東邦大学新聞

「東邦大学新聞」は、卒業生や在学生、関係者に向けて昭和26年に発刊されました。
昭和25年に大学へ昇格を果たし、1年後に発刊されたこの資料には、戦後の復興の様子が掲載されています。

第1号には、病院復興の様子や大学昇格を機になされた男女共学への移行についてなどが掲載されています。
1ページ目に掲載されている「創立二十六周年記念日に当りて」という豊先生の記事を紹介します。


「わが学園は御承知の通り、殆んど全滅に近い大戦禍を被った、その復興さえ大変なことであるのに加えて学制改革の為めにその基準たる施設を整えなければならないので終始資金の調達確保なぞに日夜苦慮しながらも兎に角今や復興も比較的順調に進捗しつつあり学制の画期的大変革に処しても三学部から成るわが邦只一つの自然科学の総合大学となったことは、諸君と共に喜びに堪えない次第であるが然しわが学園が建学の精神に副う様な真の立派な特徴のある大学として広く世に認められる様になる為めには今後一層堅い決意を以て互に励み励まされつつ一致努力して棘の道を切り拓くことの決心が特に期待されるである。
 斯くの如く、わが学園もわが国家と同様に前途に幾多の困難が横たわっていることをわれわれは予めよく覚悟して、徒に手を拱くことなく互に手を携えて栄光の天を望みつつ懸命の努力を捧げて粉骨砕身致さなければならないと思う。
 この記念すべき日に当って御一同の健在を祈って止みません。」

学校・病院の復興、また専門学校から大学への昇格など、戦後の混乱の中で本学の教育を絶やさないように、またより良いものへと尽力した、当時の教職員や在学生・卒業生などによって、現在へと「東邦大学」が続いているのですね。

投稿者:スタッフ

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