理学部情報科学科

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インターネットでの放送型通信

インターネット上の放送型転送

 最近、インターネットとテレビ放送の関係が話題になっています(注1)。
これについて考えて見ましょう。
 
 
インターネットは、1969年に大学及び研究所間のネットワークとして始まり、 1994年頃にWWWの普及によりインターネットが爆発的に拡大し始め、今日に至っています。  
 
そのインターネットは、当初から1対1の通信を想定して作られた仕組です。現在まで広く使われてきたのは、ホームページを見たり電子メールを送受したりすることですが、その通信は、みなさんの手元のPC(端末と呼ばれる)と、ホームページやメール交換をつかさどるコンピュータ(サーバーと呼ばれる)の間で、1対1の通信で接続して情報を送受しているのです。
マルチキャストの原理
 他方、同じデータを大勢の端末に届けるというニーズもあります。今まででもコンサートの中継や日食の中継などをインターネットを介して行ってきています。また最近では、地上波ディジタルテレビ(通称「地デジ」)を中継して、山かげやビルかげなどの難視聴地域に届けたらよいのではないか(今までは難視聴対策用のテレビ中継装置・小規模のケーブルテレビなどが使われてきた)、という議論も始まっています。

 これらはビデオ配信のサーバーからビデオデータを送信するので、大勢が一斉に視聴するとサーバーは大勢の端末PCに対してビデオデータを送らなければならなくなり、大きな負荷がかかります。1台のサーバーで処理しきれなくなると、仕方なく複数のサーバーに負荷を分散する必要がありました。特殊なサーバーでない限り、同時に数百の端末へビデオを届けるのが精一杯だからです。また仮にサーバーが強力でも、そのサーバーの出口に繋がっているネットワーク回線は、一度にたくさんのビデオを通さなければならないのですが、回線の物理的な上限からも同時には数百の端末へしか届けることが出来ません。

 同じデータを大勢の端末に届けるということは、テレビやラジオで行われている放送と同じサービスです。放送が数十万端末に同時にビデオ転送できるのは、電波というものが、送信しさえすればいくつ端末があっても同時に受信できる、という性質があるからです。これはインターネットの上では通常は実現されていませんが、似たようなサービスをする技術があります。これを「マルチキャスト」(同報)と呼んでいます。

 インターネット上のマルチキャスト(技術的にはIPマルチキャストと呼ばれます)は、ビデオデータが上流から下流に流れていく道筋の途中で、ネットワークが分岐するところでデータのコピーを作って、それぞれの下流に流す、という技術です。これは、ネット上のデータは小さいかたまり(パケットと呼ばれます)に分割されて転送されるので、そのかたまりごとに、分岐の下流に向かって必要個数のコピーを作って送り出せばよいのです。

 このマルチキャストの技術を使って、中継ビデオなどを「放送」しようということは、かなり古くから試みられてきました。記録が見当たりませんが、90 年代の初めにはNASAのミッションの中継をしていたような記憶があります。アポロ宇宙船の時代だったかもしれません。この当時のインターネットは回線も細く非常に混み合っていたので、放送されたビデオの品質は非常に悪いものでした。

 4~5年前からインターネットの高速化、それも末端までの高速化が非常に進み、ビデオ転送に必要な毎秒数メガビットの通信速度(帯域)が安価に使えるようになってきたので、徐々にビデオ転送の利用が盛んになってきています。その中にはインターネットプロバイダが自社のネットワーク内のみで提供するものや、サーバーのみを提供するものなどがありますが、現在のところは放送型ではなく、いわゆるオンデマンド型の配信(クリックするとビデオが見られる)です。オンデマンドは放送と違って、1人1人が勝手なタイミングでクリックするので、同時に同一内容を送る放送型の転送をすることが出来ず、1対1型の通信を多数同時に行う方式で行っています。(逆に、テレビ放送の場合には決められた時間に放送されてしまうので、好きな時間に見るというわけには行きません。)

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