理学部化学科

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硫酸

硫酸

硫酸H2SO4 分子量98.08,無色の粘稠な液体で,融点10.371℃,密度1.8267 g cm-3(25 ℃)。水と自由に混じりますが,その際に非常に大きな発熱をともないます(希釈熱~880 kJ mol-1)。純粋な硫酸は,比誘電率が高く(100),比電導度も1.0439×10-2 ohm-1 cm-1と高い値です。これは次に示すような自己解離が起こっていることと,水素結合により会合した分子間をプロトンがスイッチ機構で移動できるからです。(反応式中の⇔は、平衡反応であることを表すことにします。)
  2H2SO4 ⇔ H3SO4+ + HSO4, K(25℃) = 2.7×10-4


硫酸中では,縮合反応も起こっています。
  2H2SO4 ⇔ H3O+ + HS2O7, K(25℃) = 5.1×10-5


また水溶液中で硫酸は,つぎのように解離します第一段は完全解離ですが,第二段は比較的小さな値です。これらの解離によって生成した水素イオン(H3O+)のため、硫酸の水溶液は強酸として挙動します。
  H2SO4 + H2O → H3O+ + HSO4
  HSO4 + H2O ⇔ H3O+ + SO42-Ka2 = 1.1×10-2

ミョウバンを強熱すると硫酸ができることは中世には知られていて,oleum vitrioli(ミョウバンの油)とかspiritus vitrioli(ミョウバンの精)とよばれていました。硫酸は重要な工業薬品の一つで,鉛室法による硫酸工場は18世紀半ばにイギリスのバーミンガムに設立され,19世紀の半ばには大規模に製造されるようになりました.染料の合成に用いるために発煙硫酸の需要が高まり,接触法による製造が改良され,採用されるようになりました。接触法の触媒ははじめは白金でしたが,1910年代以降V2O5触媒が開発されて今日に至っています。接触法は触媒を用いて二酸化硫黄を酸化する方法です。
  SO2 + 1/2O2 → SO3 → H2SO4
今日の硫酸の硫黄源は原油の脱硫によって得られるものが大半を占めています。


火山地域にはマグマに由来する硫黄や硫化水素,二酸化硫黄などが見られますが,二酸化硫黄が酸化されて硫酸になる反応が起こることが知られています。温泉水に硫酸が含まれることは珍しいことではなく,硫酸や塩化水素のためにpHが低い温泉水も玉川温泉,草津温泉,蔵王温泉などたくさん知られています。次のコーナーで私たちが行なってきている,玉川温泉の研究を紹介します。

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