医家の風貌

先日東京駅すぐそばにあるIMT(インターメディアテク、日本郵便と東京大学総合研究博物館が協働で運営を行う公共施設のこと)を見学させていただき、資料室の職員として興味深い特別展示がございましたので、本日はそちらを紹介させていただきます。

その特別展示のタイトルはずばり「医家の風貌」です。
医家の風貌・・・今までありそうでなかったテーマの展示となっておりました。
医学の歴史や医師個人の業績を伝える展示はこれまでたくさんの場所で企画・開催されてきたことと思いますが、医師の風貌に特化した展示はおそらくこれが初めての試みだと思います。
なんとも目の付け所がシャープだなぁと筆者は感心しました。
さて肝心の展示内容はというと東京大学医学部附属病院から、東京大学総合研究博物館に移管された肖像画や肖像彫刻の一部を紹介するものです。
そのため医学の専門的な知識などは不要で、誰でも気軽に見れる展示となっておりました。

本学の創立者である額田兄弟と同世代の医師の肖像も展示されており、同じ東京帝国大医学科出身である創立者兄弟と直接知り合いであった可能性は高いと考えられ、そういった観点からも非常に興味深い展示でありました。
(もし調査を進めれば額田兄弟の新たな交友関係を知ることににつながるかもしれませんね。いつかきちんと調べてみたいものです。)
同じ職業であるせいか、額田兄弟と雰囲気が非常によく似た肖像にも出会えました。(個人的には弟の晉によく似た肖像があったと思いました。ぜひみなさまの目でも確かめていただきたく思います。)
やはり職業や環境によって人相に特徴が表れるのでしょうか?
人相学というとなんだか現在では占いの一種でうさんくさいものの象徴としてみられがちですが、かつては学問として真剣に研究された時期もあったようです。
(万能の天才と呼ばれるあのレオナルド・ダ・ヴィンチも人相学を研究していたとのこと。)

IMTは他にもさまざまなテーマ展示がされており、無料にもかかわらず本当に楽しい施設となっています。長時間滞在することも可能なボリュームがあり、訪れれば新たな発見が必ずあることと思います。
「医家の肖像」以外の展示でも、本資料室関連では戦後まもなくの昭和21年発行の地図に小さいですがかつての「女子医専」の記載を見つけることができました。(帝国がついてなかったのは戦後発行のためでしょうか、それとも純粋にスペースの都合上省略されていたのか興味深いかったです。)
本資料室でも、いつかみなさまの知的好奇心に刺激を与えられるような展示を行ってみたいものです。

注記:IMTは撮影禁止となっております。そのため写真等を用いた紹介はこの記事ではできませんでした。ご了承ください。

投稿者:スタッフ

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