薬学科19回生、終戦の日の入学式

今年で終戦から75年が経過します。15日まではまだ2日ほどありますが、今日は終戦の日に関連する資料をご紹介します。

2013年、帝国女子医学専門学校の薬学科19回生は
『終戦の日に入学し昭和23年に卒業した帝国女子薬専19回生 65年の思い出集』
という文集を作成しました。

この手作りの文集には、入学当時の思い出やそれぞれの近影が綴られています。文集のタイトルにもあるように、薬学科19回生は「終戦の日に入学」した学年でした。

本来であれば例年通り入学式は4月に行われる予定でしたが、4月15日の大森・蒲田周辺への空襲によって学校は甚大な被害を受けたため、入学式は延期となりました。後日、入学式は学徒動員先への入所式と同時に行われることが決まったため、薬学科19回生の入学式は、8月15日に横須賀の砲兵庁内の大日本兵器で行われることになりました。(当時、学徒動員先は学科ごとに分かれており、入所日もそれぞれ異なっていたようです。)

8月15日、薬学科新入生が120名ほど横須賀に集まっていました。当日は13時より入学式が予定されていましたが、正午に大切な放送があるので全員集合するようにという伝令がきたといいます。

この玉音放送の1時間後、どうにか入学式は実施されたものの、兵器工場での動員はなくなり、新入生は学校から連絡が来るまで自宅待機となりました。そのため、全国各地から集まってきた新入生は、実家へ帰るために急いで荷物をまとめて電車に乗り込んだといいます。

誰もが「終戦の日」として記憶している8月15日は、薬学科19回生にとって忘れられない入学式の日となりました。

※この資料は個人情報が多く記載されているため、閲覧はご遠慮いただいております。

投稿者:スタッフ

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