理学部教養科

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着任の御挨拶

法学教室 高橋和広

 今年の4月より長先生の後任として法学教室を担当しております高橋和広と申します。3月まで20年以上関西をウロウロしておりましたが、実は千葉県出身です。小学校低学年のときに父の仕事の都合で西千葉から姫路に引っ越して以来、進学でも就職でもずっと関西圏を出ることがなく、関東とはもう縁が無いものと勝手に思い込んでおりましたので、東邦大学より採用のご連絡を頂いたときも俄かに実感が湧きませんでした。しかし振り返ってみれば昨年、他大学に奉職していた頃の仕事で姫路の高校を回っていた際、高校でお世話になった先生方に偶然お会いすることがありました。「奇跡」などというと大げさですが、二度と会うことが無いと思っていた人たちとの思いも掛けない再会に、人生もそれなりに長く生きていれば色々と面白いことが起こるものだと妙に感心したものです。

 と、いう話と関係があるのかどうか微妙ですが、ここでご紹介するのは島本理生『ナラタージュ』(角川文庫)。かつての想い人より突然かかってきた電話から始まる切ない恋物語です。別に恋愛に限った話ではありませんが、人生の中ではほんの一瞬に過ぎない出来事が、その後何年経ってもふとしたきっかけで甦ることがあります。過去の自分を反省し、どうにもならない現実を再確認するよう幾度も迫ってくる強い思い出というものは、誰しもが持っていることでしょう。不完全燃焼の思い出を高校時代に残してきた大学生はもちろん、その後も経験を積み重ねてきた方が読んでも、きっと心動かされる作品だと思います(ちなみに、この文章を書いているときに知ったのですが、映画化されるそうです(http://www.narratage.com)。これも全くの偶然で本当に驚きました)。

 この業界ではまだまだ若手の部類に属するとはいえ、学生から見れば私ももはや立派なしょぼくれたおじさんです。学生たちがこれまで過ごしてきた人生よりも長い年月を関西で過ごす中で、苦い失敗、顔から火が噴き出るような恥ずかしい思い出を量産して参りました。周囲の方々の支えによって何とか今まで生き延びることができましたが、今後も犯した過ちを悔い、あり得たかもしれない人生を夢想し続けることでしょう。しかし繰り返される疼痛も、生きていく上で必要な経験なのだと信じ、また明日からこの地で頑張って生きてゆきたいと思います(といいつつ、5月にまた仕事で神戸に『戻る』わけですが…)。

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