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小児科学講座(佐倉)

所属教員名

金村 英秋 / 教 授
川瀬 泰浩 / 准教授
小松 陽樹 / 准教授
本山 治  / 嘱託医師
井村 求基 / 助 教
星野 廣樹 / 助 教
鈴木 紗耶香/ 助 教

運営責任者

講座の概要

当講座は平成3年7月に開講され、東邦大学医学部附属佐倉病院(現東邦大学医療センター佐倉病院)の平成3年9月開院時に、臨床・研究・教育が開始されました。初代部長の小屋二六教授が平成13年3月まで、2代目部長の舘野昭彦教授が平成13年4月から平成31年3月まで務められ、令和元年8月から3代目部長の金村英秋が現在に至るまで講座を主催しております。小児科内には、小児科学会により提示された救急システムのグランド・デザインに則り、地域周産期母子医療センター併設型の中核医療センターを目指して、地域周産期母子医療センターのNICUおよびGCUを設置し、シームレスな新生児~神経・循環器医療を軸に、感染症、腎・泌尿器疾患、肝・消化器疾患などの診療・研究を行ってきております。研究成果はてんかん・神経発達症などの神経領域、ネフローゼ症候群などの腎・泌尿器領域、そして肝炎ウイルスをはじめとした感染症領域を中心に論文・学会発表を積み重ねてきております。また、小児科専門医はもちろんのこと、サブ・スペシャリティとしての専門医取得に向け充実した指導体制を取ってきております。大学病院としての機能を発揮するのは当然のことではありますが、地域の中核病院としての役割も担い、プライマリ・ケアおよび二次救急システムを含んだ小児救急医療体制整備も行うことで、優れた医師の育成に努め、さらに地域医療への貢献を果たすよう日々取り組んできております。

研究の概要

当研究室においては、小児神経・心身症や腎・泌尿器疾患などの臨床的研究や感染症・小児肝疾患に対する基礎的研究が中心です。小児神経領域においては、通常業務の中でも報告をみない数件の新発見もあり、論文化してきました。腎・泌尿器疾患では東邦大学大森病院小児科・小児腎臓科・腎臓科と共同で小児の腎・泌尿器疾患の研究を行っています。感染症やB型肝炎に関する論文は基礎研究に属する内容が中心です。


  1. 小児神経疾患・心身症の臨床的研究
    けいれん性疾患、発達障害(自閉スペクトラム症、ADHD等)、不随意運動、慢性頭痛、キャリー・オーバー化した神経疾患、重症筋無力症などの筋疾患、小児心身症などを対象として臨床研究を行っています。トシリズマブが奏効した多発性硬化症の症例報告、てんかん、発達障害の認知機能と脳波所見との関連について報告しました。他施設と共同し、難治性疾患の病態を推察し、診断、治療戦略を立てることに尽力している一方で、特に、てんかん患児やその家族のQOL向上に繋がるための研究に精力的に取り組んでいます。さらに、当小児科は神経内科グループとのカンファランスを行い、変性疾患、けいれん性疾患、中枢神経感染症などに関する研究も行い、院内外に於ける多くのセミナーにも世話人として運営に携わっています。

  2. 慢性腎不全児の成長・発達
    東邦大学大森病院小児科・腎臓科と共同で腎移植後の成長障害の主因である副腎皮質ステロイド薬の減量・中止の有効性・安全性を検討してきました。また、近年増加している先行的腎移植における骨ミネラル代謝異常の改善について報告しました。慢性腎不全患児の発達障害と移行医療についても報告しました。

  3. 腎炎・ネフローゼ症候群ほか
    小児期発症の膜性増殖性糸球体腎炎1型の多胎妊娠の管理や腎代替療法の選択について報告しました。Alport症候群の9家系の臨床像の検討、Nutcracker症候群による肉眼的血尿を伴うステロイド反応性ネフローゼ症候群、アトピー性皮膚炎に合併した黄色ブドウ球菌による腎膿瘍の症例報告を行ないました。

  4. サイトメガロウイルス感染
    サイトメガロウイルス(CMV)感染のコントロールにはCMV特異的CTLが重要な役割を果たしています。我々はヒトにおいても年齢とともにCMV特異的tetramer陽性細胞の頻度は増加し、”memory inflation”の存在が確認されました。また、tetramerを用いてウイルス特異的CTLが短時間に多数検体のスクリーニングできる方法を確立しました。また、骨髄移植にて移植ドナーのウイルス特異的免疫がレシピエントへ受け継がれることを見出しました。現在は、炎症性腸疾患とCMV感染の関連を解析中であり、腸粘膜などの検体を用いて病態解明を実施しております。

  5. マクロライド耐性マイコプラズマ感染
    小児におけるマクロライド耐性マイコプラズマ感染の臨床症状を明らかするとともに、ミノサイクリンの有効性の有無を報告しました。さらに、簡易で迅速なマクロライド耐性マイコプラズマ感染の診断方法を確立しました。今後も薬剤耐性マイコプラズマ感染の病態解明を進めていく予定であります。

  6. B型肝炎ウイルスの病態解明と治療
    B型肝炎ウイルス(HBV)全遺伝子解析を施行し、肝炎の病態解明や感染ルートの特定などに成果を挙げています。HBV再活性化による家族内感染やgenotype Aの家族内感染を本邦で初めて報告しました。また、HBV遺伝子解析により本邦小児B型慢性肝炎の感染源の状況を明らかにしました。HBワクチン定期接種化を推進するため、HBVキャリア体液からの水平感染を検討し、キメラマウスを用いて世界で初めてHBVキャリアの涙の感染性を証明しました。また、本邦小児慢性B型肝炎に対する治療成績と長期予後を明らかにしました。さらに、次世代シークエンスを用いてHBV母子感染とウイルス変異株の関連を解析し報告しました。また、積極的に世界へHBV感染予防や治療に対する提言などを行っています。

代表論文

  1. Komatsu H, Kleneman P, Thimme R.: Discordance of hepatitis B vaccination policies for healthcare workers between the USA, the UK, and Germany. Hepatol Res 50 (3) :272 -282 , 2020
  2. Tanaka M, Natsume J, Hamano SI, Iyoda K, Kanemura H, Kubota M, Mimaki M, Niijima SI, Tanabe T, Yoshinaga H, Kojimahara N, Komaki H, Sugai K, Fukuda T, Maegaki Y, Sugie H: The effect of the guidelines for management of febrile seizures 2015 on clinical practices: Nationwide survey in Japan. Brain Dev 42 (1) :28 -34 , 2020
  3. 本山治、山崎恵介、大橋靖、河村毅、濱崎祐子、宍戸清一郎、相川厚、酒井謙、飯高喜久雄、長谷川昭: Alport症候群の9家系の臨床像. 日本小児腎不全学会誌 39 :71 -74 , 2019
  4. Komatsu H, Inui A, Suzuki Y, Sugiyama M, Fujisawa T: Deep sequencing of hepatitis B surface antigen gene in the preserved umbilical cords in immunoprophylaxis failure against mother-to-child HBV transmission. BMC Infect Dis 19 (1) :985 , 2019
  5. Komatsu H, Inui A, Kishiki K, Kawai H, Yoshio S, Osawa Y, Kanto T, Fujisawa T: Liver disease secondary to congenital heart disease in children. Expert Rev Gastroenterol Hepatol 13 (7) :651 -666 , 2019
  6. Umetsu S, Notohara K, Nakazawa T, Tsunoda T, Sogo T, Komatsu H, Tanaka A, Tazuma S, Takikawa H, Inui A, Fujisawa T: Long-term outcomes of pediatric-onset primary sclerosing cholangitis;A single-center experience in Japan. Hepatol Res 49 (12) :1386 -1397 , 2019
  7. Tsunoda T, Kakinuma S, Miyoshi M, Kamiya A, Kaneko S, Sato A, Tsuchiya J, Nitta S, Kawai-Kitahata F, Murakawa M, Itsui Y, Nakagawa M, Azuma S, Sogo T, Komatsu H, Mukouchi R, Inui A, Fujisawa T, Bakauchi H, Asahina Y, Watanabe M: Loss of fibrocystin promotes interleukin-8-dependent proliferation and CTGF production of biliary epithelium. J Hepatol 71 (1) :143 -152 , 2019
  8. Hasegawa K, Motoyama O, Shishido S, Aikawa A: Mineral disorders in pediatric pre-emptive kidney transplantation. Pediatrics International 61 :587 -594 , 2019
  9. Hoshino H, Shirai Y, Konishi H. Yamamura T, Shimizu N: Efficacy of tocilizumab for fulminant multiple sclerosis with a tumefactive cervical lesion: A 12-year-old boy. Multiple Sclerosis and Related Disorders 37 :101460 , 2019
  10. Kanemura H, Sano F, Aihara M. Usefulness of perampanel with concomitant levetiracetam for patients with drug-resistant epilepsy. Eur J Paediatr Neurol 23: 197-203, 2019

教育の概要

学部

  1. 医学部医学科3年次カリキュラム
      臨床医学各論III小児科学講義 11コマ、小児科学テュートリアル数コマを担当。主に、神経筋疾患、新生児、腎・泌尿器疾患、感染症などの講義を行っております。
    臨床医学総論II行動科学 2コマ(小児期ライフスタイル、虐待)を担当。
  2. 医学部医学科5年次カリキュラム 臨床実習
    大森病院小児科外来において、月に数単位、当教室の金村、星野(小児神経外来)、川瀬(新生児フォローアップ外来)、本山(腎・泌尿器外来)が専門外来において指導にあたります。
  3. 6年次カリキュラム選択制臨床実習
    ほぼ毎年1~2名の6年生が実習を行っております。

大学院

医学専攻博士課程

診療の概要

当小児科は、開院当初は小児一次救急から、2.5次医療に至るまでの診療を行っておりましたが、小児科学会により提示された救急システムのグランド・デザインに則り、新生児医療を提供できる地域小児医療センター(NICU併設型地域中核医療センター)を目指した診療体制を組むことにより、地域周産期母子医療センターとして認可されるに至りました。現在の医療においては、通常新生児学と小児科学が切り離されて運営されますが、当院では出生後から成人に至るまで、連続したシームレスな医療提供を心掛けています。また、疾患によっては成人に達した後もキャリー・オーバーとして診療に取り組んでおります。
小児科医としては、小児科全般を診ることが理想的ですが、大学病院としてより専門的な診断および診療を行うために、専門外来を設け、受療サイドの利便性を図っております。小児神経・心身症疾患、腎・泌尿器疾患、周産期新生児医療(NICU)、小児肝疾患、感染症などが診療の中心となりますが、アレルギー疾患や血液・腫瘍性疾患などに対しても、専門外来を設けて幅広い対応を心がけています。他に、乳児健診、予防接種外来を行うことで小児保健にも力を注いでおり、加えて臨床心理士による心理・発達検査を取り入れることにより、心身の健康推進もサポートしております。小児科病棟では完全看護体制を敷いており、原則保護者付き添いなしの対応を取っておりますが、小児病棟にはプレイルームが設置され、入院環境を少しでも快適なものに出来るよう取り組んでおります。

その他

社会貢献

  1. 印旛市郡小児救急システムにおける役割
    大学病院、総合病院の小児科医の疲弊を防ぎ、より高度な専門的医療に力を注げるよう、印旛市郡11市町村の小児救急医療体制を整備しています。二次輪番病院としての役割を担うとともに、診療スタッフの一員としても活動しています。
  2. 地域の療育施設における嘱託医としての役割
    さくらんぼ園(佐倉市)および児童発達支援センター安食(印旛郡栄町)において、月1回神経外来を担当、養育者やスタッフの相談にも応じています。
  3. 地域の児童虐待対策ネットワークへの参加
    千葉県児童虐待対策研究会北総地区分科会に定期的に参加し、院内における子ども虐待対策チームとしても活動し、地域と協働しています。

学会活動

日本小児科学会学術集会には毎年必ず数題を発表するほか、各診療グループが専門分科会(神経:小児神経、てんかん、臨床神経生理、腎臓:小児腎臓、腎不全、消化器:小児栄養消化器肝臓、感染:感染症、新生児:周産期・新生児)などに研究成果を発表するとともに最新の情報を集め診療や研究に役立てています。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151