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組織修復・病態制御学研究室 赤坂喜清教授

略歴

センター長:宮崎修一教授

1984年 帝京大学医学部卒業
1990年 慶應義塾大学大学院医学博士過程終了
1992年 東邦大学医学部病理学教室第二講座 講師
1992年 慶應義塾大学 共同研究員
1998年 東邦大学医学部病理学講座 准教授
2003年 東北大学医学部 非常勤講師
2012年 東邦大学大学院医学研究科先端医科学研究センター 教授
2017年 東京大学 大学院医学系研究科 非常勤講師
医学博士

日本創傷治癒学会理事、日本創傷治癒学会広報委員会委員長、評議員選考委員、国際委員、評議員 日本病理学会評議員

microRNAによる間葉系細胞の組織修復能の制御と臓器線維化抑制法の開発  

難治性の肺線維症や皮膚潰瘍に発症する過剰瘢痕による「臓器線維化」は、間質線維化による組織リモデリングが再生能を欠く実質細胞の脱落を誘導し不可逆な機能障害を惹起する。この機能障害の治療法や予防法を間質線維化抑制から開発する研究を行っている。これまで我々は動物実験やヒト臨床においてBasic fibroblast growth factor(bFGF)が創部の瘢痕形成を抑制することを報告してきた(参考論文1-4)。一般的にヒト疾患では一つの遺伝子を標的とするより、複数の遺伝子を標的とするmicroRNA(miRNA)による治療効果の有効性が確認されている。このことから組織修復の包括的な制御分子としてmiRNAに着目し、その探索から間質線維化抑制するmiRNAの選定に取り組んでいる。有効なmiRNA選定により臓器線維化抑制が証明されば、有効なドラッグ・デリバリー・システムの開発からヒト臨床応用に発展させ臓器線維化の新たな治療法開発に役立てる予定である。

参考文献
  1. bFGF promotes apoptosis and suppresses granulation tissue formation in acute incisional wounds. Akasaka Y, Ishii T. et al. J Pathol 203:710-720(2004)
  2. Basic fibroblast growth factor reduces scar formation in acute incisional wounds. Ono I, Akasaka Y, et al. Wound Repair Regen 15: 617-623 (2007)
  3. bFGF in artificial dermis promotes apoptosis and inhibits expression of α-smooth muscle actin, leading to reduction of wound contraction. Akasaka Y, Ono I, et al. Wound Repair Regen 15: 378-389 (2007)
  4. The mechanisms underlying fibroblast apoptosis regulated by growth factors during wound healing. Akasaka Y, Ishii T, et al. J Pathol 221: 285-299 (2010)

骨髄間葉系前駆細胞を用いた新規の血管新生促進法の開発

治療に難渋する下肢末梢動脈閉塞性疾患や糖尿病性潰瘍においては、血管新生を目的とした新たな治療法の開発が期待されている。最近我々は“線維化を誘導する骨髄間葉系前駆細胞のFibrocyteが血管を形成すること”を見出した(参考論文5,6)。そこでFibrocyteによる血管新生療法を確立するため、ラット皮膚潰瘍から単離したFibrocyteを生体内環境に近い三次元培養で増幅して、これを創部に移植し血管新生を試みる新たな方法を開発している。この方法は従来のサイトカインによる血管新生療法とは異なる細胞移植療法であり、“潰瘍の肉芽組織細胞”を用いることから細胞採取が容易であり、その汎用性が高いことから新規の血管新生療法として有望であり、その実現に向けて基礎的研究に励んでいる。

参考文献
  1. Fibrocyte behavior relative to blood vessels under skin wound healing. Inomata N, Akasaka Y, et al. Jpn J Plast Reconstr Surg 135: 24-28 (2012)
  2. Basic fibroblast growth factor induces angiogenic properties of fibrocytes to stimulate vascular formation during wound healing. Nakamichi M, Akasaka Y, et al. Am J Pathol 186:3203-3216 (2016)

慢性心不全治療に有効な組織改築抑制法の開発

慢性炎症性疾患では悲感染性の持続的刺激により間質結合組織の線維化による組織再改築が進行し臓器の機能細胞の脱落を誘導し不可逆的機能障害が惹起される。高血圧性の慢性心不全で進行する組織改築を外来性サイトカインで抑制可能なことを見出し、この過程で心筋間質線維芽細胞による組織修復関連蛋白の発現抑制を証明している(参考論文7,8)。今後はさらに線維芽細胞の組織修復関連蛋白の発現制御に関与する上位機構を検索し、探索同定された有効分子の人為的制御による組織改築抑制から高血圧性慢性心の進行抑制を目的とした新たな治療法の開発に取り組んでいる。

参考文献
  1. Basic fibroblast growth factor inhibits ventricular remodeling in Dahl salt-senstitive hypertensive rats. Suzuki T, Akasaka Y, Ishikawa Y, et al. J Hypertesion, 26:2436-2444 (2008)
  2. Antifibrotic response of cardiac fibroblasts in hypertensive hearts through enhanced TIMP-1 expression by basic fibroblast growth factor. Kinoshita T, Akasaka Y et al. Cardiovasc Pathol. 23:92-100 (2014)
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