看護学部

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がん看護学研究室(Department of Oncology Nursing)

所属教員

研究室紹介

 わが国は、2人にひとりはがんの診断を受ける時代になりましたが、医療の進歩と個人の健康意識の高まりによる早期発見によりがんの死亡率は減少傾向にあります。すなわち、がんの治療を受けながら生活を送っている方々が多く、今後も増え続けることが予想されます。
 そのような社会状況を背景として、本学部では2015年4月に「がん看護学研究室」が誕生し、がん看護学の講義、演習、臨地実習が必修単位としてカリキュラムに組み入れました。これは、国内では初めてのチャレンジであり、学部教育の段階からがん医療に関する教育を行っていきます。卒業時には、さらにがん医療は進歩していると想定していますが、基本的な知識を持ってほしいと願っています。
 英語表記では、「cancer patient」よりも、「person with cancer」が用いられています。すなわち、「患者」ではなく「その人」ががんを発症しただけということです。がんを発症したことは大変なことではありますが、その人自身はなにも変わっていないというメッセージを大切にしていきたいと思います。それゆえ、どのように工夫するとその方々が今までどおりの生活を維持できるのかという視点を大切に探究していきます。

授業の紹介

  • がん看護学Ⅰ(2年生秋学期)
    がん医療の動向に関する最新情報、がんに対する集学的治療について、看護師に求められること、などの基本的な知識について学びます。
  • がん看護学Ⅱ(3年生春学期)
    がんと共に生きていく人を支えるために、身体的苦痛・精神的苦痛・社会的苦痛について理解し、これらに対する看護を検討するための基礎知識を習得します。
  • がん看護学実習(3年生秋学期)
    がん治療を受けている人を受け持ち、症状緩和に着目し、看護過程を展開していきます。
  • 統合科目(講義と実習)(4年生春学期)
    外来化学療法センター、放射線治療室での実習を通して、自宅で生活しながら治療を受けるために通院している人への看護を通して、治療施設と自宅とのシームレスなケアの在り方について一緒に考えていきます。

主な研究内容

  • がん患者の就労支援
  • 終末期がん患者の非薬物療法
  • 在宅看取りのパンフレットの運用
  • 緩和ケア病棟での看護支援
  • 在宅中心静脈栄養法を受けるがん患者への外来での看護

卒業研究のテーマ

2024年度

  • 成人のがん患者に患者仲間の死を尋ねられた看護師の対応
  • 大学生がスマートフォン依存に至ってしまう要因について
  • 地域在住高齢者に対するフレイル予防のために行われている社会参加への支援実態
  • 病棟薬剤師と協働して行う、ステロイドを服用している患者に対する病棟看護師の服薬指導

2023年度

  • 転倒経験があるが1人で動けるという思いを抱く高齢患者に対する看護師の転倒予防の対策や関わり
  • 化学療法のために入退院を繰り返すがん患者が、感染予防のセルフケアを継続して行うための病棟看護師の支援
  • 救命救急センターに配属された新人看護師が体験するリアリティショックへの対処
  • 治療効果が期待できない状況において、治療への期待に関する発言のあるがん患者に対する病棟看護師の対応
  • 再入院経験のある独居の高齢慢性心不全患者への服薬アドヒアランス向上のための外来看護師の支援
  • 終末期がん患者から死の話題について訴えがあった時の一般病棟看護師の対応

2022年度

  • がんの親をもつ学童期の子どもに対して告知後に行われている支援の実態
  • 呼吸困難を訴える終末期肺がん患者に対して看護師が実際に行っているケア
  • 親が終末期のがんである学童期の子どもに対して行われているグリーフケアに関する文献検討
  • 急性期病棟の看護師が高齢患者のせん妄に対して行う看護に関する文献検討
  • 余命を告知されていない終末期がん患者から予後について尋ねられた際の看護師の対応
  • 造血幹細胞移植のため無菌室に入室している患者の孤独感に対する看護師の介入に関する文献検討
お問い合わせ先

東邦大学 看護学部

〒143-0015
東京都大田区大森西 4-16-20
TEL:03-3762-9881