額田豊と糖尿病

本日、11月14日は「世界糖尿病デー」です。
インスリンを発見したカナダのバンティング博士の誕生日であるこの日を糖尿病デーとして顕彰しているそうです。

本学創立者の額田豊も、糖尿病に関心を向けていた一人でした。

ドイツ留学を終えて帰国した後、1910年代から学術誌だけでなく新聞や大衆向けの雑誌などで食事と栄養をテーマとした文章を多く発表しています。1912年には著書『糖尿病と其養生法』も出版しました。

豊は当時どのようなことを書いていたのか、分かりやすい例として1913(大正2)年2月の『婦人画報』に掲載された「家庭に於ける粗食と美食」の一文を紹介します。

「元来素人は肉類や卵や牛乳にのみ滋養分が含まれて居るので「なつぱ」などには何等役に立つような営養分は一つもないと考えているらしいのですが、これは大なる誤解で決してそうではありません。」(原文ママ)

肉や卵など滋養があるものだけを食べることは美食といわず、様々な食べ物を口にすることこそが健康的な生活につながると主張しています。

また日頃から豊は、運動をして規則正しい生活を送り身体を「鍛錬」することが大切であると周囲に説いていました。幼少期に身体が弱かったという弟の晉も、豊の言う通りにしたことで健康になったといいます。そしてなにより豊自身がこの生活を実践して長寿を得ました。(豊は1972年に94歳で亡くなりました。大変説得力があります。)

「世界糖尿病デー」ということで、今日は額田豊と糖尿病の関わりについて少しだけ紹介しました。糖尿病に限らず、健康的な生活を送るために規則正しい生活とバランスの良い食事は大切にしたいですね。

※画像は1913年の額田豊(左)と額田晉(右)を写したものです。

投稿者:スタッフ

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