卒業生の活躍

本学が開校してから来年で90年、多くの学生が巣立っていきました。
卒業生たちは多方面で活躍しています。

その中でも今回は、北洋船団初の女性船医となった「田村京子」さんをご紹介します。

東邦大学医学部を卒業後、麻酔科学教室に入局して働いていた1982年に、
北洋船団の船医として、約2ヶ月半の航海をする船に乗り込みました。
その体験を、本学の学園紙『学園だより』に
「“北洋船団”初の女性船医体験記」というタイトルで3回にわたって、紹介しています。

当時の船医は当たり前に男性であったため、
船団の親会社は、<しかたなく>女性医師を採用したこと、
1000人余りの船員を1人の医者と1人の医務助手の2人で診察しなければならないこと、
診療時間は関係無く、まる一日救急病院で働いているようだったこと、

上記のような職場を経験して、

出港以来、どこの港にも寄らず、陸影すたも見ず、
来る日も来る日もどんより曇った海の上ばかりの
北洋サケ・マス事業の“事業船”での海上医療の
特殊性と重要性を身をもって体験した私は、
このような“限界の世界”とも思える厳しい漁場で
活躍している人々のことを想う時、きびしいきびしいとはいえ、
昨今の恵まれた(?)陸での医師としての“在り方”に
強い疑問と深い反省の念を禁ずることができなかった。


と述べています。

慣れた職場を離れての勤務は、大変だったと思いますが、
その分、得られたものも大きかったようです。

投稿者:スタッフ

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