理学部化学科

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学会賞の受賞など

M2の佐藤泉美さん(構造有機化学教室)が日本分析化学会第72年会にて、優秀ポスター賞を受賞しました。

2023年9月13日(水)~ 9月15日(金)に日本分析化学会第72年会が熊本城ホールにて開催されました.本学大学院博士前期課程2年の佐藤泉美さん(構造有機化学教室)が「アントラセンを発色団として導入した、アミド、アミノ、カルバメート基を持つ大環状分子の金属イオンに対する蛍光特性」と題するポスター発表を行い、優秀ポスター賞を受賞しました。ポスター発表217件のうちの21件が受賞され、その一つです。

M2の福田太郎さん(高分子化学教室)が第30回 日本ポリイミド・芳香族系高分子会議において優秀ポスター賞を受賞しました。

化学専攻(高分子化学教室)M2の福田太郎さんが、第30回 日本ポリイミド・芳香族系高分子会議(2022.12.10)にて、「低熱膨張・低吸水性ポリエステルイミド(48).高周波誘電特性に及ぼすエステル基含有テトラカルボン酸二無水物構造の効果」という題目で発表し、優秀ポスター賞を受賞しました。
本研究により、次世代移動体通信機器に必要な高速・大容量・低遅延通信技術を支える耐熱絶縁基板材料への応用が期待されます。

M1の伊熊透也さん(高分子化学教室)が第71回 高分子討論会において優秀ポスター賞を受賞しました。

化学専攻(高分子化学教室)M1の伊熊透也さんが、第71回 高分子討論会(2022.9.5~9.7)にて、「新規スピロ型モノマーより得られる透明ポリイミド(5).低熱膨張性と低複屈折の両立を目指した検討」という題目で発表し、優秀ポスター賞を受賞しました。
本研究により、軽量で折り曲げ可能な次世代の液晶ディスプレイを可能にするガラス基板代替透明耐熱プラスチック基板材料への応用が期待されます。

M1 小島久明さん(地球化学教室千賀研究室)が日本腐植物質学会において優秀ポスター賞を受賞しました

2022年11月25〜26日に日本腐植物質学会 第38回講演会が開催されました.本学大学院博士前期課程1年の小島久明さん(地球化学教室千賀研究室)が「尾瀬ヶ原池溏における溶存有機物の太陽光分解から放出する温室効果ガス −表層及び下層における放出速度の比較−」と題するポスター発表を行い,優秀ポスター賞を受賞しました. <発表内容> 本州最大の泥炭湿原である尾瀬ヶ原に存在する池沼(池溏)において溶存有機物の太陽光分解によって放出される二酸化炭素(CO<sub>2</sub>),メタン(CH<sub>4</sub>),一酸化炭素(CO)の放出速度を測定しました.放出速度はCO<sub>2</sub>が最も高く,ついでCO,CH<sub>4</sub>であることを示すことができました.またCO<sub>2</sub>とCH<sub>4</sub>の放出速度に関しては表層水より下層水の方が高いことが明らかになりました.湿原における溶存有機物の太陽光分解から放出する温室効果ガスについてはほとんど注目されていません。地球温暖化の進行が危惧される中で,湿原における溶存有機物光分解由来の温室効果ガスの重要性を提示することができました.

M1 植﨑菜々子さん(生物有機化学教室佐々木研究室)がオンラインで開催されたGlycoTOKYO2021(主催:東京糖鎖研究会)においてポスター賞を受賞しました。

2021年10月9日にオンラインで糖質関連科学のシンポジウム「GlycoTOKYO2021」が開催されました.本学大学院博士前期課程1年の植﨑菜々子さん(生物有機化学教室 佐々木研究室)が「2,6-ラクトン糖を用いたグリコシル化反応機構の吟味」と題するポスター発表を行い,ポスター賞を受賞しました. <発表内容> 糖とアルコールを連結するグリコシル化の反応機構は,これまで,椅子型配座と呼ばれるカタチの糖を用いた反応でのみ集中的に議論されていました.一方,本研究では,従来と全く異なる舟型配座を持つ2,6-ラクトン糖の反応を用いて,これまでの議論が椅子型配座特有のものなのか,あるいはグリコシル化反応一般に適用できるものなのかを吟味しています.多面性の 確保は科学的真理の訴求に威力を発揮することから,本研究の意義は大きいです.植﨑さんは椅子型と舟型の反応の類似点と相違点を分かりやすく説明し,評価されました. 例年の対面式のシンポジウムであれば,懇親会のステージ上で会長から直接表彰され,また,万雷の拍手で祝福されるところでしたが,オンライン開催の今回は,それが叶いませんでした.今後また対面のシンポジウムで評価していただけるように,よりいっそう研究に励もうと,植﨑さんは決意を新たにしています.

Eunji Lee博士が日本科学技術振興機構(JST)のウェブで紹介されました

2018年9月から2年間の予定で博士研究員として滞在中の韓国のEunji Lee博士が日本科学技術振興機構(JST)のウェブで紹介されました. Lee博士はJSTのさくらサイエンスプランによる招へい者の一人で,この事業をきっかけに本学での研究に興味を持ちました.現在, 構造有機化学研究室で幅田教授・桑原准教授と研究を進めています。今後の活躍が期待されます.

Eunji Lee博士(李恩智)JST 紹介ぺージ

韓国国立慶尚大学校との合同シンポジウム

M2 能城雄太さん(生物有機化学教室齋藤研究室)が第8回CSJ化学フェスタ2018で「優秀ポスター発表賞」を受賞!

2018年10月23日(火)~25(木)に日本化学会秋季事業第8回CSJ化学フェスタ2018が東京都タワーホール船堀で開催されました。 本発表会で、本大学大学院博士前期課程2年生の能城雄太さんが「イミダゾピラジノン化学発光系を利用した多置換ベンゼンの置換基効果の定量化」というタイトルでポスター発表を行い、優秀ポスター発表賞を受賞しました。 この発表は、ウミホタルが有する発光物質が、導入する置換基の性質によって発光波長が変化することを利用して、「置換基定数」と呼ばれる置換基特有のパラメーターを求める手法を示したものです。「置換基定数」は創薬の分野でも応用される重要なパラメーターですが、従来の古典的な手法では、一部の置換基や、置換基が複数存在する場合などで正確に見積もることが困難な場合がありました。これに対して能城さんは、ウミホタル発光物質の特性を生かして、測定困難であった置換基の「置換基定数」を正確に見積もることができることを実験的に実証しました。発光物質をこのようなツールとして利用した例はなく、画期的な手法であること、また、能城さんのポスターと説明のわかりやすさ、質疑に対する的確な受け答えが高く評価され、今回の受賞となりました。
  M2 能城雄太さん          能城雄太さんと指導教員の齋藤良太教授

M1 宇野惣太さん(生物有機化学教室齋藤研究室)が第62回日本薬学会関東支部大会で「優秀ポスター発表賞」を受賞!

2018年9月15日(土)に第62回日本薬学会関東支部大会が東京都中野区で開催されました。この発表会は、日本薬学会関東支部が主催する年に一度の薬学に関する学会です。 本発表会で、本大学大学院博士前期課程1年生の宇野惣太さんが「アルドース還元酵素阻害能を有するbotryllazine B類の改良合成と相互作用解析」というタイトルでポスター発表を行い、優秀ポスター発表賞を受賞しました。 この発表は、糖尿病合併症の治療薬候補として、赤ホヤ由来のbotryllazine Bという化合物の誘導体を開発していたところ、目的化合物の合成収率を下げる副反応があることがわかり、その副反応を抑える手法を開発し、さらに合成した化合物が治療薬としてどのように作用するのか明らかにしたものです。宇野さんの開発した改良法は、これまでに報告例のない全く新しい手法で、しかも簡便であり、他の合成反応にも応用可能な汎用性の高い手法であることから高い評価を受けました。また、宇野さんのポスターと説明のわかりやすさ、質疑に対する的確な受け答えも高く評価されました。
  M1 宇野惣太さん         宇野惣太さんと指導教員の齋藤良太教授

M1 桜井皓平さんが2018 Masahiro Iio, MD Award を受賞しました

2018年6月23〜26日に米国フィラデルフィアで行われたSociety of Nuclear Medicine and Molecular Imaging Annual Meeting(米国核医学会年会)において,化学専攻博士前期課程1年の桜井皓平さんが2018 Masahiro Iio, MD Awardを受賞しました。桜井さんは連携大学院制度を利用して,量子科学技術研究機構の放射線医学綜合研究所 分子イメージング診断治療研究部核医学基礎研究チームの吉井幸恵主幹研究員(本学理学研究科客員准教授)の指導のもとで研究をしていますが,その研究成果が今回の受賞となりました。 桜井さんは今回,すい臓がん摘出のためのPET(陽電子を用いる画像診断法)による撮像が可能な放射性抗体の開発と応用に関する研究を発表しました。医療用小型サイクロトロンで製造したCu-64で標識した上皮成長因子受容体を標的とするPET用抗体を作成し,マウスモデルを用いた実験を行ないました。開放型PET装置を用いてリアルタイムでのPETガイド手術をおこない,すい臓がんが切除できることを示しました。 昨年も同研究チーム所属で研究をしている本学大学院生の花舘明香さん(現在博士前期課程2年)がThe 10th International Symposium on Targeted Alpha Therapy(第10回標的α線治療に関する国際会議)においてTravel Awardを受賞していて,2年連続の受賞となりました。

D1 江口綾乃さん(分析化学教室平山研究室)がThe 21st International Solvent Extraction Conference(第21回国際溶媒抽出会議,ISEC2017)で“Poster Award”を受賞!

大学院理学研究科化学専攻博士後期課程1年(分析化学教室)江口綾乃さん 2017年11月5日(日)〜9日(木)にThe 21st International Solvent Extraction Conference(第21回国際溶媒抽出会議,ISEC2017)が宮崎県宮崎市で開催されました。この会議は、世界中の溶媒抽出研究者が一堂に会する3年に一度のビッグイベントで、今回は四半世紀振りの日本開催でした。 本会議で、本大学大学院博士後期課程1年生の江口綾乃さんが“Effect of chelating agent on ionic liquid chelate extraction of trivalent metals using bidentate ligands”(二座配位子を用いる3価金属イオンのイオン液体キレート抽出に及ぼすキレート試薬の効果)というタイトルでポスター発表を行い、Poster Awardを受賞しました。 この発表は、3価金属イオンをイオン液体にキレート抽出する際の抽出剤キレート試薬の選択が持つ意義について評価したもので、複雑な化学平衡解析を要する内容となっています。江口さんの卓抜したポスターセンスと質疑に対する的確な受け答えが高く評価されました。(受賞者5名のうち日本人は2名です。) 指導教員の平山教授は授業のため授賞式には出席できませんでしたが、世界中の著名な研究者から祝福の言葉を頂いたとのことでした。

M2 須田藍佳さん(分析化学教室平山研究室)が第33回日本イオン交換研究発表会で「最優秀ポスター賞」を受賞!

2017年10月26日(木)〜27日(金)に第33回日本イオン交換研究発表会が山梨県甲府市で開催されました。この発表会は、日本イオン交換学会が主催する、多相間のイオン交換反応全般を扱う年に一度のイベントです。 本発表会で、本大学大学院博士前期課程2年生の須田藍佳さんが「イオン液体支持液膜法における亜鉛チオシアナト錯体の輸送機構の解析」というタイトルでポスター発表を行い、ただ1名に与えられる最優秀ポスター賞を受賞しました。 この発表は、水とイオン液体との間でのイオン交換輸送において、細孔に閉じ込められたイオン液体を媒体に用いると通常とは全く異なる機構で輸送が行われることを示したものです。須田さんのポスターと説明のわかりやすさ、質疑に対する的確な受け答えが高く評価されました。 山梨県はワインの産地で、須田さんは授賞式後祝福のワイン攻めに遭い、楽しい時を過ごしたとのことでした。

M2 成岡知佳さん(地球化学教室千賀研究室)が日本陸水学会第82大会で「優秀ポスター賞」受賞!

大学院理学研究科化学専攻2年 (地球化学教室) 成岡 知佳さん

2017年9月28日~10月1日まで秋田県仙北市田沢湖で日本陸水学会第82大会が開催され、本大学大学院博士前期課程2年生の成岡知佳さんが「腐植栄養湖赤沼における水系腐植物質動態に微生物が与える影響」というタイトルでポスター発表を行い、優秀ポスター賞を受賞しました。 水域において紫外線吸収能や微生物のエネルギー源となるなど重要な機能をもつ水系腐植物質の起源について研究しました。 野外実験と室内培養実験より2種類の水系腐植物質は湿原植物由来であり、1種類の水系腐植物質は藻類由来であることが明らかとなりました。またこれまで謎とされていたバクテリアによる水系腐植物質の再合成過程についても言及することができました。成岡さんの研究内容と質疑に対する的確な受け答えが高く評価されました。 また昨年度は同じ研究室の佐藤 翼さんが「優秀口頭発表賞」受賞し、今年度は成岡知佳さんが「優秀ポスター賞」と2年連続でうれしい受賞となりました。

M1 佐藤翼さん(地球化学教室千賀研究室)が日本陸水学会第81大会で「優秀口頭発表賞」を受賞しました!

大学院理学研究科化学専攻1年 (地球化学教室) 佐藤 翼さん

2016年11月3~6日まで沖縄の琉球大学で日本陸水学会第81大会が開催されました。この学会は、内陸部に存在する湖沼、河川、地下水、干潟などの水域における現象や環境問題に関する研究を取り扱う学会です。本大会では、一般公演、課題公演、ポスター発表などの他、沖縄の陸水環境の現状と課題をテーマにした公開シンポジウムや海外からゲストスピーカーを招待したEnglish Sessionなどが行われました。 本大会で、本大学大学院博士前期課程1年生の佐藤翼さんが「谷津干潟堆積物における脱窒とアナモックス過程」というタイトルで口頭発表を行い、優秀口頭発表賞を受賞しました。優秀口頭発表賞には博士後期課程の学生や若手の博士研究員の方々も応募していましたが、佐藤さんの研究内容と質疑に対する的確な受け答えが評価され、賞を獲得しました。

M1 岩瀬美樹さんが国際会議で「Best Poster Award」を受賞しました!

大学院理学研究科化学専攻1年(構造有機化学教室) 岩瀬美樹さん

2015年8月14~17日まで韓国・釜山にあるKosin UniversityにてThe 7th International Symposium on Nano & Supramolecular Chemistryが開催されました.この国際会議はナノケミストリーおよび超分子化学に関する学会のうち,最も権威ある学会の一つであり,世界的に著名な研究者による特別講演,基調講演,招待講演,および大学院学生による口頭発表とポスター発表が行われました.今年の会議は北アフリカのチュニジアで開催される予定でしたが,3月に起きたテロ事件のため,急遽,韓国で行われることになりました. この学会で本学大学院博士前期課程1年の岩瀬美樹さんが「Structures of Ag+ Complexes with Bis(armed-cyclen)s」というタイトルで英語による口頭発表とポスター発表を行い,Best Poster Awardを受賞しました.学会終了後の懇親会では,海外の著名な研究者や学生と親交を深めるなど,国際学会ならではの雰囲気を充分に味わうことができました. (写真は第8回会議の組織委員のChengzhong Yu教授(The Univ. Queensland, Australia)と岩瀬美樹さん).

2014 CSJ化学フェスタにて優秀ポスター賞を受賞

大学院理学研究科化学専攻1年(物性化学教室)賣野寛人君と同じく大学院理学研究科化学専攻M1(物性化学教室)渡邊敬太君の二名が物理化学部門でみごと優秀ポスター賞を獲得しました。

2014年10 月14 日(火)~16 日(木)に日本化学会主催で「第4 回CSJ 化学フェスタ2014」(タワーホール船堀)が開催されました。この学会は, 1) 最先端の化学と化学技術に関する産学官の交流深耕による化学、化学技術及び産業の発展への寄与とイノベーション強化、  2) 化学の成果と未来に向けた化学の貢献努力の社会への発信 という二つの趣旨で開催されています。資源開発から、エネルギー問題、創薬の化学、新学術領域が目指す未来の化学までと社会の課題となっている研究開発・技術の話題を取り上げたテーマ企画のほか、企業や研究機関の研究開発戦略と現状を紹介する産学官R&D 紹介企画、他機関との連携によるコラボレーション企画など多彩な内容で行われ、前回の2,200名を大幅に上回る約2,800 名が参加しました。 その中の一つの企画である「学生ポスター発表」では8分野、合計1,006 件の発表が行われ、会場は常に活気に溢れ、活発な討論がなされました。この中から審査を希望するポスター発表に対し、  1) 研究に対して発表者が十分に寄与していること、  2) 質疑応答に優れていること、  3) 独自性が認められ、今後の発展が期待できること、 の3つの観点から審査が行われ、物性化学教室のM1賣野寛人君と渡邊敬太君の2名が物理化学部門でみごと優秀ポスター賞を獲得しました。

賣野寛人君は「新規セキシチオフェン薄膜の電気化学特性と光機能物性」の発表を行ないました。今回の研究では、ホスホン酸基を有するπ共役が拡張したセキシチオフェン誘導体(ST)をITO電極上に浸漬し、詳細に薄膜物性を探求しました。セキシチオフェン分子は電極表面に対して約45°に配向していることが分かり、また浸漬を繰り返す ことによって作製されたセキシチオフェン積層薄膜が7cycle程度で基板上に飽和したことからもこの配向角度を裏付けられることが分かりました。またそれらの薄膜が電気化学的に活性であり、光を照射することで光電流が発生しました。このことからITO上に修飾されたセキシチオフェン分子からITO基板に効率よく電子の移動が行われていることがわかりました。(図1)

渡邊敬太君は、第2回、第3回CSJ化学フェスタでも高い評価を得て、連続して優秀ポスター賞を受賞した内山幸也君の研究を引継ぎ、さらに「臭素化フラー レンの置換反応による多付加フラーレンの付加位置制御」について詳細な研究を行いました。複数の有機基を有した多付加フラーレンは、それら有機基由来の性質を強く発現する特徴があり、フラーレンに複数の有機基を修飾させる付加反応は、新たな特性付与の観点から重要です。しかし多付加フラーレンは有機基の付加位置が異なり異性体の混合物となってしまうことから、単一物質として得ることは困難とされています。そこで前駆体物質として構造が特定されている臭素化 フラーレンC60Br8に着目し研究を進め、置換反応によって多付加フラーレンの選択的合成に成功しました。また、その生成物を出発物質として置換反応を行い、新たな有機基を修飾した多付加フラーレンも高収率で得ることができました。(図2)

2012・2013 CSJ化学フェスタにて2年連続優秀ポスター賞受賞

大学院理学研究科化学専攻M2(物性化学教室)内山幸也君 「臭素化フラーレンを用いた多付加フラーレンの付加位置制御」の研究で、日本化学会主催第3回CSJ化学フェスタで優秀ポスター賞を昨年に引き続いて連続受賞の快挙!

複数の有機基を分子内に有する多付加フラーレンは、それら有機基由来の特性を強く発現する特徴があり、フラーレンへの複数の有機基の付加反応はフラーレン誘導体への特性付与の観点から重要です。しかしながら、多付加フラーレンは有機基の付加位置の異なる付加位置異性体の混合物となり、単一生成物としては得難いことが問題とされています。そこで内山君は多付加フラーレンでありながら単一生成物として得られているC60Br6、C60Br8の臭素部位を求核剤によって置換反応を行うことで、それら前駆体の付加形態を保持した多付加フラーレンの新規合成法の確立を試み、多数の付加位置選択的な多付加フラーレンを新規に合成することに成功しました。 臭素化フラーレンC60Br6およびC60Br8とアルコールを反応させることで、四重付加型 (C60(OR)4O)、五重付加型 (C60(OR)5Br)、八重付加型 (C60(OR)8)のアルコキシフラーレンを単一生成物として得、C60(OR)8はC60Br8と同様の付加形態を有していることを単結晶X線構造解析により確認しました。これまでC60Br8と同様の付加形態を有するフラーレン誘導体の合成法は知られておらず、本研究で確立した手法が唯一の方法です。 前駆体として用いた臭素化フラーレンC60Br6およびC60Br8は有機溶媒への溶解性が非常に乏しいため、これまでこれらを出発物質とする反応が全く試みられてこなかったものと思われます。しかしながら、内山君は出発物質の溶解度が著しく低くても、生成物側に次第に平衡が移動することに気づき、このことが付加位置選択的な多付加フラーレンを生成する置換反応を成功させるブレークスルーとなりました。実際に、これらから誘導されたC60(OR)4O、C60(OR)5Br、C60(OR)8は有機溶媒への高い溶解性を有し、さらにこれらのアルコキシフラーレンはR部分のアルキル鎖長を変えることにより、容易に溶解性を調整することも可能です。

これらの研究成果はすでに2件の特許出願(特願2012-194209;特願2013-046948)がなされていて、新規に合成された多付加フラーレン誘導体は有機薄膜太陽電池やライフサイエンスへの応用が期待されています。

第2回CSJ化学フェスタにて優秀ポスター賞受賞

「産学官の交流」と「化学の社会への発信」を目的に、2012年に2回目の開催を迎えた日本化学会主催CSJ化学フェスタ(10月中旬、東京工業大学)で行われた同イベントにおいて、666件にのぼる「学生ポスター発表」において、理学研究科化学専攻の内山幸也君が「臭素化フラーレンの置換反応による新規アルコキシフラーレンの合成」のテーマで、優秀ポスター賞を受賞しました。内山君はこれまで困難と考えられていたC60Br8の置換反応を巧みに応用することによって、新規物質であるアルコキシフラーレンC60(OR)8(R=CH3, C2H5) の合成に成功し、分子構造を明らかにしました。これらの新規アルコキシフラーレンは、さらに新たな誘導体開発にもつながることから現在、特許出願中(特願2012-194209)です。

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