夏休み
2014年08月28日学生の中には、夏休みが終った方もまだまだ続くという方もいると思いますが、
充実した夏休みが過せましたか?
また学生時代、どんな夏休みを過していましたか?
本学の前身である帝国女子医薬専時代の昭和10年に発行された
『帝国女子医学薬学専門学校一覧 創立十周年記念』
によると、当時の夏休みは約2ヶ月間ありました。
この休暇の過し方は、さまざまだたようです。
医学科と薬学科3年生の幼馴染2人
2人は帰郷途中の汽車の中で、疫痢と疑われる5歳くらいの男の子に遇いました。その際に、何もしないよりは良いだろうということで、処置を行うことにしました。
この夏休中にはこんなことも度々あろうかと、しこたま用意して来たお手のものゝ薬箱を開いて、早速ヒマシ油をのませ、出発前念のため先生や最上級生から詳しく聞いておいた疫痢の治療法を念に念を入れてし始めました。
・・・取り敢えずの処置をした上で、車掌さんい連絡して、しかじかかくかくと事情を話し、車中に医者がいたら探して欲しいと、私達から頼みました。
小一時間も経って、丁度うまく下剤がきいた直後に、二等寝台に寝ていたと云う頭髪の半白の堂々たる紳士を連れて来ました。九州の某県立病院の院長で外科専門の方だそうですが、病人を一寸のぞき込んだあとで、両親や私達の話を聞いていましたが、
「このお嬢さん達の処置で完璧です。なにもう大丈夫ですよ、これで結構々々」
大きくうなずきながら、帰って行きました。
それでも私達二人は、その夜まんじりともしないでつききりました。
医学科4年生
帝大見学
・・・毎日午前中は先生方の御回診のお供、午後は予診室、治療室、レントゲン室、研究室等で諸先生から色々親切な説明していただいたり実地練習させていただいたりした。
済生会見学
・・・先生も多いがKrankeも実に多い・・・Anamnese(病歴)は殆ど見学生でとるのである・・・五時頃には最早踵がヅキヅキし出し意気地んさにつくづく情けなくなるほ程である。
薬学科4年生
7月27日~8月8日までちょうど二週間、秋葉原にある内務省衛生試験所内薬剤部に見学した。
薬剤部とは一日に云へば薬品鑑定をなす実習部で普通薬品鑑定室と麻薬鑑定室とに分れて居る。薬品はいづれも皆依頼試験である。
・・・試験は学校でする薬局の実習とだいたいに於て同様である。唯其の精密さに於て非常なる相違がある。
・・・試験所見学は二週間にすぎなかったが非常に勉強になってよかったと思う。
帰郷途中に病人を診ることになった学生、
帰郷してから住民の病気の相談に乗った学生、
地元の植物採取を行った学生、
いろんな施設に見学に行った学生、
など、勉強をしていた学生も多くいたようです。
回想録などによると、夏休みということで、みんなウキウキした様子で帰郷するのですが、
医学生・薬学生という意識は離れることなく、それぞれの夏休みを過していたようです。
♪帰郷するための準備中♪
投稿者:スタッフ
カテゴリー:資料室近状