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バイオマーカーによる川崎病の治療法選択に関する研究

研究の背景および目的

急性期の川崎病において初期治療に対して無効となる症例(不応例)が約20%程度存在します。この不応例では後遺症として冠動脈瘤を形成し予後不良となることが知られています。現在まで様々な臨床研究が行われ、一般的な採血データ(CRPや白血球数など)から治療への反応性及び、合併症としての冠動脈瘤の形成に関する予測できる因子の検討がなされてきました。しかし、これらの検討は、非特異的な炎症性マーカーの組み合わせであり、川崎病の病態に関与した特異的な血液データ(バイオマーカー)の検討ではありません。近年、全身の炎症性疾患や慢性心不全患者などで報告されてきた新しいバイオマーカーが、予後を予見できるとの報告がなされるようになってきました。川崎病は全身の血管炎症性疾患であるため、これらのバイオマーカーが病態に関与していることが予想されます。そこで、東邦大学医学部小児科講座では、急性期の川崎病患者様を対象として、治療効果および後遺症である冠動脈瘤の発症を予測することを目的とし、一般的な診療を行う過程で採取される尿や血液などの人の体の一部あるいは研究への協力に同意していただいた方の診療情報(これを試料と呼びます)を用いて、新たなバイオマーカーから治療への反応性や合併症を残すリスクを早期に発見できる、という成果を目指した研究です。

研究対象および方法

この研究は、東邦大学医学部倫理委員会の承認を得て実施するものです。

2017年~2018年までに東邦大学医療センター大森病院小児科において、川崎病の治療を受けた患者様で、治療前に「研究目的に使用することに関する同意書」にサインを頂いた方(約1000例)を対象とします。
一般採血後に残った試料を用いて新たなバイオマーカーを測定し、診療録(カルテ)から抽出した医療情報とともに解析することにより、治療への反応性や冠動脈の予後に影響を与える因子を調査します。

今回の研究で得られた成果を、医学的な専門学会や専門雑誌等で報告することがありますが、個人を特定できるような情報が外部に漏れることは一切ありません。

本研究に関してご質問のある方、研究に利用することを承諾されない方は、下記までご連絡下さい。

連絡先および担当者

東邦大学医学部小児科講座
職位・氏名 高月 晋一 講師
電話 03-3762-4151 内線 6655
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151