS 2011(IEEE International Conference on Information,Communications and Signal Processing)において、東邦大学理学部情報科学科の伊藤 登 教授がBest Paper Awardを受賞しました。情報科学分野の世界的な権威であるIEEEの国際大会における伊藤教授の受賞は、2006年に続いて2度目の快挙となります。
理学部情報科学科 伊藤 登 教授 最優秀論文賞 受賞

 現在、私達の身の回りには多くのディジタル製品があり、利用されています。しかし私達が感じている光や音声、温度などは全て時間に対して連続的な値を示すアナログ信号であるため、製品に情報を反映させるためにはディジタル信号に変換・処理する必要があります。これを担うのがディジタル信号処理技術です。
 同技術は、音声・動画・気象データ・地震波・医療福祉など様々な分野を支える基盤技術として広く活用されています。しかし近年では、国内の完全地上ディジタル放送化やスマートフォンの増加など圧倒的なディジタルデータ量が通信される中、処理速度が追い付かないためにアナログ放送と比べてディジタル放送に遅れが生じてしまうといった技術的な問題があります。

 そこで、伊藤教授はVFDフィルタ(可変非整数遅延フィルタ)と高解像度補間に注目し、ディジタル信号処理の目的に応じた素早い処理を行う新型情報処理システムの技術開発に取り組みました。ディジタルデータ量を増やして解像度を高めるのではなく、VFDフィルタによってディジタルデータを作りだし補間することで解像度を高め、より高速・高精度・低コストなVFDフィルタの最適設計を実現させました。これは膨大なデータ量を処理する複雑な計算式を、新たなアプローチで簡略化することで、より最適な数学モデルを構築したものです。特筆すべきことは、数式を簡略化したにも関わらず、情報が劣化するどころかより精度の高いVFDフィルタを実現させたことです。
  VFDフィルタは、粗い画像からハイビジョンのような美しい高解像度の画像への変換やディジタル通信における受信側の時間ずれの微調整に優れています。そのため本研究によって開発された、より高精度で低コストのVFDフィルタは、さらなる情報技術の発展に寄与するものと考えられます。。

IEEE ICICS

(International Conference on Information,Communications and Signal Processing)
電気・電子・情報分野における世界最大の学会IEEEが主催する主な国際大会の一つで、全ての情報技術(IT)分野を対象に、2年ごとに世界各地で開催されています。世界中から投稿された論文を審査し、その中で最も質の高い論文にBest Paper Awardが与えられます。今大会は、シンガポールで開催され、36カ国から410篇の投稿論文がありました。

【お問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当       森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1   E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-472-1159    M Phone: 090-8722-8471