夏休みの見学

帝国女子医学薬学専門学校時代、学生たちは夏休みにいろいろな病院へ見学に訪れていました。
だいたい1ヶ月ほどの見学では、診療や病棟、手術などを見せていただいていたようです。
多くの学生が多くの病院でお世話になっていたので、それに対する評判もさまざまあったようです。
昭和14年の11・12月に発行された「高峯」には、諸項目について受け入れ先の病院に問い合わせをした回答が掲載されています。
帝国女子医薬専の学生は、どのような学生だったのでしょうか?
いくつかの回答をご紹介します。


・見学生の行儀作法は如何でしたか

 医学生としてでなくても、一個の女性として見ても何処にでも通用し得る態度でした
 市井の婦女子に似てよく喋られますな 

・見学生の欠点は

 見学に尚一層熱心なることを望む
 当方の器物に対して、もっと責任を持っていただきたい

・見学生の学識は

 女子医専の生徒としては普通程度と思はれる
 他の学校生徒に比し、上の部に属するも、今一息の向上が希望されます

・見学生に関心された事がありますか

 面倒な仕事も面白くない仕事も中々熱心にやってくれました
 時に非常に信頼して任し切れる人がいました
 自分から進んで種々の質問を発し、知識欲旺盛な事


知識欲があって熱心に取り組む一方、おしゃべりに熱中してしまったりと、良いところも悪いところもさまざまあったようですね。
良いところは見習い、悪いところは直していこうと、大事な見学の機会を今後もお願いできるようにと掲載されたものですが、当時の学生の様子がわかる、興味深い記事です。

投稿者:スタッフ

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