理学部情報科学科

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目で見て解る数理:多面体の展開図について

3.重ならずに展開するには?(計算実験)

 どんな多面体にも重ならない展開図が存在するか?また、存在するとしたらそれを効率よく見つける方法というのはあるのか?残念ながらこれらの問題に対する理論的な解決はされていません。しかしながら、計算実験によってある程度推測することができます。このページでは、乱数を用いてランダムな多面体をたくさん作り、いくつかの方法で展開してみるという計算実験の結果を報告します。おそらく誤解はないと思いますが、決して模型を作って確かめた訳ではなく、グラフィックスや数値計算によって多面体の生成し、展開し、重なりのチェックをしたことを断っておきます。
 
 まず展開する多面体については、以下の6種類を考えました。多面体の作り方の簡単な説明と例を以下のリンク先に記します。
 
 ここで「双対多面体」と「Zonotope」という新しい言葉がでてきましたが、これについて説明しておきます。双対多面体とは、もともとの多面体から比較的簡単な操作で新たに作った多面体のことで、次の3つの性質を満たします。
 
  1. 元々の多面体の面と双対多面体の点が1対1に対応する
  2. 元々の多面体の稜線と双対多面体の稜線が1対1に対応する
  3. 元々の多面体の点と双対多面体の面が1対1に対応する 
 
なにやら難しそうですが、正多面体の双対多面体は、元々の多面体の面の重心を頂点にもつ多面体になりますので、それをイメージするといいかもしれません。ちなみに、正四面体の双対多面体は正四面体、正六面体の双対多面体は正八面体、正十二面体の双対は正二十面体となります。Zonotope とは、それぞれの面が平行四辺形からなる、ランダムに作れるがある程度規則性がある多面体だと考えて下さい。
 
 次に展開の仕方ですが、実験では6つ行いましたが、違いが顕著でなかったので、ここでは次のリンク先で3つほど同じ多面体を展開した場合の例をあげて紹介します。
 
 
実験結果:それぞれ100個多面体をランダムに生成し、重ならなかったものの割合が書かれてあります。
テスト多面体\開く方法 最小木 最大木 最短路木
Sample1 95% 0% 99%
Sample2 83% 1% 38%
Sample3 91% 1% 95%
Sample4 75% 1% 63%
Sample5 21% 14% 30%
Sample6 93% 2% 95%
実験の結果から率直に読み取れることは、
 
      
  1. 切る稜線の長さは短い方がよい(長いと重なる率は高くなる)   
  2. しかし、その方法は Zonotope のような規則性のある多面体には通用しなさそうである。
 
と言ったところでしょうか。この他にも稜線の角度を考慮した展開の方法も試してみましたが、思ったほどの成果は得られませんでした。予想外に多くの場合に重なってしまい、今のところこの中に万能の展開方法はなさそうです。
 
 以上で、目で見て解る数学:多面体の展開図の話ということで、展開図に関する案外知られていないことと、未解決問題、それに対する実験的なアプローチについてお話しました。

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