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【教員の活躍(受賞)】感染制御学研究室の金山明子助教が、学会賞を受賞しました。

第61回日本化学療法学会東日本支部総会(2014年10月29日~31日, 東京ドームホテル)において金山明子助教が発表した演題が、日本化学療法学会東日本支部長賞(基礎部門)を受賞いたしました。

演題名

多数の医療機関より分離されたESBL産生Proteus mirabilisの地域分布に関する検討

研究内容

本研究では、近年世界的にも問題となっている抗菌薬耐性菌の一つである、基質拡張型β-lactamase(ESBL)産生Proteus mirabilis(ミラビリス菌)の日本の各地域における分布と遺伝学的関連性について調査いたしました。ESBLは、臨床で最も多く使用されている抗菌薬を不活化します。くわえて、ESBL産生菌は、その他の複数種類の抗菌薬に対しても耐性を示す傾向があります。したがって、ESBL産生菌による感染症にこれらの抗菌薬を用いた場合、治療効果が期待できません。

全国の314医療機関の患者試料から培養されたP. mirabilis799株において、46%がESBL産生株であり、特に東日本に高い頻度でESBL産生株が認められました。同時にキノロン系抗菌薬に耐性を示す株が74%に認められました。

DNAの解析では、全国に多様なクローンが分布していた一方で、限定された地域においては、単一クローンの水平伝播が生じている可能性が推測されました。

以上のことから、日本におけるP. mirabilisでは約半数がESBLを産生し、その多くが多剤耐性株であることを考慮し、地域における流行株の抗菌薬感受性パターンを鑑みながら抗菌薬療法を行うことが重要です。また、医療関連感染対策として本耐性菌保有患者に対し接触感染予防策の徹底が必要となります。

なお、本演題に関する原著論文は、International Journal of Antimicrobial Agents (IF:4.259) (doi:10.1016/j.ijantimicag.2014.06.005) に掲載されております。

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金山明子助教
お問い合わせ先

東邦大学 看護学部

〒143-0015
東京都大田区大森西 4-16-20
TEL:03-3762-9881