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梅毒診療に関する臨床的検討~日米ガイドラインによる治療法の比較~

研究の背景および目的

梅毒は梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum subsp. pallidum)という病原体に感染し、引き起こされる感染症の1つです。近年日本における梅毒の増加は著しく、厚生労働省による梅毒患者数の年次報告では、平成24年の875件から平成28年の4,559件へと急増しており、早期に患者を発見し、適切な治療を行うことは喫緊の課題となっています。梅毒の治療は殺菌的に働き、耐性の報告もないペニシリンを第一選択にすることが推奨されています。諸外国ではベンザシンペニシリンG筋注製剤が使用可能で治療の中心となっていますが、本邦では未承認のため、主にペニシリン系抗菌薬の経口投与が行われています。治療効果判定方法は、本邦のガイドラインでは、「定量値が8倍以下、自動化法では16 R.U.未満に低下すること」、とされていますが、欧米のガイドラインでは「治療前の値の4分の1以下になること」、とされています。このように、日本と欧米では梅毒の診療状況が異なっている状況があります。そこで、今回私たちは、欧米の基準と日本の基準を比較して、適切な治療方法を明らかにすることを目的として、本研究を計画しました。この研究で得られる成果は、梅毒の病態の把握及び診療技術の向上につながります。

研究対象および方法

この研究は、東邦大学医学部倫理委員会の承認を得て実施するものです。
2005年6月~2017年8月までに東邦大学医療センター大森病院総合診療急病センター感染症科において、梅毒と診断された症例について、症例113例(複数回感染含む)を対象とします。診療録(カルテ)から抽出した下記情報を解析することにより、欧米の基準と日本の基準を比較して、梅毒の適切な診療方法について探索します。
評価項目:年齢、性別、合併症、性感染症ガイドライン(2016)に基づく病期、診断方法、治療内容(治療開始日、治療薬の種類と用法用量)、治療期間、転帰、及び下記項目について、後方視的に診療録を調査。

今回の研究で得られた成果を、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告することがありますが、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。
本研究に関してご質問のある方、診療情報や病理解剖結果を研究に利用することを承諾されない方は、下記までご連絡下さい。

連絡先および担当者

東邦大学医学部 研究推進室/微生物感染症学講座
職位・氏名:講師 吉澤 定子
電話:03-3762-4151 内線 2396
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151