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新規超高速PCR機器による病原性微生物の迅速診断法の確立に向けた臨床検体による性能評価試験

研究の背景および目的

近年、既存の抗菌薬が効果を示さない薬剤耐性菌の増加が世界的に問題になっています。今後、新たな薬剤耐性菌の出現を防ぎ、現在の抗菌薬の効果を保つためには、病原菌の種類や薬剤耐性の有無を調べた上で、適切な抗菌薬を使用する必要があります。一方、感染症の診断において病原菌の同定や薬剤の効果を調べるには数日を要するため、迅速に診断する技術の開発が望まれています。
そこで、東邦大学医学部 微生物・感染症学講座では、病原菌の複数の遺伝子を同時に検出することが可能な新しい迅速診断技術の性能を評価することで、本技術の有用性を検証することを目的として本研究を計画しました。
この研究で得られる成果は、病原菌の迅速同定によって使用する抗菌薬の適切な選択に寄与し、また薬剤耐性菌の感染リスクを早期に検出する手段の発展を通じて、患者様の治療効果の向上につながることが期待されます。

研究対象および方法

この研究は、東邦大学医学部倫理委員会の承認を得て実施するものです。
2018年1月~2020年12月までに東邦大学医療センター大森病院において、細菌検査の目的で提出された残りの咽頭ぬぐい液、喀痰、血液培養液(約150検体)を使って研究を行います。研究に使用しました一部の検体においては、検体に含まれる細菌の遺伝子情報についての分析が実施されますが、分析対象は細菌に限定したものであり、患者様の遺伝子情報を分析するものではありません。
今回の研究で得られた成果を、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告することがありますが、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。
本研究に関してご質問のある方、本研究に提出された検体の利用を承諾されない方は、下記までご連絡下さい。

研究費の出所と利益相反

本研究に要する研究費は杏林製薬から提供されます。医学部微生物・感染症学講座は利益相反状態にあると考えられますが、本研究を通じて得られるデータは機器から排出されるディジタルデータをそのまま採用します。また、データ解釈は複数の研究者がお互いにチェックし合いながら行います。したがって、杏林製薬に有利になるようにデータおよびその解釈が改ざんされることはありません。

連絡先および担当者

東邦大学医学部 微生物・感染症学講座
職位 ・ 氏名: 教授 ・ 石井良和
電話: 03-3762-4151 (内線2396)
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151