薬学研究科（博士課程）医療薬学専攻4年の入江雅彦さんが、「第27回日本循環薬理学会」にて「Young Investigator Award（若手優秀発表賞）」を受賞しました。

■情報
第27回日本循環薬理学会
[テーマ]循環器系創薬イノベーションを目指して
・於：ウインクあいち
・開催日：平成29年12月1日（金）
・演題名：モルモット肺静脈心筋の自発活動および緩徐脱分極におけるNa+電流成分の役割

入江さんは薬物治療学分野の所属で、指導教員は田中光教授です。

【研究概要】
肺静脈には心房とつながる心筋層が存在し、ここで発生する電気的自発活動が心臓本体に伝わると、心房細動という不整脈が発症します。本研究ではこの肺静脈心筋の組織や細胞にガラス微小電極を装着して詳細な解析を行い、自発活動にNa+チャネルの持続的開口という機序が関わっていることを示しました。また、心臓機能には影響せずに肺静脈心筋の自発活動だけを抑制する薬物も見出し、新たな心房細動治療薬としての可能性を示しました。

入江さんは薬剤師として病院や薬局での薬剤師業務を経験した後に薬理学研究を志して本学に入学した異色の大学院生です。臨床で使われる抗不整脈薬の効果や副作用を出発点として本研究を立ち上げ、創薬につながる成果を得ることが出来ました。今後の活躍が期待されます。