プレスリリース 発行No.139 平成22年6月14日
ノーベル賞受賞者 Richard R. Ernst 博士
本学 特別客員教授として招聘
物質の分子構造を調べる主要な方法である核磁気共鳴(NMR)法。これは自然科学や医療分野に大きな恩恵をもたらしているツールのひとつです。化学のみならず分子生物学、タンパク質やDNAの機能解析、人体の画像診断や代謝の解明、脳科学など多岐にわたり応用分野が広がっています。
Ernst博士は、パルスフーリエ変換NMR法を開発し、感度と分解能を著しく向上させました。これにより初めて、わずかな物質量でも複雑な分子構造を解明できるようになりました。さらに、二次元NMR法という分子内での化学結合をより詳しく調べる手法も開発し、現在の医療画像診断に必須のMRI法やタンパク質など生体巨大分子の分子構造解析法の基盤を築き上げられました。これらの革新的な高分解能核磁気共鳴分光法の業績により、1991年ノーベル化学賞を単独で受賞されています。
今年度は10月上旬と3月中旬に来日が予定されており、本学特別客員教授として本学および国内の大学研究機関数ヶ所において講演が予定されています。また、東邦大学名誉博士号が授与され、本学の進めている医薬理の基礎的研究分野における御助言をいただく予定です。
Richard R. Ernst 博士 経歴
1933年 スイス 生まれ
1956年 スイス連邦工科大学化学科卒業
1962年 スイス連邦工科大学博士号取得
1963年 Varian社勤務
1966年 フーリエ変換NMRの開発
1968年 スイス連邦工科大学 講師
1970年 スイス連邦工科大学 助教授
1976年 スイス連邦工科大学 教授
1976年 二次元NMRの開発
1991年 ノーベル化学賞 単独受賞
2001年 スイス連邦工科大学 名誉教授
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