公開講座「お口のケアを科学する」を開催いたしました

3月22日(土)「お口のケアを科学する」をテーマに第8回 東邦大学健康科学部公開講座を開催いたしました。
講師は、トランスレーショナル看護領域 日高紀久江教授です。
日高教授のご専門はリハビリテーション看護であり、意識障害、一般的に「植物状態」と言われる方々の意識回復やコミュニケーション方法、家族への支援、そして再び口から食べられるようになるために、摂食嚥下に関する看護の方法について研究されています。

会場の受付では、ピンク色のポロシャツを着た災害支援学生ボランティアの学生さんたちがにこやかにお出迎えします。
会場いっぱいに地域の方々にお集まりいただき、いよいよ公開講座のスタートです。
健康科学部長 尾立篤子教授による開会のご挨拶です。
尾立教授は、9月に開催いたしました公開講座「災害時の健康リスクを科学する」にて、災害発生後、避難所での生活で生じやすい9つの健康リスクについて講演いたしました。
講演1「全身の健康を維持するための口づくり」

日高教授は、ご自宅で介護をしていたお父様にとって「口から食べる」ということが、人生の最期の時間を支える大きな「生きる力」になったことをお話しくださいました。
そして、最近注目されている「オーラルフレイル(口のまわりの軽微な衰え)」についてご紹介いただきました。
「オーラルフレイル」は、全身のフレイル(加齢により心身が老い衰えた状態)につながり、要介護状態や全身状態の悪化といった不幸な転機に陥りやすいこと、
また、この悪循環が始まらないように、オーラルフレイルを予防するお口づくりが大切であることについて学びました。
普段は、あまりお口の機能に着目する機会も少ないと思います。
参加者の方々も、普段のご自身やご家族の方のお口の機能について考えながら、大変熱心に聞いておられました。
講演が終わり、休憩時間です。
休憩:避難所体操のご紹介

今回の休憩時間には、災害支援学生ボランティアによる避難所体操をご紹介しました。
災害が発生し、避難所での生活が始まると、筋力が低下したり、エコノミークラス症候群になったり、精神的なストレスを感じたり、様々な健康問題が生じることが分かっています。
そこで、災害学生ボランティアでは、避難所での健康維持のために避難所体操を考案しました。
なんと、体操と歌詞だけでなく、伴奏まですべてオリジナルの体操です。
千葉県の特産品がたくさん登場する、耳に残る楽しいメロディーで、よい休憩のひとときとなりました。
講演2「食べる力は生きる力!楽しく始めようお口の体操1・2・3」

肩→首→口→頬→舌とストレッチをしたり、意識的に動かす動作をしていきます。
その後、唾液の分泌を促進するマッサージ、早口言葉で滑舌を鍛えるトレーニング、パ・タ・カ・ラのように一音ずつ発音したり、「パパパ・・・、タタタ・・・」と連続して発音したりする体操に挑戦してみました。
普段あまり意識して動かすことのないお口周りの筋肉をたくさん使い、心地よい疲れを感じました。
公開講座終了後、運営に携わった学生と教員で記念撮影をしました。
5学部合同学術集会に参加していた、災害学生ボランティアOBの2名も写真撮影に飛び入り参加しています✨

9月の公開講座に続き、多くの方々にご参加いただいた公開講座でした!
本学部では、毎年一般の方に向けて公開講座を開催しております。
次回は夏の開催を予定しております。
皆さまにご興味を持っていただけるようなテーマをコミュニティヘルス看護領域で準備中ですので、奮ってご参加ください。
健康科学部一同、お待ちしております。