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日本での研究報告【薬学部公衆衛生学教室 郭萍】

     郭 萍 先生

研究期間: 2019年4月~2021年3月まで

【東邦大学に来たきっかけを教えてください】
東邦大学と瀋陽薬科大学が協定校として長く交流をしていることをきっかけに、瀋陽薬科大学薬学部で教員をしている私が、今回は、博士研究員として東邦大学薬学部の公衆衛生学教室・根本清光教授の研究室に参りました。

【日本での研究内容と成果についてご紹介ください】
博士研究員として「認知症改善・予防の標的となる細胞内因子の探索」のテーマで研究に従事しました。実際には、将来このテーマ遂行に役に立つ基本的な実験手技を学びました。いずれの手技も、これまで生物系領域以外の研究に従事していたため全てが新鮮でありましたが、経験がなかったので習得するのにとても時間がかかってしまいました。株化培養細胞の培養、マウス胎仔大脳皮質からの神経細胞の初代培養化、それらの細胞について種々タンパク質の抗体を用いて蛍光細胞免疫染色法によるそれらタンパク質の発現、局在の観察、また、アミロイドβ遺伝子を改変したアルツハイマー型認知症のモデルマウスの交配、繁殖、維持、それらマウスの種々月齢の脳についてスライサーという装置を用いた薄切切片化といった技術を学ぶことができました。コロナ禍の影響もあり新知見を得ることはなかなかできませんでしたが、植物由来成分を培養細胞に処理することで、数種の神経細胞の機能発現に関わるタンパク質の特徴的な発現変化、局在変化を見いだすことができました。また、私が作成した脳組織の薄切切片は凍結保存されています。博士研究員として在籍した期間で得た知見や材料は、今後、公衆衛生学教室の研究遂行により、さらに意義深いものに発展されることを期待いたします。
二年間で得た手法、知識、考え方は、これからの私の研究に大いに役立つものと考えます。特に、「認知症改善・予防に貢献する天然化学物質の同定」に生かしていきたいと思っております。

【日本と中国の研究ではどのような相違点がありましたか?】
日本は研究レベルが高く、毎年のようにノーベル賞受賞者を輩出しています。今回、東邦大学で研究を行うことにより、日本と中国の相違点と中国が学ぶべき点を見出すことができました。
まず、日本は中国に比べて標準化を重んじ、研究の細部にまでそれが行き渡っていると思いました。例えば、全ての実験操作について非常に詳しいプロトコルを作成します。また、実験が終了した直後に、操作を行った人や時間、実験のデータベースなどを決められたコンピューターに記録します。このように細部まで記録することによって、研究中問題があった場合でも、何が問題かをすぐに判明することができます。
次に日本の大学の研究環境は中国の一般的な大学より整っていると感じました。各教室に共同利用設備が完備されており、動物センターなどの管理制度もきちんとされています。
最後に、日本で行っている動物慰霊会や実験で排出されるごみに対する厳しい分類なども中国が学ぶべき点だと思いました。

【日本の生活の印象は?】
日本は清潔で、快適で暮らしやすい国だと思いました。
きれいな青空や、ごみがひとつも落ちていないことにも驚きました。日本の生活はとても便利で、スーパーやコンビニなどで、食べ物から生活用品、衣類などすべてが揃います。また、電車やバスなどの公共交通が発達しているため、どこへでも簡単に行くことができます。
また、日本人は礼儀を重んじ、外国人に対してとても友好的だと思いました。マナーも素晴らしく、ゴミの分類を厳しく守り、朝夕の犬の散歩では必ず犬の糞を持ち帰ります。
イベントやお祭りなどがたくさん催され生活が多彩です。夏になると、花火大会が多く開催され、夏の楽しみの一つでした。
この二年間の日本での生活で多くの思い出ができ、またとても貴重な経験を得ました。機会があればぜひもう一度日本へ行きたいと思っております。

【今後の研究について抱負をお願いします】
二年間で得た手法、知識、考え方は、これからの私の研究に大いに役立つものと考えます。中国へ帰っても、天然物資源から認知症改善を有する植物成分に関する研究を続けたいと思います。日本で得た研究経験を未来の「認知症改善・予防に貢献する天然化学物質の同定」の研究に生かしていきたいと思います。

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