ある日のキャンパスでの光景
2017年08月03日今回は資料室がある東邦大学大森キャンパスのとある日の光景を紹介させていただきたく思います。
資料室がある本館すぐそばには、動物慰霊碑がございます。
慰霊碑のすぐそばにある案内には以下のように記載されています。
「 この碑は昭和6年頃、医学部の実験小動物に関係のある微生物、病理学、解剖学、外科学などの教室が拠出しあって、大学が建立したものである。
Ruhe mit Stein! “ 静かに石と共に眠れ ! ” の文字は当時のドイツ語教授稲坂秀松先生の筆になるものです。
東邦大学学園だより 第49号(S.51.12.15)より 」
先週のとある日にいつも通り、慰霊碑のそばを通りかかったところ、立派で美しい
花々が手向けられておりました。
学問の発展のために払われた犠牲を悼む心は今も昔も変わりません。
今日の医学があるのも動物たちや先人たちのおかげであるということを思い起こさせてくれる場所であるといえます。感謝の言葉しかありません。
資料室ではこの碑が設置されたと推測される年代とほぼ同年代である昭和9年の入学案内(本学の前身である帝国女子医学薬学専門学校)が現在展示されており、碑の銘文を書いた稲坂秀松の名もドイツ語教員の一人として確認することが出来ます。入学案内の名前を見ただけでは彼がどんな人物であったか、職業であるドイツ語教員であることしかわかりませんが、この動物慰霊碑の銘文を見るとどんな人物であったかほんの少しですが垣間見れる気がしますね。
(個人的には穏やかで、教養が高く、かつ慈悲深い方だったのではという気がします。)
今回紹介させていただいた動物慰霊碑は、先人たちの努力・尽力により今も受け継がれている本館や資料室の資料群にも負けず劣らず、本学の歴史を伝える資料であるといえるでしょう。
ぜひ次回資料室にお越しの際は、本館すぐそばの動物慰霊碑にもお気を留めていただければ幸いです。
暑さ厳しき折柄、本学や本資料室にご来校・ご来室の際はお気をつけてお越しください。
投稿者:スタッフ
カテゴリー:資料室近状