額田晉著『自然・生命・人間』より
2017年06月29日今回は学祖の一人である額田晉が残した言葉を紹介させていただきたく思います。
—もしも自分は不幸な境遇なのだ
生まれて来ない方がよかったと考える者があるならば
それは小さな自分というものにとらわれているのである—
—人生にはたしかに耐えがたい苦しみも不幸もある
しかし いつまでもその為に悩んでいてはいけない
少しでも勇気が出てきたら 心の寂しさに打勝って
さらに前進をつづけねばならぬ—
—健康な身体に
健全な精神の宿るよう
普段の生活に注意しよう—
(額田晉『自然・生命・人間』より抜粋)
「思うまま」というタイトルが付けられた章内で述べられた言葉です。
個人的な感想としては、先日残念ながら若くして逝かれた小林麻央さんの生き方となんだか重なってしまいました。(筆者は麻央さんと同世代のため、今回の訃報はすごく身近に感じられてならないのです。)
がんであることを世間に隠すことなく、その境地をブログでつづった麻央さんは私たちに通常の暮らしが送れることへの感謝の念を教えて下さいましたね。また自らの境遇にただ悲観するだけでなく常に前に進もうとされる姿は、さまざまな境遇のたくさんの人に勇気を与えて下さいました。
先生の残された珠玉の言葉は、筆者にとっては麻央さんの訃報を受けたあとに聞くとますます実感のわくものに感じられました。
「医師」として「研究者」として、そして「教育者」として(プライベートでは「息子」として「弟」として、そして「父」として)、長年さまざまな死と生をみつめてきたからこそ紡ぎだせた言葉であるといえるでしょう。
本学のホームページでもこれらの言葉を紹介しています。
ぜひご覧ください。
(WEB版自然・生命・人間 https://www.toho-u.ac.jp/corporation/policy/web_spirit.html)
投稿者:スタッフ
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