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プレスリリース 発行No.325 平成24年3月14日

- 伝統工芸×情報科学 -
銅板表札の作成をCGでサポート!

東邦大学理学部では、自然科学の基礎研究はもちろんのこと、様々な分野との学際的な研究も行っています。本学理学部卒業生の細矢絵美さん(2011年3月 情報科学専攻 修士課程修了)が発表した「銅板表札風画像の生成法」は、初心者でも容易に銅板表札が作成できるよう、CGを用いてサポートする作成シミュレーションシステムを開発したものです。これは伝統工芸に情報科学からのアプローチをした学際的な研究のひとつです。
- 伝統工芸×情報科学 -

 彫金工芸のひとつである銅板表札は、その独特の風合いが特徴で、銅板に打つ釘の太さや釘穴の密度、使用する道具などを変えることによって様々な作風の表札作成をすることができます。しかし、一度失敗するとやり直しがきかないため、初心者には難易度が高いといえます。
 「CGを用いてもっと便利に作成できないだろうか」、銅板表札を作成した細矢さんのこの思いから本研究は始まり、初心者でも容易に銅板表札を作成できるような、CGを用いた作成シミュレーションシステムの開発を行いました。

 本研究の最大の難点は、銅板表札のCGを生成するにあたって釘穴の大きさや密度、釘を打つことで生まれる表面の凹凸、銅板の反射角度などといった独特の風合いを生み出すこれらの特徴を全て数式で表すことでした。表面のへこみ具合を表すときには、粘土を用いて様々なへこみを計測して、それに対応する数式を構築するといった工夫を凝らし、工程のひとつひとつに数式を当てはめました。
 こうして6つのパラメータを設定することで、様々な作風の銅板表札のCGを簡単に作成できるシミュレーションシステムを開発しました。本システムは、各工程段階をシミュレートしてCGを作成でき、穴の位置などを決める作成の手本となります。実際にユーザーテストで、本システムによるシミュレーション後に銅板表札の作成を行ったところ、シミュレーションせずに作成した場合と比べて、釘の太さの選択などがしやすくなり、より容易に作成できることを確認しました。本システムを使うことで、技術を要する伝統工芸を初心者が失敗を恐れず気軽に始められるようになることが期待されます。
 なお本研究は、放送技術・メディア情報・画像エレクトロニクスにおいて代表的な学会である社団法人 映像情報メディア学会主催の「平成23年度 優秀研究発表賞」を2011年12月に受賞しています。

 細矢さんが所属していた本学理学部 新谷研究室は、本研究のような誰でも簡単に扱える「賢い」CGソフトの研究開発を進めています。現在は東邦大学の産学連携活動のひとつとして、細矢さんの勤務先の企業と共同で新たな研究開発を行っており、今後さらなる成果に結びつくことが期待されています。

社団法人 映像情報メディア学会

映像情報メディアに関する学理ならびに技術の進歩向上、普及をはかることを目的に活動する学会です。本学会の優秀研究発表賞は、研究会活動の活性化の一環として研究会発表を対象に、若手技術者、研究者および学生会員の研究を奨励するために設けられたもので、選考は研究委員会ごとに行われます。
(参考:過去の受賞者一覧 http://www.ite.or.jp/contents/about_us/awards_winner/07.html

〈論文タイトル〉銅板表札風画像の生成法
〈  著 者  〉細矢 絵美・新谷幹夫・白石路雄
〈 掲 載 誌 〉映像情報メディア学会技術報告 Vol.35(14),Mar.2011

【お問い合わせ先】
東邦大学 経営企画部 広報担当       森上 需
〒274-8510 千葉県船橋市三山2-2-1   E-mail: press@toho-u.ac.jp
TEL/FAX:047-472-1159    M Phone: 090-8722-8471