理学部化学科

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「フェロセン」という分子

フェロセンの分子構造

この項を担当された持田智行先生は,神戸大学大学院理学研究科に転出されましたが,許可を得て掲載しています.


 


フェロセンはFe(C5H5)2という化学式で表される分子である。鉄イオン(Fe2+)が2枚の5角形をしたC5H5-ではさまれた面白い形をしているため、サンドイッチ化合物ともよばれる(私たち日本人はつづみ型錯体と呼びたいところだが)[図1]。この分子は50年ほど前(1951年)に合成されたが、意図して構築された構造ではなく、いわば偶然の産物である。X線構造解析によってサンドイッチ型分子であることが証明された(1954年)。炭素と金属が結合した分子は”有機金属化合物”と呼ばれ、フェロセンはその代表例である。フェロセンの発見は有機金属化学の歴史の輝くマイルストーンの一つで、有機金属化学の爆発的発展のきっかけになった。そしてフェロセンは1973年にノーベル化学賞を英独の化学者にもたらした。

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