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プレスリリース          発行No.105 平成21年11月10日

伊豆諸島八丈島 ニホントカゲの侵入・定着を確認
〜オカダトカゲ 絶滅のリスク高まる〜

 

 「伊豆諸島 八丈島において、本来いるはずのないニホントカゲの侵入が確認され、また定着しつつあること。それが在来種であるオカダトカゲの絶滅のリスクを高める可能性があること。」を東邦大学理学部 コア・サイエンス・ティーチャー養成プロジェクト 栗山武夫 特任研究員と国立環境研究所 環境リスク研究センター 岡本 卓 博士研究員を中心とした研究グループが爬虫両棲類学会報 2009年第2号に報告しました。

 

 伊豆諸島 八丈島には、在来の爬虫類としてオカダトカゲPlestiodon latiscutatusとニホンマムシGloydius blomhoffiiの2種のみが知られており、このうちオカダトカゲは、三宅島・青ヶ島の同種個体群とともに環境省レッドデータブックにおいて絶滅のおそれのある地域個体群に指定されています。一方で、移入(外来)種として3種の爬虫類と5種の両生類の定着が確認されており、同島の爬虫両生類相は大幅に改変されつつあります。本報告では、新たにニホントカゲPlestiodon japonicusが同島に移入されたことの確認、およびそれに伴う調査について記されました。

 

 八丈島で初めてニホントカゲが確認されたのは、2004年2月でした。その後、2007年2月に確認され、これを受けて同年8月・翌年5・6月に栗山氏が現地調査を行いました。この調査で、合計20個体ほど在来個体群(オカダトカゲ)と著しく体色の異なる個体を採集することができました。これらを形態形質の観察とミトコンドリアDNAの解析を行ったところ、形態形質ではいずれもニホントカゲと同定され、ミトコンドリアDNAの解析では八丈島産オカダトカゲとは明らかに異なっており、九州東部〜南部産のニホントカゲと最も近縁であることが推定されました。

 この現地調査では、限られた場所でのみ発見されたことから、現時点では分布域は局限されていると考えられます。しかし、初めてニホントカゲが確認された時期を考えると移入がごく最近と考えられること、今回採集された個体は孵化幼体や妊娠雌・成熟雌を含む様々なサイズのものがおり、既に繁殖集団を形成している可能性が高いことから、今後分布が拡大するおそれがあります。ニホントカゲは、在来種であるオカダトカゲの近縁種で、生活史や利用する資源が類似すると考えられます。このことから今後ニホントカゲが島内で分布を拡大すると、生態的な競合や交雑という形での直接的な影響を在来集団に与える可能性があり、既に絶滅が危惧されているオカダトカゲにより一層、絶滅のリスクを高めるものと考えられます。したがって、両種の島内分布など実態を把握するとともに、移入経路の特定そして再移入の予防など対策が望まれます。

 

   〈論文タイトル〉 伊豆諸島八丈島へのニホントカゲの侵入

   〈 著  者 〉 栗山 武夫・岡本 卓・長谷川 雅美・疋田 努・五箇 公一

 

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