額田晉の人物像—卒業生の回想記より

街中では笹の葉がさらさらし始めました。もう七夕の時期ですね。
まだ梅雨が明けたとは思えないような空模様が続いていますが
資料室はお天気に関係なく、本日も開室しております。

今回は、1972年に出版された『額田晉 自然・生命・人間』より
額田晉先生の人物像について、ほんの一部ですがご紹介します。
(この資料は医学メディアセンターの所蔵です)

この本の前半には額田家の家系や先生の著作について紹介され、
後半部分には、額田晉先生の同窓生や帝国女子医学専門学校の卒業生ら
55人による回想記が収録されています。
写真でしか先生の顔を見たことのないスタッフですが、
ページを捲るたびに先生の表情や話す様子が頭の中に浮かんできます。

卒業生の書いた回想記のなかには、
125歳まで長生きすると言って健康に注意していた先生の姿や
入学試験の口頭試問で先生のやわらかい表情を見て緊張がとれた話、
講義をサボったのが見つかっても叱られるどころか心配されたこと、
先生と学生たちで夏ミカンを持って多摩川べりでハイキングしたこと…。
さまざまな思い出が語られています。

学生想いだった額田晉先生の姿だけでなく、
学生からも大変慕われていたことが伝わってきます。
また同時に、東邦大学の歴史は先生方と学生たちがともに
つくり上げてきたということを、この資料から実感させられます。

資料室には額田兄弟について紹介しているコーナーもございます。
豊先生、晉先生の著書や、生前使用していた聴診器などを展示していますので
皆さま、ぜひ一度足をお運びください。


参考文献
世界観研究会編『額田晉 自然・生命・人間』西川書店, 1972年.

投稿者:スタッフ

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