内科学講座糖尿病・代謝・内分泌学分野(大橋)
所属教員名
大平 征宏/ 准教授
河越 尚幸/ 助 教
河越 尚幸/ 助 教
運営責任者
講座の概要
2024年4月1日より大平征宏が教授に就任しました。当教室は所属教員4人と少人数ですが、チームワークよく外来、入院業務をこなしております。小規模ながら大学病院における臨床・研究・教育の3つの任務を粛々と遂行しています。臨床は糖尿病を中心に、内分泌疾患、代謝分野としては脂質異常、肥満症の診療を行っています。高度肥満症患者に対し、減量・代謝改善手術が行われるようになり高い治療効果が得られています。当院で減量・代謝改善手術はできませんが、東京慈恵会医科大学病院と連携し、手術は慈恵会医科大学病院で、術前・術後の内科治療は当院でという診療体制を確立しました。研究は糖尿病だけではなく代謝・内分泌の分野についても行っております。英文誌への報告など、国内・国外へ研究成果を発信しております。また、当教室は糖尿病学会認定教育施設であり、新専門医制度による内分泌代謝・糖尿病内科専門医および糖尿病内科領域専門医の取得研修が可能です。この分野に興味のある若手医師を募集しています。
研究の概要
- 副腎皮質ホルモンと糖尿病に関する研究
減量・代謝改善手術であるスリーブ状胃切除術を受けた2型糖尿病合併高度肥満症患者における検討では、術前の血中アルドステロン濃度と術後1年での糖尿病改善度との間に関連がみられた。さらに、未治療2型糖尿病患者において、血中コルチゾール濃度はインスリン分泌能と、血中アルドステロン濃度はインスリン抵抗性と関連することを当教室から報告している。初診時の副腎皮質ホルモンがその後の糖尿病治療にどのように関連するかを検討していく。
- GIP/GLP-1受容体作動薬に関する研究
GLP-1受容体作動薬は膵臓からのインスリン分泌を増やすだけではなく、食欲低下作用もあり、血糖改善効果のみならず体重減少作用も有している。GLP-1受容体作動薬は現在では糖尿病治療において中心的な薬剤の1つになっているが、これに加えGIP/GLP-1受容体作動薬が開発され使用可能となった。既存のGLP-1受容体作動薬とGIP/GLP-1受容体作動薬の糖代謝およびそれ以外の効果について検討していく。
- 糖尿病合併症と血中尿酸値および尿中尿酸排泄率に関する研究
少なくても20年間、HbA1c 9%以上が持続し血糖コントロールが不良であるにも関わらず、糖尿病性網膜症および糖尿病性腎症の発症がみられない症例を経験している。その症例では血中尿酸値が0.9mg/dLと極端に低く、尿中尿酸排泄率も66%と著明高値であった(正常:5.5〜11.1%)。この経験を基に、糖尿病合併症と血中尿酸値および尿中尿酸排泄率との関連について検討していく。
- 高度肥満症患者に関する研究
東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センターと共同で、高度肥満症に対して減量・代謝改善手術を受けた症例で研究を行っている。高度肥満症患者でスリーブ状胃切除術を施行された患者の術前のIQテストと術後12ヶ月の体重減少との関連を検討している。また、減量・代謝改善手術時に採取された脂肪組織を用いて、脂肪細胞機能と高度肥満合併疾患との関連を検討していく。
代表論文
- Ohira M, Kawagoe N, Kameyama C, Kondou Y, Igarashi M, Ueshiba H: Association of serum cortisol with insulin secretion and plasma aldosterone with insulin resistance in untreated type 2 diabetes: a cross-sectional study. Diabetology & Metabolic Syndrome. 17 (1): 144, 2025.
- 鈴木淑能, 吉原彩, 五十嵐まどか, 河越尚幸, 近藤佑子, 山田真奈美, 長田拓哉, 横内幸, 大平征宏, 上芝元: デノスマブ投与により骨腫瘍との鑑別が困難であった原発性副甲状腺機能亢進症の1例. 新薬と臨牀. 73 (10): 1105–1112, 2024.
- Ohira M, Tsuji S, Watanabe Y, Abe K, Yamaoka S, Nakamura S, Oka R, Tanaka S, Kawagoe K, Yamaguchi T, Nagayama D, Tatsuno I, Saiki A: No medication prescription and residential distance from the hospital are important factors associated with nonsurgical weight-loss treatment discontinuance in Japanese patients with high-degree obesity: a retrospective study. BMC health services research. 24 (1): 1078, 2024. 4. Ohira M, Abe K, Yamaguchi T, Onda H, Yamaoka S, Nakamura S, Tanaka S, Watanabe Y, Nabekura T, Oshiro T, Nagayama D, Saiki A, Tatsuno I: Preoperative Plasma Aldosterone Predicts Complete Remission of Type 2 Diabetes after Bariatric Surgery. Obesity Facts. 15 (3): 373–383, 2022.
- Ohira M, Tanaka S, Watanabe Y, Nakamura S, Oka R, Yamaguchi T, Ban N, Saiki A, Ishihara N, Murano T, Murase T, Nakamura T, Tatsuno I: Association of Plasma Xanthine Oxidoreductase with Arterial Stiffness in Type 2 Diabetes with Liver Dysfunction. The American Journal of the Medical Sciences. 363 (3): 242–250, 2022.
- Ohira M, Watanabe Y, Yamaguchi T, Saiki A, Nakamura S, Tanaka S, Shimizu N, Nabekura T, Oshiro T, Tatsuno I: Determinants of type 2 diabetes remission after bariatric surgery in obese Japanese patients: a retrospective cohort study. Diabetology International. 12 (4): 379–388, 2021.
- Ohira M, Watanabe Y, Yamaguchi T, Onda H, Yamaoka S, Abe K, Nakamura S, Tanaka S, Kawagoe N, Nabekura T, Oshiro T, Nagayama D, Tatsuno I, Saiki A: Decreased Triglyceride and Increased Serum Lipoprotein Lipase Levels Are Correlated to Increased High-Density Lipoprotein-Cholesterol Levels after Laparoscopic Sleeve Gastrectomy. Obesity Facts. 14 (6): 633–640, 2021.
- Ohira M, Watanabe Y, Yamaguchi T, Onda H, Yamaoka S, Abe K, Nakamura S, Tanaka S, Kawagoe N, Nabekura T, Saiki A, Oshiro T, Nagayama D, Tatsuno I: The Relationship between Serum Insulin-Like Growth Gactor-1 Levels and Body Composition Changes after Sleeve Gastrectomy. Obesity Facts. 14 (6): 641–649, 2021.
教育の概要
学部
三年次
代謝学総論/各論、内分泌学総論/各論
診断学実習(頭頸部)
四年次
シミュレーション実習
五年次
臨床実習
六年次
4週間の選択実習
代謝学総論/各論、内分泌学総論/各論
診断学実習(頭頸部)
四年次
シミュレーション実習
五年次
臨床実習
六年次
4週間の選択実習
大学院
4年間の大学院の期間に主に臨床研究に携わります。日々の臨床の疑問から研究テーマを考え、データの収集・解析を行いその疑問を解決するように研究を行います。得られた研究結果が糖尿病・代謝・内分泌領域の診療を充実させ、最終的には社会貢献に繫がることを目指します。
診療の概要
当教室では糖尿病、代謝、内分泌疾患を幅広く診療しています。糖尿病診療は1型、2型問わず行っており、通常の薬物治療に加えインスリンポンプ療法も可能です。また、当院では消化器内科・外科による膵臓の治療が多く行われているため、膵性糖尿病の患者が多いのも特徴です。他科入院中の血糖管理依頼にも数多く対応しています。代謝疾患では脂質異常症、高尿酸血症、肥満症などを対象に生活習慣の改善指導や薬物治療を行っています。肥満症に対する減量・代謝改善手術は当院では施行できませんが、東京慈恵会医科大学病院と連携し、手術は慈恵会医科大学病院で、術前・術後の内科的フォローは当院で行っています。内分泌疾患については下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎など多岐にわたる疾患の診療をしており、甲状腺超音波下穿刺吸引細胞診および放射線科強力のもと副腎静脈サンプリングなどの専門的検査も行っています。
その他
社会貢献
当科では糖尿病友の会「清風会」があります。社団法人日本糖尿病協会は1961年にIDF(国際糖尿病連合)の一員として創設され、日本だけにとどまらず世界規模での糖尿病対策も視野に活動をつづけ、2021年には60周年を迎えます。日本糖尿病協会に加入する糖尿病「友の会」は、糖尿病患者さんとその家族、医師、看護師、栄養士、検査部、薬剤部など糖尿病診療に関わる医療スタッフで作られている会です。糖尿病「友の会」は、全国の約1,500の病院や診療所にあります。糖尿病の患者さん、糖尿病に関心のある人、医療関係者など、どなたでも入会することができ、糖尿病の勉強会、食事療法に基づく料理教室、患者さん同士の情報交換会、歩く会などを通じて交流を行います。月刊『糖尿病ライフさかえ』も毎月届きます。
学会活動
当教室は日本内科学会、日本糖尿病学会、日本内分泌学会、日本肥満症学会、日本肥満症治療学会、日本抗加齢学会を中心に活動しています。
主催学会
第15回抗加齢内分泌研究会 日本橋ライフサイエンスハブ 2024年9月1日



