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プレスリリース 発行No.352 平成24年6月19日

千葉県生物学会 前会長 吉崎誠先生を偲ぶ会
『標本は誰のものか?』開催

2012年6月23日(土) 東邦大学習志野キャンパスにおいて、「千葉県生物学会 前会長 吉崎誠先生を偲ぶ会 『標本は誰のものか?』」 が開催されます。吉崎誠 東邦大学名誉教授(2011年9月に逝去)との思い出を振り返りながら、被災した自然史標本の保護のあるべき姿を探ります。
『標本は誰のものか?』開催

 日本産海藻類のデータベースを作成されるなど海藻分類学において精力的な研究活動をしておられた吉崎誠 先生は、昨年9月10日に急逝されました。
 吉崎先生は、43年間にわたる研究成果の海藻標本約8万2千点をその主な採集地であった岩手県山田町に昨年3月に寄贈されました。しかし、その直後に起きた東日本大震災によって約7万点の標本が流失し、残された標本も海水や泥をかぶり腐敗・破損するといった不運に見舞われました。吉崎先生は未曽有の事態にも屈することなく、標本を復興の象徴とすることを目的に、残された標本の救出や新たな標本の収集など意欲的に取り組んでおられ、亡くなられたのはまさにその最中の出来事でした。
 昨年の東日本大震災では、東北地方の太平洋沿岸部にある博物館や科学館など多くの学術的施設も壊滅状態となり、多くの貴重な資料や標本が失われました。現在、被災した博物館等の施設から標本を救い出し、復元する「標本レスキュー」が全国の博物館職員とボランテイアの手で進められています。標本はその時、どこにどんな生物がいたのかを証明し、過去から後世に伝える重要な実物資料であり、地域の文化遺産でもあります。しかし、災害時の公的な支援や救済のネットワークが無いことなど、様々な問題が今回の震災で浮き彫りになりました。
 本会では、吉崎先生との思い出を振り返りながら、災害時の被災標本の救済・保護・管理するシステムについて議論し、自然科学を継承する上で重要な自然史標本のあり方を探ります。

千葉県生物学会

948年に設立され、千葉県を中心にして生物学および生物教育に関する研究を行い、広くその知識と趣味の普及を図ることを目的としています。吉崎先生は第3代会長(1999年~2009年)を務められました。

千葉県生物学会 前会長 吉崎誠先生を偲ぶ会

『標本は誰のものか?』
主催:千葉県生物学会

【日時】2012年6月23日(土)  14:00~17:00 (受付開始 13:30)
【場所】東邦大学習志野メディアセンター (千葉県船橋市三山2-2-1)
【その他】参加費無料

講演

◆「吉崎誠先生と標本」 北山太樹 氏(国立科学博物館)
◆「震災と標本レスキュー活動」 舟田春樹 氏(岩手県山田町)
◆「吉崎誠先生の思い出」 鳩貝太郎 氏(首都大学東京客員教授)

シンポジウム

◆「標本は誰のものか?」 西田治文 氏(千葉県生物学会 会長)

【取材等に関するお問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当 / 理学部 東京湾生態系研究センター   森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1   E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-494-8571    M Phone: 090-8722-8471