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臨床検査医学講座(大森)

所属教員名

盛田 俊介 / 教 授

運営責任者

講座の概要

臨床検査医学講座がまだ臨床検査医学研究室であり、芳野原先生が前任の教授であった2001年10月、盛田が助教授として赴任。2004年7月には芳野教授の糖尿病代謝内科の教授就任に伴い、臨床検査部部長に、2006年6月には臨床検査医学研究室の教授に就任しました。その後、医学部教育では検体検査と生理機能検査を臨床検査医学として総合的に捉え、問題解決能力を養うことが必要であることを背景に、2019年4月より臨床検査医学研究室と臨床生理機能学研究室を統合し、臨床検査医学講座として医学部教育を実施することとなり現在に至っております。現在、教員は1名でありますが、臨床生理機能検査部副部の永井英成先生、久武真二先生のご協力を得て、医療センター大森病院臨床検査部、臨床生理機能検査部の臨床検査技師とともに医学部教育のみならず、集積される貴重な臨床検体あるいは情報を活用した臨床研究や基礎研究を「BenchからBedsideへ」の理念の下、活発に行っております。

研究の概要

基礎研究

  1. Heme oxygenase に関する研究
    酵素heme oxygenase(HO)は生体内でヘムを代謝する過程で抗酸化作用を有するビリルビンと抗炎症作用を発揮する一酸化炭素を産生する酵素であり、種々の生体に対するストレスでその発現が誘導されます。私たちは、自ら樹立したHO-1過剰発現マウスを利用して、HO-1による心血管病変進展抑制の可能性を検討中です。

  2. 心腎連関に関する研究
    慢性腎臓病(CKD)は心血管疾患(CVD)の独立した危険因子ですが、そのメカニズムには不明な点が多く存在します。当院臨床検査部は、HPLC法により血中尿毒症物質インドキシル硫酸(IS)濃度を測定し、CKD患者における治療効果判定のみならず、血中IS濃度とCKDステージ進行速度ならびに冠動脈疾患発症との関連を明らかにしてきました。私たちは、これら臨床から得られた知見を発想の原点としCKDにおけるCVD発症に対するISの役割の解明に着手し受容体型転写因子である芳香族炭化水素受容体(AhR)が、ISの作用点として血管内皮細胞の障害に関わることをin vitroで明らかにしました。現在、IS-AhR経路遮断による心腎連関抑制を臨床応用に展開するための基盤となる研究を以下の2点を中心に実施しています。
    ①IS-AhR経路の心筋への影響をそのメカニズムとともにヒト心筋細胞を用いて解析する。
    ②AhRのリガンドとして知られているポリフェノール類による作用が、IS-AhR経路の活性
    化によって惹起される心血管系組織の障害を解除できる可能性を明らかにする。


臨床研究

  1. 心腎連関に関する研究
    最近、血中IS濃度が心不全診断の新しいバイオマーカーとなる可能性が示唆されており、血中IS濃度測定の臨床的意義は高まっています。当講座では常時HPLC法による血中IS濃度測定が可能であり、現在、国立循環器病センターとの共同研究として「心不全患者におけるAST-120の心機能改善効果の検討に関する臨床試験」に参加し、ヒト血中IS濃度の測定を行っています。また、当院循環器内科との連携で心不全症例の血中IS測定を行い、心不全症例の予後予測因子としてのISの可能性を検討中です。

  2. 臨床検査に関する研究
    様々な診療科の依頼に基づき、各種疾患の病勢把握あるいは予後予測因子となり得る新たなバイオマーカーの発見に向けて、高度な測定技術を用いて臨床検体中の生理活性物質等の測定法の構築ならびに測定を行っています。

  3. 生理機能検査に関する研究
    「球海綿体反射(BCR)モニタリングにおける刺激部位の検証」、「糖尿病患者における神経障害および左室心筋障害に関する後方視的検討」、「乳房病変における超音波診断装置を用いたStrain Elastography と Shear Wave Elastographyの有用性に関する検討」の各研究が進行しています。


産学連携研究

本学産学連携センターを通じて大田区ならびに富山県の企業と産学連携契約を結び、血管特性測定を目的とした新規ディバイスならびに組織移植医療に資する新規材料の開発応用を担当しております。

代表論文

  1. Fushimi Y, Tatebe J, Okuda Y, Ishii T, Ujiie S, Morita T†. Performance evaluation of an Indoxyl Sulfate Assay Kit "NIPRO".Clin Chem Lab Med. 2019 Jun 7. pii: /j/cclm.ahead-of-print/cclm-2019-0218/cclm-2019-0218.xml. doi: 10.1515/cclm-2019-0218
  2. Koike H, Morita T, Tatebe J, Watanabe I, Koike M, Yao S, Shinohara M, Yuzawa H, Suzuki T, Fujino T, Ikeda T. The relationship between serum indoxyl sulfate and the renal function after catheter ablation of atrial fibrillation in patients with mild renal dysfunction. Heart Vessels. 2018 Nov 8. doi: 10.1007/s00380-018-1288-0.
  3. Takano K, Tatebe J, Washizawa N, Morita T. Curcumin Inhibits Age-Related Vascular Changes in Aged Mice Fed a High-Fat Diet. Nutrients. 2018 Oct 10;10(10). pii: E1476. doi: 10.3390/nu10101476.
  4. Watanabe I, Tatebe J, Fujii T, Noike R, Saito D, Koike H, Yabe T, Okubo R, Nakanishi R, Amano H, Toda M, Ikeda T, Morita T. Prognostic Utility of Indoxyl Sulfate for Patients with Acute Coronary Syndrome. J Atheroscler Thromb. 2018 May 19. doi: 10.5551/jat.44149.
  5. Hara F, Tatebe J, Watanabe I, Yamazaki J, Ikeda T, Morita T. Molecular Hydrogen Alleviates Cellular Senescence in Endothelial Cells. Circ J.80:2037-46, 2016
  6. Koizumi M, Tatebe J, Watanabe I, Yamazaki J, Ikeda T, Morita T. Aryl hydrocarbon receptor mediates indoxyl sulfate-induced cellular senescence in human umbilical vein endothelial cells. J Atheroscler Thromb. 21: 904-16, 2014
  7. Namba S, Okuda Y, Sano M, Kojima T, Morimoto A, Watanabe I, Morita T. Indoxyl sulfate is an independent risk factor for coronary heart disease in patients with chronic kidney disease. Int J Anal Bio-Sci 2: 52-57, 2014
  8. Watanabe I, Koizumi M, Tatebe J, Ikeda T, Morita T. Vascular Senescence in Chronic kidney Disease; Association of Aryl Hydrocarbon Receptor Activated by Indoxyl Sulfate. Receptors & Clinical Investigation 1:258-263, 2014
  9. Watanabe I, Tatebe J, Namba S, Koizumi M, Yamazaki J, Morita T.Activation of aryl hydrocarbon receptor mediates indoxyl sulfate-induced monocyte chemoattractant protein-1 expression in human umbilical vein endothelial cells. Circ J. 77:224-30, 2013
  10. Tatebe J, Morita T. Enhancement of TNF-α expression and inhibition of glucose uptake by nicotine in the presence of a free fatty acid in C2C12 skeletal myocytes. Horm Metab Res. 43:11-16, 2011

教育の概要

学部

領域:臨床医学入門
サブ領域:医学総論、ユニット:臨床検査・生理機能検査演習
(対象学年 2年、授業期間 2期 ユニット時限数 15、分類 演習)
本科目においては、臨床検査・生理機能検査に関する基礎的知識から人体の構造・機能を学ぶとともに、全体演習ではRCPC形式に基づいた症例提示により、質疑応答を通して医学を横断的に理解する能力を習得することを目的とします。
また、臨床検査部、臨床生理機能検査部ならびに輸血部と連携し全員参加型のグループ演習を行い、医師に必要な検査手技の基本を習得するとともに、チーム医療の一員としての自覚を芽生えさせることを学修目標とします。

領域:臨床医学8
サブ領域:臨床医学8、ユニット:臨床検査・生理機能検査実習/シミュレーション実習
(対象学年 4年、授業期間 1,2期 ユニット時限数 60(9)、分類 実習)
臨床実習を目前に控え、検査から臨床へ繋がる実際的能動的アプローチの仕方とその能力を習得することを目的とします。

大学院

医科学専攻修士課程
共通選択 臨床検査医学特論(2単位)
専攻科目 代謝機能制御系 臨床検査医学(演習4単位、実習12単位)

医学専攻博士課程
共通必修 実験医学入門コース(1単位)(分担)
     研究者養成コース(2単位)(分担)
共通選択 病態機構コース(1単位)(分担)
専攻科目 代謝機能制御系 臨床検査医学 臨床検査医学特論Ⅰ・Ⅱ(4単位)、演習(12単位)、実習(4単位)
専攻科目 代謝機能制御系 臨床検査医学(non MD course)臨床検査医学特論Ⅰ・Ⅱ(4単位)、演習(12単位)、実習(4単位)

診療の概要

盛田は医療センター大森病院臨床検査部・臨床生理機能検査部部長として、診療に関与しています。
臨床検査部では生化学検査、血算、凝固・線溶系検査、免疫検査、尿一般検査、微生物検査などの検体検査を、365日24時間対応の検査体制で正確且つ速やかに報告しています。外来受診に際しては診療前検査を実施し、診察時には必要な検査結果が揃っているように迅速報告を行っています。先進医療実践への支援として積極的に最新の検査方法(項目)の導入を図ると共に、日々の測定精度の維持・管理に努め、正確性保証のため年2回(日本医師会・日本臨床衛生検査技師会主催)の外部精度管理調査に参加しています。
臨床生理機能検査部では、生理機能検査全般を行っていますが、特に、超音波検査は最新の診断装置を用いて内容・質ともに充実しています。日本超音波医学会認定・超音波検査士(現在16名)を中心に、頸動脈・甲状腺・乳腺・心臓・腹部・下肢血管などハイレベルな内容で毎日検査を行っています。
臨床検査部ならびに臨床生理機能検査部では、「日本臨床検査医学会 認定研修施設」に指定されているとともに、一層の検査精度と技術力の保証によってさらに質の高い臨床検査サービスを患者と診療各科に提供する為に、2017年3月16日付で国際標準化機構によるISO 15189「臨床検査室-品質と能力に関する特定要求事項」の認定を取得しています。

その他

社会貢献

「多摩川検査研究会」の開催
最新の臨床検査の動向に基づく臨床検査技師の学術技能の研鑽を行うとともに、日常遭遇する異常検査データの解釈、原因追及方法の習得等を実践する機会を提供することで地域医療に貢献することを目的として、大田区、川崎市川崎区を中心として臨床検査に従事する方々を対象とした臨床検査研究会を年4回開催しています。

「検査と健康展」への参加
国民の皆様に生活習慣病やガンの早期発見のために定期的な健康診断の重要性を啓発するとともに、臨床検査についての理解を深めていただくことを目的として、毎年開催されている「検査と健康展」に参加しています。

「コラム」の掲載
臨床検査技師が交代で大森病院臨床検査部のホームページに検査にまつわるいろいろな話題を一般向けにわかりやすく解説し掲載しています。

「福島県県民健康調査」甲状腺検査への協力
被災地の子供たちの健康を長期に見守るための重要な検査と位置づけられており、福島県内において超音波検査機器を用いた甲状腺の検査に技師を派遣しています。

学会活動

学会発表
検査関連では日本臨床検査医学会、日本臨床検査自動化学会、日本医学検査学会、日本超音波検査学会など、研究関連では日本循環器学会、日本抗加齢学会、日本本乳腺甲状腺超音波医学会学術集会、日本睡眠学会などの学会に参加し研究成果の発表を行っています。

評議員等(盛田俊介)
日本臨床検査医学会、日本臨床検査自動化学会、日本高血圧学会、日本動脈硬化学会、日本抗加齢学会の評議員として活動しています。

指導医・専門医等(盛田俊介)
日本内科学会(総合内科専門医)、日本臨床検査医学会(専門医・管理医)、日本高血圧学会(専門医・指導医)、日本動脈硬化学会(専門医・指導医)、日本抗加齢学会(専門医)、日本循環器学会(専門医)ならびに臨床修練指導医として活動しています。
お問い合わせ先

東邦大学 医学部

〒143-8540
東京都大田区大森西 5-21-16
TEL:03-3762-4151