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腎臓学講座(大森)

所属教員名

酒井 謙  / 教 授
宍戸 清一郎/ 教 授(寄付講座)
濱崎 祐子 / 准教授
河村 毅  / 講 師
村松 真樹 / 講 師
篠田 和伸 / 講 師
小口 英世 / 講 師
斉藤 彰信 / 助 教
米倉 尚志 / 助 教
櫻林 啓  / 助 教
橋本 淳也 / 助 教
荒井 太一 / 助 教

運営責任者

酒井 謙 / 教 授
(人工透析室兼任)

講座の概要

 腎臓学講座(大森)は蛋白尿、血尿の診断から腎疾患の治療、血液・腹膜透析、腎移植までを最初から同じ「内科」「外科」「小児科」合同のスタッフで診療を行なうために設立された日本で唯一の大学病院における講座です。小児から成人まで、蛋白尿から腎代替療法(透析・腎移植)まで、慢性腎臓病(CKD)の生涯医療を絶え間なく提供できる診療科です。政府および厚生労働省は、平成30年度より腎代替医療に対して血液透析のみならず、腹膜透析、腎移植への方向性を明確に打ち出しています。このような国の方針にも合致した診療科であると考えています。また2018年から始まった内科新専門医制度に関して、腎臓内科研修が蛋白尿から透析・移植まで幅広く行えるよう臨床班の整備も行っています。
 外科部門では2020年3月に通算で1000症例の腎移植を行い、国内屈指の腎移植施設と自負しております。他の施設からのご紹介も多く、血液型不適合腎移植や既存ドナーHLA抗体陽性症例などのハイリスク腎移植症例も積極的に手掛けております。
 研究面では、2019年度は15報の英文論文(内1報は英文著書)が出版され、その活動性は高く、忙しい臨床ではありますが、その忙しさの中に臨床課題(clinical question)を掲げ、論文化を目指しています。特に年間300例ほどの移植腎生検、年間100例ほどの自己腎生検は大きな柱で、この腎生検数は日本で屈指であり、その標本は病理学講座の先生方に教授頂きながら、臨床研究の主骨格であると考えています。研修に来られる方も、全国から希望され、内科外科小児科医が、one teamになって、臨床研究教育活動を行っています。
 腎臓学は生涯医療です。臓器の不全が個体の終焉にならないことから、連続性を帯びた診療に内科外科泌尿器科小児科の区別が無く、腎臓学講座(大森)(大橋)(佐倉)の名前に至った所以であり、教育単位も3病院合同で教育会議を開催して、臨床講義および実習を展開しています。

研究の概要

 内科系では数十年来腎不全の食事療法栄養管理、二次性あるいは三次性副甲状腺機能亢進症の臨床研究、移植腎病理は血管障害の進展や拒絶反応の早期診断を中心とした臨床病理学的研究を行っております。腎臓リハビリテーションガイドラン・ネフローゼ診療ガイドラン作成、AMED研究や多施設共同研究にも貢献しております。
 外科系では、1989年に本邦初のABO式血液型不適合移植を行っていますが、1990年代には日本最小体重児の移植も経験しています。研究としては生体ドナーの腎提供後の腎機能予測、小児生体腎移植後の移植腎サイズの変化と臨床経過に及ぼす影響、慢性活動性拒絶反応進展を予測する因子の調査、定期移植腎プロトコール生検におけるBorderline changeに対する介入の是非の検討、腎移植直後の腎血行動態検査の検討による動脈吻合法の最適化の検討などテーマは幅広く行っております。また医学部研究棟においては基礎実験も鋭意すすめております。
 小児では、難治性ネフローゼの臨床研究、エプスタイン症候群の腎不全移植管理、成人の腎を小児に移植した際の形態変化および腎機能、腎移植後BKウイルス腎症、小児腎不全患者における移植後の心機能の移植後変化、小児腎不全の成長・発達などを中心に研究をすすめています。また小児の末期腎不全に対しての血漿交換を介さないABO 式血液型不適合腎移植および抗ドナー抗体(DSA)陽性の脱感作療法の臨床研究を行っています。移植腎の長期生着における病理学的検討は、内科外科小児科の共通課題です。

代表論文

  1. Sakai K*† . Hyoudou Y†. · Nihei H†. · Kawamura T†.: Analysis of Extracellular Fluid Volume in Peritoneal Dialysis Patients before and after Kidney Transplantation. Blood purification 47 (suppl 2) :56 -62 , 2019.
  2. Aoki Y, Hamasaki Y, Satoh H, Matsui Z, Muramatsu M, Hamada R, Harada R, Ishikura K, Hataya H, Honda M, Sakai K, Shishido S.: Long-term outcomes of pediatric kidney transplantation: A single-center experience over the past 34 years in Japan. Interrnational Journal of Urology 27 (2) :172 -178 , 2020
  3. Masaki Muramatsu, Yoji Hyodo, Abigail Lee, Atsushi Aikawa, Carmelo Puliatti, Magdi Yaqoob, Michael Sheaff: Transplant Nephrectomy: Pathological features of 124 Consecutive Cases in a Single Center Study over 10 Years. Journal of Nephropathology 8 (3) :000 -000 , 2019
  4. Hashimoto J†, Hamasaki Y*†, Takahashi Y†, Kubota M†, Yanagisawa T†, Itabashi Y†, Muramatsu M†, Kawamura T†, Kumagai N, Ohwada Y, Sakai K†, Shishido S†: Management of patients with severe epstein syndrome: Review of four patients who received living-donor renal transplantation. Nephrology (Carlton, Vic.) 24 (4) :450 -455 , 2019
  5. Muramatsu M, Mizutani T, Hamasaki Y, Takahashi Y, Itabashi Y, Kubota M, Hashimoto J, Oguchi H, Sakurabayashi K, Hyodo Y, Shinoda K, Kawamura T, Sakai K, Shishido S.: Transplantation of adult-size kidneys in small pediatric recipients: A single-center experience. Pediatric Transplantation 23 (4) :e13401 , 2019
  6. Yuko Hamasaki, Niamh M. Dolan, Davit Cubitt, Judith Breuer, Neil J. Sebire, Stephen D. Marks: BK viremia and nephropathy in pediatric renal transplant recipients. Pediatric Transplantation 23 (5) :e13460 , 2019
  7. Masuda T, Hamasaki Y, Kubota M, Hashimoto J, Takahashi Y, Muramatsu M, Takatsuki S, Matsuura H, Sakai K, Shishido S: Changes in cardiac function after renal transplantation in children: Significance of pre-transplantation left ventricular hypertrophy. Pediatric Transplantation 23 (7) :e13558 , 2019
  8. Takeshi Kawamura*†, Yuko Hamasaki†, Yusuke Takahashi†, Junya Hashimoto†, Mai Kubota†, Masaki Muramatu†, Yoshihiro Itabashi†, Yoji Hyodo, Yasushi Ohashi†, Atushi Aikawa, Ken Sakai†, Seiichiro Shishido†.: ABO-incompatible pediatric kidney transplantation without antibody removal. Pediatric nephrology (Berlin, Germany) 35 :95 -102 , 2019
  9. Shinoda K*†, Morita S, Akita H, Washizuka F†, Tamaki S, Takahashi R, Oguchi H †, Sakurabayashi K†, Mizutani T†, Takahashi Y†, Hyodo Y†, Itabashi Y†, Muramatsu M†, Kawamura T†, Asanuma H, Kikuchi E, Jinzaki M, Shiraga N†, Sakai K†: Preserved Kidney Volume, Body Mass Index, and Age Are Significant Preoperative Factors for Predicting Estimated Glomerular Filtration Rate in Living Kidney Donors at 1 Year After Donation. Transplantation Proceedings 51 (5) :1306 -1310 , 2019
  10. Kawaguchi Y*†, Oguchi H†, Mikami T†, Yamaguchi Y, Ohashi Y†, Kawamura T†, Muramatsu M†, Itabashi Y†, Shinoda K†, Hyodo Y†, Takahashi Y†, Onishi H†, Arai T†, Hamasaki Y†, Kazutoshi Shibuya K†, Shishido S†, Sakai K†: Can Lipofuscin Deposition on Renal Allograft Tubular Epithelium Be a Surrogate Marker for Kidney Allograft Aging?. Transplantation Proceedings 51 (5) :1343 -1347 , 2019
  11. Kawaguchi Y*†, Oguchi H†, Mikami T†, Yamaguchi Y, Ohashi Y†, Kawamura T†, Muramatsu M†, Itabashi Y†, Shinoda K†, Hyodo Y†, Takahashi Y†, Onishi H†, Arai T†, Hamasaki Y†, Kazutoshi Shibuya K†, Shishido S†, Sakai K†: Donor-Recipient Body Weight Mismatch May Affect Glomerular Basement Membrane Thinning in Electron Microscopic Examination of 1-Hour Renal Allograft Biopsy Specimens. Transplantation Proceedings 51 (5) :1348 -1352 , 2019
  12. Hideyo Oguchi, Ken Sakai, Yutaka Yamaguchi, Tetuo Mikami, Tetsuo Nemoto, Yasushi Ohashi, Takeshi Kawamura, Masaki Muramatsu, Yoshihiro Itabashi, Kazunobu Shinoda, Yoji Hyodo, Yusuke Takahashi, Yuki Kawaguchi, Hiroka Onishi, Yuko Hamasaki, Kazutoshi Shibuya, Seiichiro Shishido: Vasa recta hyalinosis reflects severe arteriolopathy in renal allografts. Clinical and Experimental Nephrology 23(6) :799 -806 , 2019
  13. Hamasaki Y†, Aikawa A*†, Itabashi Y†, Muramatsu M†, Hyoudou Y†, Shinoda K†, Takahashi Y†, Sakurabayashi K†, Mizutani T†, Oguchi H†, Kawamura T†, Sakai K†, Shishido S†: Efficacy of 2 Doses of Rituximab on B-Cell and Antidonor Antibody and Outcomes of ABO-Incompatible Living- Donor Pediatric Kidney Transplant. Experimental and Clinical Transplantation 1 :105 -109 , 2019
  14. Itabashi Y†, Aikawa A*†, Muramatsu M†, Hyoudou Y†,Shinoda K, Takahashi Y†, Sakurayashi K†, Mizutani T†, Oguchi H†, Arai T†, Kawamura T†, Hamasaki Y†, Sakai K†, Shishido S†: Living-Donor Kidney Transplant With Preformed Donor-Specific Antibodies. Experimental and Clinical Transplantation 1 :43 -49 , 2019

教育の概要

学部

2年次 腎臓学・電解質
腎臓は代謝産物の排泄、水電解質を中心とする生体内恒常性の維持、血圧調節や造血系に関する内分泌機能を有する重要な臓器です。腎・電解質ユニットは病理学的および生理学的アプローチに始まり、免疫学、生化学、分子生物学を応用して腎疾患の発生機序、病態を解明し、薬物、透析、食事療法、そして腎移植までの幅広い腎臓学およびその治療学を理解することを目標にしています。
腎臓は、海から生命が誕生し、陸地生活に適応できるようにその構造が完成されました。時には自己犠牲(急性腎障害)をもって、体内環境を守る美しい臓器です。
講義内容は腎臓学総論、電解質異常総論に始まり、解剖、症候学、薬理学(利尿剤)、アシドーシス、アルカローシスという解剖、機能、症候に関する基本理解に始まり、急性慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、間質性腎炎、尿細管障害、二次性腎疾患、腎病理、小児腎疾患、透析治療(血液・腹膜透析)、腎移植、慢性腎臓病の病態および治療学へ発展し、理解を深めていきます。

4年次 臨床実習:
水曜~金曜にかけて、大森、大橋、佐倉病院での見学型実習を行います

5年次 臨床実習
指導医とともに4週間受け持ち患者の診療にあたり、腎炎から透析、移植までの一連の腎臓病総合医療を学び、内科の医行為、一部は外科の医行為ができることを目標にします。

6年次 臨床実習(選択型)
指導医とともに、チーム医療の一員となり、症例を受け持ち、student doctorとしての完成形を目指し、国家試験に対応できる実際の医療判断についても学びます。必要に応じて学会研究会参加も計画します。5年次、6年次は医行為修得の他、下記項目について学びます。

  1. 診断を確定するための適切な検査計画
  2. 一般血液検査、尿検査、腎機能検査、尿路X 線検査、腎尿路超音波検査、核医学による腎形態、動態検査を施行し評価
  3. 腎生検病理組織診断
  4. 腎疾患に関する診断手順を理解でき、病名の決定
  5. 腎生検、血液透析、CAPD、手術(腎移植他)に参加
  6. これら、腎疾患の患者への説明、カルテ記載、アセスセメント、検査・治療計画の策定

大学院

科目概要
腎臓病諸疾患は免疫異常、代謝異常、先天異常を背景として発症する全身性慢性炎症性疾患であり、さまざまな臓器障害・身体障害により患者の生活の質(QOL)に多大な影響を及ぼしている。これら疾患の病因は未だ不明だが病態形成機序はかなり解明が進んでおり、対応した新規の治療法も次々と開発されつつある。このような背景を踏まえて、腎臓病諸疾患に関する専門知識の修得ならびに関連したテーマについて病因解明と治療学を中心とした基礎研究あるいは病態、症状、診断、治療を中心とした臨床研究を行う。

到達目標
 これらの研究を通じて、腎臓学の関連する内科的、外科的病態を理解した上で、腎臓学の専門知識を修得する。さらに腎臓学の研究マインドを涵養し、自ら基礎および臨床研究を行うことのできる能力を獲得する。内科学会専門医および腎臓学会腎臓専門医、透析医学会専門医、泌尿器科学会専門医、移植学会認定医、臨床腎移植学会腎移植認定医の資格を取るための基礎知識を修得することができる。

講義
講 義 名:腎臓学特論(Ⅰ, Ⅱ)
対 象 年 次:1年次
講義時間単位数:月・木曜日 18:00 ~ 19:30
講 義 概 要:腎臓病諸疾患の病因、病態、症状、診断、治療についての最新知見を学ぶ。

診療の概要

腎近年、わが国で慢性腎臓病(CKD)をお持ちの方は1,300 万人にのぼるとされ、全国で透析を受けている方は32万人を超え、国民の健康課題として極めて重要な位置を占めています。腎センターでは年間約100 人の方が透析を導入し、年間約50 人の方が腎移植を受けています。腎移植は現在までに1000 例以上を経験し、血液型適合腎移植7 年生存率/生着率は96%/ 94%であり、血液型不適合腎移植7 年生存率/生着率は100%/ 95%でありました。小児腎移植、第2 次/第3 次腎移植および献腎移植でも良好な成績を挙げています。また、2009 年から小児腎臓学寄付講座が新たに開設され、宍戸清一郎教授を中心に小児腎移植を積極的に行い、年間症例数は日本一です。

その他

社会貢献

東京都23区部の災害透析医療の拠点としての任にあり、東京都保健福祉局と連携し、各透析室を束ねて、緊急透析施設連絡網の整備および災害対策区民公開講座を毎年開催しています。また、大田区行政とも積極的に連携を取り、被災者診療を担う災害拠点病院としてのプロジェクトを進めています。首都直下型地震が予測されており、品川区大田区は東京都で一番の震災被害が想定されています。いわゆる災害弱者である透析患者をどう守るかは大きな課題であります。
また当科は大田区の学校検尿3次検査を担当し、小児腎疾患の早期発見に貢献しています。さらに小児腎疾患腎移植医療では、大田区との共同事業として、民泊を積極的に活用しています。空き家を互助利用して遠方から来られるご両親の負担を軽減することに役立っています。腎移植医療に関しても区民公開講座を行い(2018年)今後も開催していきます。

学会活動

主要学会
日本内科学会、日本腎臓学会、日本泌尿器科学会、日本小児科学会、日本移植学会、日本小児腎臓病学会、日本透析医学会、日本臨床腎移植学会、日本小児泌尿器科学会など

主要研究会
移植腎病理研究会、腎移植内科研究会(代表世話人)、腎移植血管外科研究会(旧代表世話人)、日本サイコネフロロジー研究会(主催歴あり)、日本小児腎不全学会、腹膜透析学会、日本アクセス研究会、日本小児PD/HD研究会など

主要国際学会
American Society of Nephrology、American Society of Transplantation、European Dialysis and Transplant Association、The Transplantation Society、International Pediatric Transplant Association、International Pediatric Nephrology Associationなど

主催学会

日本腎移植血管外科主催済(宍戸教授)   1998年   ヒルトンホテル小田原にて
日本腎臓学会東部会主催予定(酒井教授)  2022年10月 東京虎ノ門ヒルズにて
関東小児腎臓研究会主催予定(濱崎准教授) 2021年3月  東邦大学医学部講堂
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151