理学部生物分子科学科

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研究設備・装置一覧

リアルタイムレーザー共焦点顕微鏡
蛍光顕微鏡の像は、試料の厚みのために焦点面以外の深さの位置からの蛍光が像に重なり、にじみやぼけを生じます。また厚みのある試料では、そのために内部 の構造を鮮明に観察できません。共焦点顕微鏡では、焦点面の蛍光のみを選択的に取得し、他の深さからの蛍光を排除するシステムによって、特定の光学断層の みをクリアーにとりだすことができます。対物レンズの焦点位置と対称の位置にスリットが置かれていて、このスリット幅によって、取得する光学断層の厚みを 任意に設定できるので、厚みのある、大きな試料の内部も鮮明に観察できます。リアルタイム冷却CCDカメラを使用しており、イオン濃度などの動的変化も解 析できます。レーザー光は光源としては蛍光退色を抑えるだけでなく、細胞・染色体の選別・切断なども可能にします。
フローサイトメーター(細胞集団解析装置)
血液や組織から単離した細胞の種類や数、状態を解析することができます。がん化した細胞や免疫異常も検出できるため、病院や臨床検査センターでも使われています。
マルチラベルプレートリーダー(多標識測定装置)
この一台で吸光度・蛍光・発光・時間分解蛍光を測定することが可能で、最大386種類のサンプルを同時に処理できます。例えば、サンプル中の青色色素(吸収波長405 nm)の吸光度や、ルシフェラーゼによる発光、クラゲ由来の緑色蛍光タンパク質(GFP)の蛍光を測ることができます。
FPLC
タンパク質やポリペプチドを精製するための様々なカラムクロマトグラフィーを行う装置。生体高分子を、分子の大きさや分子の電荷や疎水性などの性質によっ て分離します。ゲルろ過、イオン交換、逆相、アフィニティなど様々な担体を用いることができます。生体分子を調べるためには、目的の分子を、活性や構造を 維持したまま精製しなければなりませんが、この装置は分離操作を、迅速に再現性よく行うことができます。一般の高速液体クロマトグラフィーと異なり、流路 に金属部品がなく微量の金属の影響もありません。溶出液は2台のポンプを用いて、2液を任意の割合いで混合して用 います。プログラムによって様々な濃度勾配を作ることもできます。溶出液は紫外線検出器を通って、一定量づつ分画されます。共通機器以外にも、いくつかの 研究室に設置され、抗体の精製、色素タンパク質複合体の分画、大腸菌で発現したタンパク質の精製 に用いられています。
X線解析装置
様々な生命現象のメカニズムを明らかにしようとするとき、その現象に関わっている分子の構造を明らかにすることは非常に重要です。分子の形や原子の位置関 係が、反応と密接に関連しているからです。分子は非常に小さいため、1億倍程度に拡大しないと見えません。光学顕微鏡や電子顕微鏡では不十分です。それに は結晶とX線とコンピュータが使われます。結晶は分子が3次元的に規則正しく並んだもので、身近なものとしては食塩、グラニュー糖などがあります。タンパ ク質やウイルスでも結晶化することができます。X線は原子程度の波長を持つ光です。健康診断のときのレントゲンで使われているものと同じです。X線が結晶 を通過するとき、結晶中の原子や分子の配列により回折現象が起きます。数万点もの回折X線の強度をコンピュータで解析することにより、分子の3次元構造が 得られます。
イメージングアナライザー
放射性物質が、紙や板のような平面上においてどこにどれくらいあるかを調べるための装置です。従来、放射線の写真フィルムを感光させる作用を利用して、放 射性同位元素で標識された物質の検出にはX 線フィルムが用いられていました。本装置では X 線フィルムの代りに光輝尽性蛍光体と呼ばれる物質を塗ったイメージングプレートを用います。放射性物質をペーパークロマトグラフィーなどにより分離したの ち、クロマトグラフィーに用いた濾紙をイメージングプレートに密着させると、放射性物質が存在する部分ではイメージングプレートに放射線が当たり蛍光体に エネルギーが蓄積します。その後、イメージングアナライザーにイメージングプレートを入れてレーザー光を当てると、蓄積されていたエネルギーが開放されて 発光します。この発光を検出することにより、放射性物質が濾紙上のどこにどれだけの量存在するかを知ることができます。特定の配列をもつ DNA や RNA の検出または定量、酵素反応生成物の検出および定量などにこの装置が使われています。
リアルタイムPCR装置
PCR法により、わずかな遺伝子を理論上10億倍以上に増やして検出・解析をする装置です。組織や細胞中における調べたい遺伝子の発現量解析や、テーラーメイド医療などに使わる遺伝子の一塩基多型(SNP)の検出ができます。
液体クロマトグラフ質量分析装置
混合物の構成成分をカラムクロマトグラフィーにより分離し、分離された物質をイオン化してその分子量を調べる装置です。シリカゲルなどの充填剤をつめた細 い管(カラム)に試料溶液を注入しメタノールなどの溶媒をポンプによりカラムに流し込むと、物質によって充填剤への結合の強さと溶媒への溶けやすさが異な るため物質ごとに分かれて順にカラムから出てきます(液体クロマトグラフ)。次に、カラムから出てきた物質に対して放電すると、物質がイオン化されます。 イオンは、その質量(分子量)と電荷(イオン価)にしたがって運動するので、その運動を調べることにより分子量がわかります(質量分析計)。この装置を用 いて、遺伝子組換体などの生物体に含まれる微量成分を分け、何であるかを決める実験を行います。
蛍光分光光度計
物質にある波長の光を当てて吸収させると、今度は逆に物質から当てた光とは違った波長の光が出てくることがあります。これが蛍光です。光はエネルギーの一 形態ですから、物質が光を吸収したということはエネルギーの高い状態になったということです。したがって、蛍光は物質の高エネルギー状態からのシグナルの 一種と考えることができます。高エネルギー状態は、人間にたとえれば興奮した状態ですから、普段お目にかかれないような面白い性質がいろいろと出てきます し、また反応性も一段と高くなります。実際、クロロフィルは太陽光を吸収し高エネルギー状態になって光合成を行っているのです。この装置は、蛍光にどのよ うな波長の光がどの程度の強さで含まれているかを詳しく調べます。そしてそのデータを解析すると、物質の興味深い高エネルギー状態を探ることができ、その 性質を利用して新しい反応を行わせることも可能となります。
細胞内解析装置
落射型の蛍光顕微鏡に光刺激用のUVレーザーを組み合わせた装置です。高感度のCCDカメラとカルシウムイメージング用のソフトウェアを備えています。 ケージド化合物のケージ解除による細胞の刺激と,それに続く細胞応答をリアルタイムで解析することができます。レーザー照射と蛍光画像の取込みは完全に同 期しているので,直径1μm以下の領域を1ナノ秒間だけ光刺激すると同時に,細胞の応答を記録するような実験が可能になります。
蛋白質シークエンサー
この装置はタンパク質のアミノ酸配列を分析する装置です。私達の体の中では、数万種類にもおよぶタンパク質がそれぞれ巧みに働きあい、複雑な生命活動を支 えています。そのような多くの種類のタンパク質も、それを構成している物質はわずか20種類のアミノ酸です。つまり、タンパク質の多様性はそれを構成する アミノ酸の並び方(アミノ酸配列)の多様性と言う事になります。この装置を使えば、純粋なタンパク質が、最低 5ピコモル(1兆分の5モル)あれば端から15個ほどのアミノ酸配列を読む事ができます。もっと多くのタンパク質があれば、最大で 50-60 個ほど読む事が可能です。このような装置が開発される前は、1日に3-4個のアミノ酸を解読するのが精一杯でしたが、この装置は1日に40個以上のアミノ 酸配列を全自動で読む事ができます。
超伝導FT-NMR装置
核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance)という現象を利用して、主に有機化合物の構造を調べる装置です。有機化合物は、炭素原子同士がつながって3次元の骨格を作り、さらに水素原子や酸素原子がつながって出来ています。水素原子(1H)や炭素原子(13C) のNMRスペクトルを測定すると、各原子が置かれている環境に関する詳細な情報が得られます。これを解析することで、原子のつながり方を3次元で解き明か すことができます。有機化合物の構造を決めることができる訳です。本学科のNMR装置は、主に合成した有機化合物の構造決定、構造の確認および純度の推定 に用いたり、化学反応を追跡するのに使っています。また、もっと高磁場(強力な磁石)のNMR装置を用いると、タンパクやDNAに代表される生体高分子の 3次元構造を解析することもできます。ちなみに、病院で使われている MRIという装置も原理はNMRと同じです。
分光光度計
物質は紫外光や可視光のエネルギーを吸収して、安定な基低状態から不安定な励起状態へと変化することがあります。吸収の強さは波長によって異なるため、照 射する波長に対する光の吸収(吸光度)は、物質固有のスペクトルを示します。この装置では、このような物質と光のエネルギーの相互作用を見ることができま す。得られたデータから、物質の構造を推定したり、溶液中の濃度を計算することができます。また、化学反応や酵素反応の進行の様子を追跡するのに使うこと もあります。
分離用超遠心機
遠心力による沈降を用いて、生体物質を分離する装置。様々な形式のローターを真空中で一定の温度のもとで回転させることで、長時間(10-20時間)安定 した遠心場を作ることができます。ここに設置されている装置は、最高回転数が65,000 rpmで、 最大遠心力400,000 x g を得ることができます。目的の物質を適当な遠心力のもとで沈殿として集める方法(分画遠心法)が多く行われます。さらに、あらかじめ作成したショ糖の密度 勾配の中で、細胞小器官やタンパク質複合体を沈降速度の差を用いて分画する方法(ショ糖密度勾配遠心法)や、セシウム塩などの高密度の勾配の中で長時間遠 心を行い、DNAなどを、分子の密度の差により分離する方法(密度勾配沈降平衡法)がよく用いられるようになりました。
RI実験室
放射性同位元素(ラジオアイソトープ、略して RI)の利用は、生命科学の研究には欠かすことができません。例えば、光合成における炭酸固定反応を解明したカルビンの実験では放射性炭素原子(14C)が、また、DNA が遺伝物質であることを明らかにしたハーシーとチェイスの実験では放射性のイオウ原子(35S)とリン原子(32P)がそれぞれ重要な役割を果たしました。反面、RI を不用意に取り扱うと本人や周囲の人間に放射線による危害をおよぼす可能性があります。そのため、RI の取扱は法律により厳しく規制されており、基準を満たす整備の行き届いた実験室内でのみ、その取扱が許されています。本学部の RI 実験室では、β線放出核種である 14C, 35S, および 32P だけでなく、γ線放出核種である 60Co, 125I などを含む合計 70 種類の RI を取り扱うことができます。また、組換 DNA 実験を安全に行うための設備をもつ P2 実験室も RI 実験室内に設けられています。

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