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プレスリリース
2014年度
脳震盪の知識とその対処法について 〜夏合宿を前に、スポーツで起こる脳震盪に対する正しい知識を〜

プレスリリース          発行No.527  平成26年7月17日

脳震盪の知識とその対処法について
〜夏合宿を前に、スポーツで起こる脳震盪に対する正しい知識を〜

 東邦大学医療センター大橋病院(東京都目黒区大橋2-17-6、病院長:杉 薫)脳神経外科では、スポーツ頭部外傷の多くの診療例・治療例から、スポーツを通じて起こる頭部へのダメージについての様々な知見蓄積に努めています。
夏休みに向かうこの時期は、学校の運動部やスポーツのクラブでは激しい練習を行う機会が増えますが、同時に体のぶつかり合いによる衝突や転倒で頭部を撃つ機会も増えていきます。そのような状況で起こる脳震盪はたいへん危険で要注意の症状であり、正しい知識をもって対処するべきです。
体を激しくぶつけ合うことの多い夏の試合や合宿などを前に、脳震盪の正しい知識とその対処法について、医療機関の立場からまとめてお知らせします。

 

脳震盪が起こりやすいのは

 ラグビーやアメリカンフットボールなど、からだ自体の激しい衝突や接触を伴うスポーツはもとより、サッカーのように接触の結果転倒したり、バレーボールのように飛び込むプレーが多いものなど、直接・間接を問わず頭部に衝撃を及ぼす可能性の高いスポーツでは脳震盪の危険性が高いといえます。
最近では、女子のスポーツも急速に多様化し、サッカーやチアリーディングなどが人気となり競技人口も増加していますが、これらのスポーツでも衝突や落下により脳震盪を起こすケースが増えています。
また競技レベルが上がれば上がるほど激しい接触が増えることで、脳震盪を引き起こすケースが増加します。
一方、部活動に限らず、中学校で体育の必修科目となった武道のうち、特に柔道では接触はもとより投げもあること、また経験の浅い一般生徒も履修することから、危険性が高いといわざるを得ません。

脳震盪の危険性が高い時期としては、競技の特性に限らず5月から8月が要注意です。
この時期は気温が高いことから、激しい運動で熱中症を発症する危険性が高く、そのような場合には、疲労や集中力低下などの影響から脳震盪を起こす危険が高まりますので、練習や試合に際しては十分な水分補給と適切な休憩を取ることが大切です。

脳震盪の症状とは

 主な症状は、頭痛、めまい、ふらつき、力が出ない、集中できないなどです。
意識の消失も大切な自覚症状といえますが、実は脳震盪の9割以上は発症していても意識を失っていません。
そのため、本人や周囲が脳震盪であると自覚・認識することなく、引き続き運動を行うことも多く、このことが繰り返して脳震盪を発症する危険を大きくすることに繋がっています。
また、発症の状態には個人差があることを認識しておくことも重要です。症状が軽いからといって脳震盪を発症していないとは限りません。個々人の普段の状態との差がどの程度かをよく見極め、その変化を見逃さないことが重要です。

脳震盪の怖さ

 脳震盪を繰り返すと、いわゆる“脳震盪癖”がつきやすくなります。
脳震盪を3回繰り返した場合は癖がついていると考えられます。
そして、脳震盪を繰り返すと、ひどい場合は重い障害が残ったり、さらには頭蓋内の出血などが原因で死に至ることもあります。
外から見ただけでは異常が確認できないため、病院でCTを取るなどの適切な処置を受けずに、そのままやり過ごしてしまうことに起因しています。

脳震盪を起こしたらどう対処するべきか

 まずは、練習・試合からすぐに外れることが一番です。
脳震盪は、頭痛やめまいが治ってもすぐに練習を再開するのは危険です。
競技復帰に際しては、徐々に運動負荷を上げていく、段階的競技復帰が必要です。
できるだけ早く専門の医療機関で診断を受け、適切な回復期間を置くとともに脳震盪が起こる原因を見つけ出すことが大切です。
その結果、脳震盪発症のリスクが高い練習メニューがあればそれを避けるなど、適切な対策を講じることが重要です。

運動部、クラブ関係者が留意するべき点について

 脳震盪の9割以上は意識を失わないことでもわかるように、外見では判断がつかないことも多く、また個々人の身体能力や、その時々の健康状態によっても差が生じるということを認識する必要があります。

脳震盪が疑われる場合でも、個人により症状がまちまちですので、ひとり一人の日頃の状態をよく把握しておき、通常の状態とどの程度差が出ているかを見極めることが重要です。
夏の合宿先の選定にあたっては、合宿先の近隣の医療機関を調べておくことが大切です。
特に、専門医である脳神経外科医が常在しており、有事の際に緊急で手術対応が可能かどうかの確認もしておくことが重要です。

また、指導者のコーチングスキルを上げることも防止につながります。
例えば、頭部に継続的に衝撃を受けるサッカーのヘディング練習の場合は、練習時間で区切るのではなくヘディングの本数で区切るなど、なるべく頭に負担をかけない練習メニューをつくるなど、従来からの発想を変え、脳に余計な危険を与えないような練習方法を用意することが予防につながります。

以上のような用意や工夫をしても、脳震盪を発症してしまうことはあります。
そのようなときには、できるだけ早く専門の脳神経外科で受診することが大切です。

■東邦大学医療センター大橋病院では、脳震盪をはじめとしたスポーツ頭部外傷に関し、脳神経外科 院内感染対策室副室長の中山晴雄講師を中心としたチームが専門的な診療にあたっています。

【お問い合わせ先】 東邦大学 法人本部 経営企画部
〒143-8540 東京都大田区大森西5-21-16
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