【展示こぼれ話②】—意外と難題!? 学校生活
2026年04月30日
開催中の企画展「厳粛にそして朗らかに—帝国女子医学薬学専門学校の学校生活」は5月1日(金)をもって終了いたします。ご観覧いただいた多くの方々、また開催にご協力いただいた皆さまにこの場を借りて改めて厚く御礼申し上げます。
今回の企画展では、「学校生活」と題し、1930年代中頃を中心に、専門学校時代の生徒達がどんな生活を送っていたのかについて、卒業後の人生への展望も交えつつ、正面から取り上げることを試みました。
調査に取り掛かって気づいたのですが、これは実は大変難しいテーマでした。
というのも、資料があまり残っていないのです。
よく考えてみれば、生徒達の生活にまつわるようなもの、例えば授業のノートや、生徒手帳、課外活動による派生物といったものは、生徒たちの「私物」に相当します。
それぞれの生徒が卒業とともに持ち帰り、いきおい学校には残らないことが多いのでしょう。
そのためそうした資料は、基本的にはご厚意により寄贈いただいて初めて資料室の所蔵品となります。
今回の企画展の準備では、数少ないそうした寄贈資料群を集中的に調査しつつ、一方で断片的な情報をあちこちからかき集めて収集する形をとることとなりました。
たとえば習志野出張展示では運動会の応援歌を記したメモを展示しました。
これは上記のような寄贈資料のうち、教科書と思われる書籍に挟まれていたものです。
歌詞のような文章が記された手書きのメモなのですが、タイトルや注記が無く、何の歌詞を記したものか直接伺い知る方法がありません。
一方、「医学科二年」を応援する内容だということは文面から判ります。
スタッフが「これは運動会の応援歌に違いない」とピンと来たのは、専門学校時代の学校雑誌の記事に、各学科とも1学年全体で1クラスを形成しているという旨の記載があったことや、卒業生の回想に、運動会で特製の応援歌を歌ったというような思い出が記されていたことなどを思い出したからです。
なるほどこれは運動会の、クラス対抗戦で使用する応援歌であろうと判断した訳です。
こんな風にこまごました情報を集積してゆくと、時折ふいに点と点がつながる瞬間があったり、一見何気ないメモ書きのように見えたものにも次第に意外な面白さや背景の広がりを見出せるようになったりするのが、資料が少ないテーマに挑戦する楽しさの一つでもあります。
企画展は終了となりますが、今後も調査を続けてゆきたいと思います。
冒頭の画像は医学科1937年の卒業アルバムから。
運動会の応援風景を写したものです。前に立っている数名が音頭を取っているものと思われます。
生徒達の弾けるような笑顔が印象的ですね。いつの時代にも盛り上げ上手は存在するようです。
投稿者:スタッフ
カテゴリー:資料について

