東邦大学呼吸器外科では、肺癌の診断、治療に関する研究を行っています。このたび、「テーラーメイド医療を目指した原発性肺癌に対する遺伝子解析」という研究課題で、患者さまの病理検体を使用し、調査を行うことになりました。

調査対象は、東邦大学病院で肺癌と診断され、手術を受けた患者さまの腫瘍検体です。手術時に摘出した検体を用いて、腫瘍の発生に関係しそうな遺伝子の遺伝子発現（遺伝子が影響しているかどうか）について、ある遺伝子と腫瘍との関連性について調べます。腫瘍に関わる遺伝子が明らかになれば、あるひとが腫瘍になりやすいかどうかということや、どういう仕組みで腫瘍が発症するのかということを明らかにできることが期待できます。さらに、これにより腫瘍の発症を予防したり、最適な治療法を選んだり、新しい治療法を開発したりといったことに発展してゆくことが期待されます。

遺伝情報は、個人にかかわる重要な情報ですので、他人に漏れることのないよう厳重に管理されます。あなたの試料や診療情報は、分析する前に、住所、電話番号、氏名、生年月日、カルテ番号など、あなた個人を特定できる情報をけずり、かわりに新しく番号をつけます。これを「匿名化」と呼び、東邦大学において「個人識別情報管理者」として指名された者が責任をもって行い、あなたとこの符号を結びつける対応表は、「個人識別情報管理者」が厳重に管理します。このようにすることによって、あなたの血液や遺伝子の解析結果は、解析を行う研究者にも、誰のものであるかが分からなくなります。その他、何らかの負担が生じることはありません。

この研究の成果は、医学の発展に役立つ新しい研究成果となることがあります。その場合には、個人が誰であるか判らないようにした上で、学会発表や学術誌、データベース上などで公に発表されることがあります。

本研究の調査対象の患者さまで、調査に同意されない患者さまは、お申し出ください。このお知らせは、東邦大学病院内に掲示します。

この件に関しまして、ご質問などございましたら、担当医にご遠慮なくお尋ねください。