2014年度物理学科コロキウム(2014年12月17日)
日時
2014年12月17日(水)15:00 - 16:00
場所
理学部5号館 2階 5207
講師
福田 努 氏 (東邦大学理学部 基礎物理学教室)
開催内容
J-PARCでの原子核乾板を用いた新しいニュートリノ実験計画
私はこれまで原子核乾板を主検出器とした長基線ニュートリノ振動実験OPERAを推進してきた。OPERA実験では現在までに4例のタウニュートリノ出現候補事象を検出し、99.999%の信頼度でニュートリノ振動現象の存在を明快に実証した。近年のニュートリノ研究ではOPERA実験の成果を含め、T2K実験による電子ニュートリノ出現の発見や原子炉実験による最後の混合角θ13の発見と高精度測定によって、3世代のニュートリノ振動についての理解が急速に進んでおり、今後はその精密測定によるレプトンセクターのCP対称性の破れの探索に向けた新たな段階に入ってゆく。また、一方で標準的なニュートリノ混合の枠組みから外れたステライル(不活性)ニュートリノの存在を示唆する実験報告が相次いでおり、その検証は喫緊の課題となっている。 我々は、これらの研究課題に向けて原子核乾板を用いた新たなニュートリノ実験計画を立案し、本年11月からJ-PARCにてテスト実験を開始した(J-PARC T60実験)。本講演ではOPERA実験の最新結果を報告するとともに新しい実験計画の詳細について紹介したい。
他学部、他学科の教員、学生のみなさんの聴講も大歓迎です。
お問い合わせ先は物理学科コロキウム係:大江純一郎 junichirou.ohe(atmark)sci.toho-u.ac.jp (atmark)は@です。
他学部、他学科の教員、学生のみなさんの聴講も大歓迎です。
お問い合わせ先は物理学科コロキウム係:大江純一郎 junichirou.ohe(atmark)sci.toho-u.ac.jp (atmark)は@です。